明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



制作中の最新作は18年振りの黒人であるが、懐かしい気はせず、むしろ黒人ばかり作って来て、作家シリーズの最初に澁澤龍彦を作るため、何度も粘土を引きはがし脚を切断し、日本人制作のため、頭の切り替えに苦労したことの方が思い出される。 制作中なのは架空の人物である。実在した人物と違って写真資料を集める手間もなく、似せるために時間を費やさず、自分の中に浮かんだ人物を作るので進行は早い。さらにファンなど愛好家や遺族に対してのプレッシャーもない。だったらそんな物だけ作っていれば良いという話しであるが、実在した人物は、著作を含め生前のイメージを写真作品に反映させられる面白さがある。 ところで私の初個展は82年である。恩師である小学校の図工の先生の、恥はできるだけ早めにかいておいた方が良い。というアドバイスを真に受け決行した。先生は惚けた後に亡くなったが、小岩のガード下の屋台で始めて飲ませてもらったチューハイが忘れられず、K本では未だ氷無しの正調チューハイしか飲まない。 初個展で始めて売れたのは黒人の子供である。簡単な石膏型を取り、粘土を内側に張り込んで幾つか作った。手間がかかるので後に樹脂でやってみたが、何体か作ったところで硬化中に出るガスを吸い込み、以後気分が悪くなるようになって止めた。これは私が作って来た作品で、唯一カワイイといわれた作品であるが、写真も残っていない。33年振りに最新作とともに作ってみようかと思っている。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )