第 452回の「UNゴミ機関の捏造舞台裏」で取り上げた日本の左翼が徹底的に利用している国 際連合人権委員会は国連本体以上に胡散臭い。日本人の国連崇拝をこれほどうまく利用する日本の左翼の悪賢さ にはほとほと感心させられます。日本を貶めるためにはあらゆる手を使う左翼に民度の高い日本はやられ放題です。
ここで出された出鱈目なク マラスワミ報告なるものが慰安婦問題の足を引っ張っている。それにしても、これ程覚えにくい名前はないです ね。何時まで経っても覚えることができません。というか、覚えたくもないですが。
そのクマラスワミ報告について池田信夫さんが分かり易く書いてくれています。
アゴラ 言論プラットフォームよ り 2014年09月05日
池田 信夫
菅官房長官は、きょうの記者会見で、国連人権委員会が1996年 に出したクマラスワミ報告について「わが国の基本的立場や取り組みを踏まえていないことは遺憾だ」とコメントした。 この報告書はとても国連の出したものとは思えない、出来の悪い学生レポートのようなものだ。
ここには多くの被害証言なるものが引用されるが、そのほとんどが出所不明の2次 資料で、資料価値がない。たとえば
16. 最終的には、日本人は暴力を使ったり公然と強要して、高まる軍の需要を満たす女性を集めることができたのである。非 常に多くの女性被害者が、娘が連行され るのを阻止しようとした家族に暴力が加えられたと語り、時には無理矢理連れて行かれる前に両親の目の前で兵隊にレイ プされたと言う。ヨ・ポクシルについて の調査によれば、彼女も多くの少女と同様に家で捕らえられ、娘を取られまいと抵抗した父親が暴行されたあげく連れ出 されたという。(2)
ここだけを読むと委員会が元慰安婦の証言を聞いて書いたようにみえるが、この注(2)と いうのは、G. Hicks "Comfort Women"と いう一般書である。証拠をあげている「歴史的背景」には11の注が ついているが、そのうち(1)から(9)ま でがこの本で、あとが吉田の『私の戦争犯罪』だ。つまりクマラスワミ報告書は、たった2冊 の一般書の孫引きで書かれているのだ。
このHicksと いう人物は香港に住んでいた経済評論家で、日本語も韓国語も読めない。この本の謝辞では「韓国から英訳して送っても らった資料をもとにした」と書いてい る。つまりクマラスワミ報告書は、元慰安婦の証言を韓国の活動家が(特定の意図をもって)英訳した伝聞資料を切り貼 りしたものにすぎない。
Hicksの本には証拠能力がないので、吉田 証言が唯一の1次資料だったが、それも今回の朝日の報道で崩れ てしまった。したがって報告書の信憑性はゼロである。クマラスワミは記者会見で「修正の必要ない」といったそうだ が、その通りだ。この報告書は修正するのではなく、朝日の記事と同じく全面的に取り消すしかない。
外務省は当時、これに対して反論書を出そうとしたが、当時の村山内閣が阻止したと みられている。そこにはこう書かれていた。
特別報告者は、旧日本軍の慰安所に関する歴史的経緯や、いわゆる従軍慰安婦の募 集、慰安所における生活等について記述しているが、ほぼ全面的に、日本政府に批判的な立場のG. Hicks氏の著書から、特別報告者の結論を導くのに都合の良い部分のみを抜 粋して引用しているに過ぎない。一般 刊行物に依拠する場合、十分な裏付け調査を行わなければならないことは職責上当然のことだが検証が行われた形跡がな い。その上主観的な誇張を加えている。 無責任かつ予断に満ちた付属文書は調査と呼ぶに値しない。
朝日新聞は、彼らが16回も報道し続けた吉田 証言が否定されても「核心は変わらず」と逃げているが、吉田証言はこのようにでたらめな報告書の論拠となり、国際的 に大きな影響を与えたのだ。外務省はあらためて反論書を出し、国連にこの報告書の撤回を求めるべきだ。
追記:クマラスワミ委員会は、北朝鮮などの(自称)元慰安婦にヒアリングをしてい る。これも反対尋問なしの「原告側」の主張なので、証拠能力はないが、ヒアリングしなかったわけではない。
安倍さんの7日のスリランカ訪問はクマラスワミさんに会うことが目的なんてことはなさそうですが、やはり、もっと真 剣に慰安婦問題の解決に力を入れて 欲しいものです。安倍さんは、自民党が本気になって河野洋平・福島瑞穂・朝日新聞の国会喚問をやるのを待っているので しょうか。
仕事をしない外務省は、河野談話を破棄しない限り真剣には反論に何だかんだと屁理屈を付けて動き出さないのじゃない でしょうか。河野談話の破棄と新談話の発表で動かざるを得ない状態にならない限り、自分から動くことは無いでしょう。本 当に、役に立たない外務省。