Papasanののみ薬がなくなった。後2,3日あってもよいはずなのに、どうも重複して飲んでしまったようだ。月曜日、papasanを連れて診療所へ行った。今日は血液検査はなく、処方箋をもらった。会計の時、事務局で職員がプリントをくれた。ちらっと見ると、先回質問した、あの石のオブジェの資料のようだった。ありがたい、前から気になっていたのだから、大喜びをして礼を言った。セイジョーに薬をたのみ。後で取りに来ると言ってお迎えを頼んだ。
家に帰り早速もらったプリントを開いてみた。字が小さいので拾い読みをしたが、診療所のオブジェに関する記述はない。もう一度プリントを見る。アトリエ ムーブという会社の説明書だ。どうも内装などの仕事をしているところみたいだ。そこで横浜の本社に電話をかけてみた。古い話なので受付では通じなかった。しばらくして電話の相手が代わった。ここの取締役。すなわち代表者のようだ。そこで古い話だけど、と真鶴診療所のオブジェの話をし、設立当時見た覚えはあったが、医者にかかることなどなかったので久しくお目にかかることはなかった。寄る年波で、診療所の御厄介になり始めて、あの石のオブジェにお目にかかった。とても気に入っている。石材は小松石だから、真鶴の石材店がかかわっていると思ったので、誰が作ったのか知りたかった、あのシャープな切り口の石と相対する石のかけているところがまるで何か叫んでいるよなんて感想を言うと、さすが施工者、当時のことを思い出して、せっかく石の町なのだから、小松石を使ったオブジェを作った。あのオブジェは上から吊り下げて設置した。石は亀川石材が協力してくれた、などなど話してくれた。結局だれが制作したかはわからなかったが、アトリエムーブに所属しているデザイナーや彫刻やさんが担当したようだ。
初めての相手だからお互い背景がわからない。それでも、小松石や中川美術館の話まで及んだ。診療所へ行く度にオブジェに向かって「おはよう!」なんて声をかけている。というと、とても喜んだ。「私、おばあさんだから」というと「私もおばあさんよ。82歳」と言った。「私の方が一つお姉さんだ。私83歳」と。すっかりうちとけた。「えらいなぁ、82歳で現役なんだ、しかも取締役。私はなまってるなぁ」と言って笑った。たのしいひと時だった。