一度は保守の巻き返しの流れに期待した前回の選挙でしたが、残念ながらその流れは本流となりませんでした。
ところが、このところその遅れていた流れが変わってきたようです。オランダ等で保守が第一党に躍り出たようです。
宮崎さんが取り上げてくれています。今度こそこの流れが本物になって欲しいものです。
日本も百田さんの保守党が躍り出て欲しいものです。何と言っても自民党は完全に終わっているだけに期待したいが、平和ボケ日本にはまだそこまでの動きがあるとは思えないのが残念です。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和五年(2023)11月24日(金曜日) 通巻第8019号
今度はオランダで保守党が第一党に躍り出た
アルゼンチン、NZ、スロバキア、ポーランドと政治状況の激変が続いている
オランダと言えば、ゴッホやフェルメール、レンブラントなど世界有数の芸術家が誕生した国である。日本との関連でいえば鎖国の江戸時代に唯一の貿易相手国として長崎の出島に暮らしていた。シーボルトもオランダ人だった。
そのオランダでも「不法移民排斥」を訴えた「まともな政党」のPVV(自由党)が11月22日に投開票の下院選挙で、第一党となった。
極左メディアは「オランダの極右」などとレッテル貼りに余念が無いが、得票率は25%だった。支持率は2021年から倍増した。
PVVは「すべての移民に対して国境を閉鎖し、『ネグジット』(EUから脱退)を実現し、オランダの「脱イスラム化」を目指す」と唱えてきた。フランス のルペン、ドイツの「ドイツのための選択」、そしてハンガリーでは与党であり、最近はポーランド、イタリア、スロバキアなどで、保守政党が選挙に勝ってい る。
PVVのヘルト・ウィルダース党首は「選挙結果はオランダの有権者がもう(既成政党の従来の政策に)飽き飽きしていることを示している。オランダに希望が点った。オランダ国民は祖国を取り戻し、難民や移民の津波は限定される」
オランダ議会は定数が150.今回の選挙結果はPVVが37議席、極左のGLが25議席、第一党から三位に転落のPVV(国民党)は24議席、もうひとつの有力政党NSCが20議席となった。過半数は76議席だから、三つか四つの政党と連立工作がなされるだろう。
しかし1議席以上のミニ政党が、じつに16もあり、PVVは第一党とはいえ、連立工作がてまどって、政局が安定しないイスラエル型となる可能性が高い。
移民排斥も「ネグジット」もすぐに実現する可能性は低い。
オランダは戦後、旧植民地だったインドネシアなどの移民が目立ったが、近年は様変わりで、ユーゴスラビア崩壊時にはボスニアからの移民が多かった。
最近はアフリカ諸国からも。
人口1800万弱の国で67万人の移民をかかえ、比率は5%近くなった。治安悪化、雇用を奪われる不安、そしてキリスト教の国に異教徒が這入り込んでの文化摩擦など、社会的風潮は、きれいごとをいう左翼の欺瞞に飽き飽きしていた。
いよいよ世界は行き過ぎた民主主義を反省してまともな保守に戻るのでしょうか。
なんとしても、そうなって欲しいものです。このあたりで変わらないと世界も消滅の危機に陥るのじゃないでしょうか。