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シラミ

2018-07-02 07:51:00 | 日記
「シラミ」を漢字で書くと「虱」。
敗戦が小学校2年生だった私たち世代にしてみれば、シラミは身近な、厄介な害虫だった。特にアタマジラミ、頭に寄生するシラミである。それこそ全員って言っていいほど、誰もの髪の毛にシラミが動いているのを見つけた。毛髪に着いているシラミのタマゴもお互いに取り合ってピチン、ピチンとつぶしていた。遠い遠い昔のこと、もう日本でシラミを見ることもないだろうと思っていた。

たまたまシラミの話題が出た。で、昔を思い出した。洗髪は毎日したし、濡れた髪を梳き櫛で丁寧に梳き、シラミやタマゴを梳きとった。親は子供の肌着を煮沸消毒していた。学校で、頭から全身DDT紛剤を噴霧された。とにかく日本国民、みんなDDTまみれにされたのであった。DDTは毒性の強い殺虫剤で、その後、生産中止になったが、何も知らない国民が粉まみれになり、持続させるために、すぐ払ったり風呂に入ったりしてはいけないとも言われて浴びていたのである。情報もないころだし、子どもだったからDDT被害は知る由もなかった。とはいえ、その効果はあったのだろう、シラミはその後、忘れていた。

シラミなんて日本にはいない、いるとすれば外国から、たまたま持ち込まれた何かに付着して入ってきたのだろう。でも一応ネットでシラミを調べてみた。いやはや、私の認識不足、日本でもシラミが流行っている、と言う記事に唖然とした。
シラミの来日経路は、予想の様なもののようだが、シラミを知らない世代が親になっているので、処置の仕方がわからなくて、ほうってあり、「蔓延している」ともあった。ただただ、へぇ~!

野次馬でシラミ対策をきっちり読ませてもらった。

ネットに元アナウンサーで、パリ在中の中村英理子さんの「まさかシラミと格闘するなんて」と言うエッセイを読んだ。新聞に連載されていた過去の一文のようだ。それによると、お子さんが「学校からプー( les poux)が見つかりました。気をつけて」と言うお知らせと、シラミに関する冊子を持ってきたことから、話が始まっていた。娘さんもシラミがうつり、その対策、私たちが戦後やったような対策も、薬剤のこともきちんふれてその格闘ぶりが紹介されていた。

冊子にはシラミの概要、質問形式で、Q:ショートカットにすればいいのか?A:ダメです。・・と言った日常的な説明がしてあった。さすがフランス、移民も多い国だからかもしれないが、行政も学校も衛生指導が行き届いている。ひき換え、現在の日本の親も行政マンもシラミの知識あるんだろうかといぶかった。

と、もうひとつ、フランス語のシラミと言う単語プー(poux)にも興味をもった。戦後、シラミのことを親たちは「ハンプー」と言っていた。シラミの漢字は虱、風のノがないので、半分の風で「はんぷう」と言うのだとは親から教わっていた。辞書も親と同じような説明がある。しかし「はんぷう」で検索するとカッコつきで、(日葡)と言う文字がある。日萄はポルトガル宣教師たちが編纂した辞書らしい。この辞書に「はんぷう」の説明はあるのかどうか、調べようもないが、もしつながりがあるとしたら、フランス語のpou、poux(複)も関連がありそうだ。うん、虱(はんぷう)はプーの当て字だったりして。
コメント
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