明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



黒人の人形を作っていた頃、何年かに一体、作っていたのがボクサーである。すべて顔を殴られ、腫らしていたわりには、偉そうな顔をしていた。自分が負けと思わなければ、負けたことにならないというテーマであったが、思えば随分、あきらめの悪い話である。 まだボクシングが、今のように12ラウンドでなく、15ラウンドだった頃は、KOで試合を止めるのが遅かった。大場政夫などは、現在だったら、逆転できずに終わった試合もあったろう。レフェリーは、まだやれるという選手や、観客を納得させるために、大げさに抱きかかえ、ホラ、一人で立っていられないではないか、とKOを宣告するわけである。 筋骨たくましい男性像を作るのは楽しいことだが、そんな人物が作家の中にも、いないことはない。ちょっと筋肉の量をサービスしている感じはあるが、なにしろ、常に本人に見せるつもりで制作している私なのである。

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