洗濯物を干しているとカラスが騒いでいるのに気がついた。どうしたんだろう、と椎の木をみると枝の間に複数のカラスが見える。声も濁ったが~、が~というのとあ~あ~というのが聞き分けられた。あれ、かぽが帰ってきたのかも。そこで「かぽ!」と呼ぶと、繁みからカラスが飛び出してきて、桜桃の枝に止まった。ハシブトだ。「お前はかぽかい、おかえり」と言って、急いで台所から肉を持ってきた、これは犬のためのものなのだけど。手からちゃんともらって食べる。かぽに違いない。いつものように口いっぱいにほうばって飛んで行った。「Papasan、かぽが帰ってきたよ!」
あの大騒動はハシボソとのなわばり争いだ。しばらくこの追い出しっ子が続き、やがてハシボソが明け渡して幾野が常。しかしハシボソは一向に人間になれないから、かわいくない。
かぽが来たのはこの日だけ。なんだったんだろう。どこかへ行く途中、表敬訪問に寄ったのかな?