明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

搬入  


『日影丈吉と雑誌宝石の作家たち』 日影丈吉を作ることになるとは思わなかったが、ようやく搬入である。昨日の初台に続き、町田も初めてである。出品は計3体。新作の日影以外は乱歩、横溝と、昨年世田谷文学館に展示した作品であるが。 会場は完成まで当分かかりそうな状態であった。日影のインタビューだかの録音が残っているそうである。「早くいってよ」といいたい。平面の写真から立体を作る場合、本人の肉声が聴けるにこしたことはない。八百屋がスイカを叩くのと同じようなものである。木場の魚屋の倅である。下町訛りが出ているのではないか。エッセイの中にも東京弁が出てきた気がする。今展のメインビジュアルは澁澤龍彦編『暗黒のメルヘン』のカバーに使われた村上芳正である。ポスターをもらう。 帰宅後、撮影している河本のデータのチェック。先日、飲酒の果てに、良い歳をした連中がヒートアップしてしまった。勿論河本でやったら即出禁であるから、二次会である。Hさんにいわせるとみんな十歳なのよ。という。確かに見た目は四十過ぎから来年定年だったり、と実に情けないが、十歳といわれれば、あんなものであろう。そこでふと思ったのは、連中を十歳にしてしまっているのは、実は皆で心配し、いたわっているつもりの80歳の女将さんなのではないだろうか。写った女将さんの周囲の屈託のない、無防備な顔を見ていてそう思った。連休明けなど、夏休みが終わり、早く先生や同級生の顔が見たい小学生の如しである。また別な撮影方がありそうである。

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