中国の太陽電池生産が好調のようです。日中経済討論会で来日した太陽電池メーカー、サンテックの副総経理へのインタビュー記事が10月24日の読売新聞にありました。先日のシャープの不振を証明するものです。
・・・略
――世界首位のシャープはシリコン不足で生産量が減り採算が厳しい。
「昨年、シリコンメーカーと10年の長期契約を結び、影響はない。2007年の生産実績は予想していた280メガ・ワットから350メガ・ワットに増える。生産能力も予定の420メガ・ワットから500メガ・ワットに高める」「(京セラを抜き、独Qセルズに次ぐ)世界3位になるのは間違いない。08年は2位の可能性もある」・・・中略
――今は9割が輸出だ。中国での需要の見通しは。
「法律の整備も進み、政府は(購入補助金などの)関連施策を検討中だ。北京五輪メーンスタジアムにもうちの製品を設ける。中国は太陽電池ブームで、関連部品も合わせると300~400社が参入している」・・・以下略
完全に日本のメーカーのジリ貧が見えてきたと言ってもよさそうです。衝撃の記事がありました。
産業タイムズ社より
太陽電池のセル生産能力、中国が日本を超す 年産能力は1600MW 10月3日
中国の太陽電池セルの生産能力が日本を追い越したことが、半導体産業新聞の調べでわかった。2006年の中国のセル生産能力は合計で約1600MWに到達。それに対して、日本の生産能力は1500MW前後とみられる。
太陽電池市場の急拡大に応えるため、太陽電池メーカー各社は相次いで増産計画を打ち出してきた。最大の生産能力を誇るシャープは年産能力を710MWに拡大した。そのほか、京セラの240MW、三洋電機の165MW、三菱電機の135MWなどが続く。これらを代表とする日本勢11社の年産能力は、合計で1500MW弱に拡大している。
その一方で、06年に大規模な設備投資を敢行した中国の太陽電池メーカーは、年産能力を約1630MWに拡大した。生産能力では、日本は中国に追い抜かれ、世界トップの座を奪われた格好となった。
中国最大の太陽電池メーカーのサンテック(無錫尚徳太陽能電力有限公司)は、07年に年産能力を410MWまで引き上げた。業界第2位のニューエナジー(保定天威英利新能源有限公司)は年産能力を約200MWに拡大。JAソーラー(晶澳太陽能有限公司)は約175MW、CEEG(中電電器(南京)光伏有限公司)は約200MW、ソーラーファン(江蘇林洋新能源有限公司)は約150MW、トリナソーラー(常州天合光能有限公司)は150MW、CSIアトス(蘇州阿特斯陽光電力科技有限公司)は50MWに到達したもようだ。
これらの中国メーカー7社のみで年産能力は1335MWに達する。その他にも比較的に規模の小さいメーカーが複数あり、中国全体の太陽電池セルの年産能力は06年に約1630MWに到達したものとみられる。
何と、生産能力が抜かれてしまったとは驚きです。半導体が韓国に抜かれた時と同じような衝撃を受けました。いよいよ気が付いたら設置だけでなく生産量までが後進国になってしまっていたなんてことにならないとも限らないことになりそうです。
遂にエネルギー大国になれるチャンスを逃し、石油がなくなればエネルギーをどこからも調達できずに国が滅びてしまったなんてことになるかもしれません。この事態を危機と感じずに自分の懐の心配ばかりしている政治家や官僚の人たちはどう思っているのでしょうか。
本当にバカな政治家ばかりです!