第 89話の「弓削の道鏡どころじゃない」で、小和田氏が国会において、サンフランシスコ講和条約における「東 京裁判の判決を受諾」を「裁判を受諾」と言い換えたことが、その後の日本の行方を歪めてしまったことを取り上げました。
私も、今まで、東京裁判の判決と裁判の意味の違いが良く分からなかったのですが、BBさんのブロ グでやっと理解できました。
ところが、政権の中枢にも私と同じ程度の理解しかしていなかった人が居るようです。私も、このニュースを読んだとき に、あれっと思いましたが、それ程、気にも留めていませんでした。
しかし、やはり、問題は大きそうです。何時もの西村幸佑さんが厳しく指摘してくれています。
TwitLongerよ り 28th Aug 2014 from TwitLonger
西 村幸祐
朝日は、なぜ安倍首相がいわゆるA級戦犯の法要に電報を送った事を問題にしたいのか?
安倍首相が東京裁判のいわゆるA級戦犯などを追悼する法要に電報を送ったことを、朝日が8月27日に歓喜雀躍するか のごとく報道し、菅官房長官が昨日の記者会見でこう説明した。
「私人としてのメッセージだと思っている。我国はSF平和条約において裁判を受諾した」
だが、これはおかしい。官房長官は国会で歴史を知っている心ある議員から追及されるかもしれません。な ぜなら、以下のリンク(「インドのモディ首相が来日する、大きな意味」
)で説明したように、日本はSF講和条約に調印したのは東京裁判の判決を受け入れただけで、裁判そのものを 受け入れた訣ではないからです。
しかも、もっと重要なことは、サンフランシスコ講和条約の第11条で「戦犯」の赦免や減刑についは、「判決に加わった国の過半数が決定する」とあり、全国 で戦犯釈放運動が広がり、当時の有権者のほとんどである4000万人(当時の日本人口8454万人)の署名が集り、昭和 28年に戦犯の赦免決議が国会に於 いて社会党や共産党を含めて一人の反対もなく全会一致で採択されたという事実があります。
そして、国際的にも、サンフランシスコ講和条約第11条にもとづく11カ国の同意を得て、いわゆるA級 戦犯は昭和31年に、BC級戦犯は昭和33年までに赦免し釈放されました。
その結果、すでに処刑されていた【戦犯】は「法務死」とされ、靖国神社にも合祀された訣です。
●1952年(昭和27年)6月9日参議院本会議にて「戦犯在所者の釈放等に関する決議」
●1952年(昭和27年)12月9日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」
●1953年(昭和28年8月3日衆議院本会議にて「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」
●1955年(昭和30年)7月19日衆議院本会議にて「戦争受刑者の即時釈放要請に関する決議」
以上の決議は、全て全会一致、社会党・共産党も賛成しています。当時の日本人の民度の高さが偲ばれま す。その高い民度は、占領軍である米 国と連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって、日本が解体される前の、つまり戦前の教育を受けていたから保たれて いたものです。
イ ンドのモディ首相が来日する、大きな意味
評価の高い菅さんでもこの程度の認識なのですから、国会議員でも分かっている人は少ないのかもしれません。
これ程までに戦後教育で本当のことを教えてこなかったことの付けが大きくなっていることが良く分かる例じゃないで しょうか。
何が問題かも解っていない国会議員が多いので、日本を取り戻す動きが鈍いと言っても過言ではないでしょう。
やはり戦前の教育を受けた人達が一線を引いた80年代以後の戦後教育によって劣化した日本人を戦前のレベルに戻すの は、今すぐに手を打っても同じだけの年数がかかるのかもしれません。
そんなのんびりしたことでは日本が消滅する方が先になりそうです。ここは、ネットの力と朝日新聞・NHKの解体を絶 対にやらなければならないでしょう。
第 5376回の「里山資本主義」でこれぞ日本の林業復活のカギとなりそうな集成材を取り上げましたが、政 府もその気になってきたようです。
日本の先人が守ってきてくれた豊富な森林資源を海外の材木が安いと言うだけで長い間打つ手も無く放っておいた無策を見直し、もう一度林業を日本の貴重な産 業として掘り起こす時が来ているのは間違いないでしょう。
政府がやっとその気になったのは大事なことで。これを機会に、日本再生と共に林業の再生も目指しましょう。
SankeiBizよ り 2014.8.25
国 産集成材パネル、量産企業に補助金 林業活性化を後押し
政府は、木材を利用した新たな建築材「クロス・ラミネーティド・ティンバー」(CLT)の量産に乗 り出す企業を2015年度から補助金で 支援する方針を固めた。CLTの量産設備について投資額の半分近くを補助する。政府が成長戦略に位置づける国内林業 の発展に向け、国産木材の需要拡大につ なげるのが狙い。2020年東京五輪の主要施設でもCLTの採用を促し、国産木材の品質の高さを世界にアピールした い考えだ。
年間約4万立方メートル以上のCLTを生産できる設備を導入する製材業者などを対象とする。林野庁は、1件当た りの投資額は30億~40億円とみており、このうち半分から3分の1を補助する方針。予算規模は今後詰める。
CLTは木材の繊維方向が交互に直角になるように張り合わせた大判パネル。大規模商業施設や集合住宅にも使用で きる丈夫さを持つものの、建築基準法で は建築資材として認められていないため、使用する場合には国土交通相の特別認可が必要となる。このため、CLTを大 量生産できる国内企業がほとんどないの が実情だ。
政府は林業の活性化に向け、補助金でCLTの量産体制を整えるとともに、CLTを使った建築事例を増やすこと で、建築基準法の整備も進める考えだ。
また、東京五輪の競技場や選手村の内外装などでCLTを含む国産木材を活用することを政府は東京都に働きかける 方針。長野五輪のスケート会場の屋根の ほか、ロンドン五輪の自転車競技場の外壁などに木材が使われるなど大型施設での採用は世界的にも広がっている。林野 庁は国内外から注目される五輪関連施設 への採用で国産木材をアピールし、「林業の輸出拡大にもつなげたい」としている。
半世紀前には9割だった木材の自給率は現在、約3割に落ち込んでいる。ただ、近年は戦後に造成した人工林が利用 期を迎えており、政府は10年後に自給率を5割以上とする目標を掲げている。
たった半世紀前には9割も自給率があったとは驚きです。そう言えば、私の子供の頃は大きな製材工場もあった記憶 があります。木材の匂いもいつもしていたような気がします。おがくずなんかも当たり前のように目にしていたもので す。
半世紀前と言えば、第 4946回の「50年目振りの戦艦大和」のように遊び道具や模型も木や竹で作るのが当たり前でした。あ んな世界が戻ってくることを期待したいものです。
ねずさんの第三巻が発売になったそうです。今度のは今までと違って、ブログ からじゃなく書下ろしだそうです。これは楽しみです。
内容が又興味深いものがありそうです。日本人の民度の高さが存分に語られているのじゃないでしょうか。詳しくは リンク元で読んでください。
ねずさんの ひとりごとよ り 8月26日
ね ず本の第三巻が発売になりました。
ねず本の第三巻が、今月24日に発売となりました。
今回のタイトルは、ズバリ「日本はなぜ戦ったのか」です。
これまで、戦争を描いた本では、たいてい
(1) 事実のドキュメント
(2) いかに勇敢だったか
(3) 戦いの悲劇性
といった切り口でのみ描かれることが多かったように思います。
ところがこの本はそうではなくて、日本が「いかにガマンしたか」を切り口に、戦争を描いています。
おそらく、こうした切り口で戦いを描いた本は、これが初のことではないかと思います。
そういう意味で、この第三巻は意欲作です。
ほとんど無意識な行動が、言われてみてハッと気付かされるということは、よくあることです。
この本に書いたことですが、「たしかに、そうだよな」と気付かされることとして、ひとつの例を挙げています。
それが「問題が起きたときの私たち日本人の行動」です。
たとえば、家の車庫の前にお隣の旦那さんが勝手にクルマを停めてしまっていて、自分の家のクルマを出したくても 出せない状況になったとします。
さてそんなとき、みなさんなら、どのようにされるでしょうか。
おそらく、日本人なら、ほとんどすべての方が、お隣さんの玄関のチャイムを鳴らし、
「すみません。クルマを出したいので、お車をどけていただけないでしょうか」
なんと迷惑をかけられた方が、謝っています。
諸外国では考えられないことです。…以下略
この本の帯の言葉と言うのが又期待させてくれます。
これほど平和を愛する国はない。
戦えばこれほど強い国はない。
これは読まないわけには行かないでしょう。特に、書下ろしですから、ブログでも読んだことがないのですから猶更 です。
と言う訳で、何時ものように、図書館購入依頼作戦で坂出図書館に申込みしました。さて、いつ来るかな。
それにしても、ねずさんの本を教科書にはもちろんですが、世界に翻訳して広める必要があります。今でこそ、分 かったようなことを言っている私も、ねずさんのブログに出会うまでは、日本の歴史なんて殆ど知りませんでした。
衝撃は、やはり、第 1回の「天皇と公民」ですね。それまでは考えたこともなかった話でした。これを、子供の時から知ってお けば日本人として最高の誇りを持てるでしょう。そして、この素晴らしさを世界に理解してもらうことこそが日本の進む べき道だと思います。世界に庶民は待っています。