明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



デジタルの風景写真を見ていて、なんだか化学調味料過多の料理のような、気持ち悪さを感じる。修正し過ぎもあろうが、その写りにも原因があるのだろう。 その点私の場合、主に195、60年代の、真面目に良いレンズを開発しようとしながら目標に届かず的なレンズ、もしくは初めから目標などないようなレンズを使っているせいで、デジタル臭さ云々にまで至ることはない。そもそもは作者の泉鏡花がベトベトしていて生臭いと書いた河童を撮るために入手したレンズであったが、この河童、普段は90センチで小さくなる分には、いくらでもサイズを変えられる。実際の人形のサイズを利用して、草むらや海岸で撮影したが、物語を描くには合成を多用することになり、レンズの癖のあるボケがさまたげとなり、ほとんど使わすじまいであった。その妖怪用レンズを河本の撮影に使用している。もっとも、見た目80なのに来年二十歳だとか、300年生きるといいはる被写体にはちょうど良いようである。

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