先週の土曜日の午前中、横浜市内をぶらぶらしていました。伊勢佐木町、馬車道、中華街と、横浜ならではの古い建築物を眺めながらの散歩は、とても楽しいものでした。散歩の途中、前から行きたかった、青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」の歌碑に寄ることができました。彼女は歌謡曲の演歌歌手とされますが、その歌いぶりや、曲(編曲)にモダンなところを感じて、僕は隠れファンとなり、発売当時のEPも何枚か持っています。今夜は「Burbon Street Blues」(伊勢佐木町ブルース)収録のアルバム。
MINA AOE (青江三奈)
THE SHADOW OF LOVE (VICTOR 1993年録音)
先日、テレビで青江三奈の生涯をドキュメンタリー風に描いた番組を放映していました。番組名は不明でしたが、2000年に若くして亡くなった彼女の歌手としての経歴などをたどるもので、感動的な場面が出てきてテレビにくぎ付けになりました。水前寺清子がインタビューに応えて、「青江三奈は、ジャズなど何を歌ってもうまかった」と語っていました。これは、1993年にニューヨークで、スタンダード曲を中心に録音したものです。
メンバーが豪華です。青江三奈(vo)、フレディ・コール(p,vo)、グローヴァー・ワシントン JR.(as)、エディ・ヘンダーソン(tp)、ジム・パウエル(tp)、テッド・ナッシュ(ts)、ジェリー・バード(g)、マル・ウォルドロン(p)、ジョージ・ムラーツ(b)、ビリー・ハート(ds)、Steve Berrios(per)。中でも、フレディ・コールは、4曲(「It's Only A Paper Moon」、「Love Letters」、「Harbour Lights」、「Green Eyes」)で青江三奈とデュエットで歌っています。
曲は、ほとんどスタンダードで、「Cry Me A River」、「It's Only A Paper Moon」、「The Man I Love」、「Love Letters」、「Lover, Come Back to Me」、「Bourbon Street Blues」(伊勢佐木町ブルース)、「Harbour Lights」、「When The Band Begin To Play」、「What a Difference A Day Made」(恋は異なもの)、「Green Eyes」、「Gray Shade of Love」、「Sentimental Journey」、「Honmoku Blues」(本牧ブルース)の13曲。
英語の発音はそうよくないし、演歌的な節回しが出たりしますが、彼女のハスキー・ヴォイスは効果的で、メンバーのソロやフレディ・コールの歌もつぼを得ており、全体にジャジーです。歌と編曲がよく、ジェリー・バードのギターやジョージ・ムラーツのベースソロも入るグルーヴィーな「Honmoku Blues」(本牧ブルース)、伊勢佐木町ブルースの英語詞版の「Bourbon Street Blues」、「What A Difference A Day Made」(恋は異なもの)あたりが聴きもので、「Love Letters」などコールとのデュエット曲は、二人ともリラックスして歌っていて雰囲気がよく出ています。