明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私の使って来た粘土はパルプの繊維が練り込まれており、そのために乾燥による収縮が抑えられるようだが、繊維のためスムーズな表面の表現には向いていない。そのせいかあまり人気がないらしい。しかし男性を作る限り、その粘土の粗い質感がかえって雰囲気が出る。よってペーパーがけは最小限にとどめる。一方それが女性を作るとなると逆効果となってしまう。そもそも男と女という、これだけ異質な物を、同じようなサイズ、表現方法で、同じ土俵に並べられる気が私にはまったくしないのである。そんな所も、たまたま選択した材料にすでに現れていたのかも知れない。 18年ぶりの黒人像制作であるが、思ったより違和感がない。というよりまったくない。最初に頭部作るため粘土を一塊つかんで、そこから黒人の特徴を出すように、長年やっていた手順があるが、まるで昨日までやっていたかのようである。私は自分がいつの間にか齢を重ねているのがどうも解せない。頭をぶつけて数十年間気を失っていたのではないか。18年ぶりに作っているのにこの違和感の無さはどうしたことか。この後作家シリーズを18年続けていたのは気のせいではないのか?あくびしているうちに一生など終わってしまいそうである。 

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

過去の雑記

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