インドのロシア傾斜が心配です。モディさんも一筋縄では行かないようです。と言うか、やはりロシアからの武器調達を許してきたアメリカの努力不足もあるのでしょう。
そんなインドにジョンソン英首相が電撃訪問したようです。宮崎さんが取り上げてくれています。
どんな思惑で訪問したのかは分かりませんがジョンソン首相の動きは西側では目立つのは間違い無い。
やはり、アメリカが頼りないと考えているのかもしれません。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)4月22日(金曜日) 通巻第7310号
ジョンソン英首相がインドを電撃訪問
ウクライナ支援をしない、自衛隊の救援機寄港を拒絶するインド
4月21日、突如、英首相ジョンソンはインドを訪問し、22日にモディ首相と会見する。
英国議会はジョンソンの「パーティゲート」追求の最中、スキャンダルをのがれるためのインド訪問かと批判されているが、も ともとインド訪問は以前から計画されており、コロナのため二回延期されてきた。
ジョンソンは最初にグジャラート州の州都アーメダバード入りし、英国企業の工場のほか、ガンジー記念館を訪問し、糸つむぎの 実演をしてみせるなどのパフォーマンスを演じた。ガンジー記念館は郊外の川の畔にあって、筆者も五年ほど前に訪問したことが ある。世界からの観光客誘致のため、ちかく拡張工事に入る。同士には刺繍博物館もある。
このアーメダバードはモディ首相の出身地でもあり、かつては安倍首相が訪問した。アーメダバードからムンバイまで、日本が新 幹線を建設中だ。
英首相訪問はウクライナ問題を棚に上げて、両国の貿易促進とFTAの締結であり、13億ドルの新規投資、英国内に1万人の雇 用創出を見込む。
ところでインドは世界第二位の陸軍、四位の空軍、七位の海軍をほこり、兵器の国産化、防衛産業の自主生産プログラムを推進 してきた。インドの旧宗主国である英国にはインド人移民が夥しい。
ガンジー、ネールとつづくインド歴代政権は『非同盟』を外交の柱としてきた。
インドの武器体系は60%をロシアに依存しており、武装ヘリ、戦車、エンジン、ミサイル、空中早期発見警戒機などを輸入し た。ウクライナ危機で、部品調達がままならない状態になっている。
中国と同様にロシア制裁にはくわわっていない。そればかりか日本の自衛隊が救援物資をウクライナへ運ぶための輸送機寄航を 拒絶した。
インド空軍は410機以上のソビエトとロシアの戦闘機(Su30、MiG21、MiG29)を保有し、一部はインドで組み 立てている。またロシアの潜水艦、戦車、ヘリコプター、潜水艦、フリゲート艦、ミサイルを保有し、防空ミサイル・システム、 フリゲート艦、アクラ型原子力潜水艦、機関銃などの納入を待っているところだ。
モディ政権となって、米国と大幅な関係改善に乗り出し、トランプ政権のときに米国から長距離海上哨戒機、C130輸送機、 ミサイル、ドローンの導入を決めた。
インドは従来、保護貿易主義で、とくに軍事技術、ライセンス生産に厳しい国産化条件があったが、2020年から外国企業の防 衛製造部門を自由化し、資本率を49%から最大74%へ拡大した。
先進技術を持つ外国企業を誘致し、現地企業と連携してインドに工場を設立するプログラムである。
やはり、安倍・トランプの退陣は勿体ないことをしたものです。次は、高市・トランプによるインドへの働き掛けを期待したいものです。
この自衛隊機の受け入れ拒否も驚きです。ロシアに対する忖度でしょうか。
それにしても、折角取り込んだと思っていたインドの動きは心配です。果たしてどうなるのか。