明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



バレエ協会会長 薄井憲二先生よりご恵投いただいた『牧神 或いは東 勇作-』(東 勇作 同門会編)。日本バレエ界の草分けの生誕100周年記念だそうで、当時のチラシ、パンフレット、貴重な映像のDVDも付いている。 情報も乏しい時代に大変なことだったであろう。『ジゼル』を上演しようとしても楽譜を入手することができず、ショパンのピアノ曲を使って『ジゼル幻想』として上演したという。見たことのないバレエを自ら振り付けし、それが原作を見たかのように作られていた、と蘆原英了が驚いている。その当時、すでに西洋の模倣から日本人ならではの作品を作ろうとしていたそうである。厳しい稽古だったようで、弟子の一人が、朝食に納豆を食べていったら「踊り手は相手役に不快なにおいをはきかけるものではない」と、いきなり海軍仕込のビンタを2、3発といっていた。Tの頭部が出来てから読もうということで、ようやく読むことができた。薄井先生の師に対する想いが伝わってくる一冊である。アダージョも二十人以上になり、今だったら技術的に、フランスやロシアの劇場を背景として撮影し、伝説として語られるだけの、ニジンスキーの大ジャンプを下から見上げることができるのである。
本日お酉様ということで、5時過ぎにK本に常連が集まる。毎年少しずつメンバーが入れ替わっているが、不思議と満席で収まる。はずした熊手を持って、女将さんを囲んで富岡八幡に向う恒例行事である。

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