怪しい奴について有力な情報を入手した。
Y爺さんに人相や服装を伝えておいたところ彼も奴を見つけた。
Y爺さんの言う人相や背格好また持っていたリュックサックなどが私の言っているものと一致した。
「そいつですよ」と私。
「そうだら?」とY爺さん。
「あれはのう。あの家から出た人が、ここに嫁いで、その息子で、大学を出て、学校時分からよーく出来たって。それで大学院に進んで。家業を継ぐことになって・・・・」
Y爺さんの田舎情報局員としての能力はたいしたものだった。
あまりにも盛りだくさんの話から要約して 「じゃあこういうこと?」と問うと
「そう」と答えた。
「つまり怪しくないってこと?」と問うと 「そう」ということだった。
早速駐在さんに伝えに行った。
駐在所の中の小さな応接椅子に座って話した。
事の次第を伝えると 巡査は「分かりました。それは○○さんですね?」と言う。
「そうです。ご存知ですか?」と聞くと
「知っていますよ。もし彼が歩いていても怪しくないから質問しませんねぇ」ということだった。
「こんな結末で良かった」と二人で大笑いした。
巡査は、さすがに、この町の住民のことをよく知っている。
安心した。
すると何か? じゃぁ私が奴に(いや彼に)声を掛けたとき怪しいと思ったのは彼のほうか?
怪しい奴だから関わりにならないようにしようと思って、そそくさと立ち去ったわけか。
じゃぁ今回は、やはり私が怪しい奴だったというオチだ。