先週の水曜日に静岡市に出張で行ってきました。飯田市から中央自動車道、東海環状自動車道、新東名高速道路を走り、約3時間で着きました。新東名高速道路は、今年4月に開通したので、そちらを通りましたが、線形もよく走りやすい道です。帰りに、SA(サービスエリア)がグレードアップしたようなNEOPASA浜松によって、「うなぎパイ」をお土産に買いました。ピアノの鍵盤を模した建物の外観は、楽器の街、浜松らしいデザインです。ピアノのアルバムを。
BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
YOU MUST BELIEVE IN SPRING (WARNER BROS.1977年録音)
どのアルバムを聴こうかとしばし思いを巡らせました。バド・パウエル、ソニー・クラーク、トミー・フラナガン、ビル・エヴァンス、ヤン・ラングレンあたりかと逡巡しながら、豊かな抒情性に加え、バビッシュな収録曲も聴けるエヴァンスの「You Must Believe in Spring」にしました。こういう逡巡というのは、ずっと続くと困るけど楽しいものです。
メンバーは、ビル・エヴァンス(p)、エディ・ゴメス(b)、エリオット・ジグモンド(ds)。ゴメスは、この作品を最後に、マーク・ジョンソンと替わります。ゴメスの音色やソロのフレーズに僕はあまりなじめなかったので、最初、輸入盤LPをレコード店で手にとった時には、買おうかどうしようか躊躇したのですが、それは杞憂でした。というのは、ゴメス(b)は絶妙の伴奏をつけていますが、ソロの出番は少ないからです。
曲は、「B Minor Waltz」(For Ellaine)、「You Must Believe in Spring」、「Gary's Theme」、「We Will Meet Again」(For Harry)、「The Peacocks」、「Sometime Ago」、「Theme From M*A*S*H」(Sucide is Painless)の7曲。CDでは、「Without A Song」、「Freddie Freeloader」、「All of You」の3曲がボーナストラックとして追加されています。エヴァンス作の「B Minor Waltz」の曲想からは、鎮魂と静寂が感じられます。
深い抒情と寂寥感が漂う、美しく繊細な演奏の連続に息を呑みます。インタープレイというより、エヴァンス(p)中心のトリオ演奏が行われていて、スローテンポで、エヴァンスが存分に音を紡ぎだしています。LPにおける最終曲「Theme From M*A*S*H」は、一転してアップテンポで輝かしい音、フレーズでスイングしていてよいのですが、若干の違和感がありました。しかし、CDで初めて聴いた「Without A Song」など3曲では、ビートが強くややアグレッシブなプレイも行われていて、このセッションでは変化に富んだ演奏が行われていたこともわかり、嬉しいボーナスです。
【NEOPASA浜松外観】
(お土産のうなぎパイ)