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好奇心

2011-05-06 08:55:27 | インポート

常連の冬鳥たちは帰っていった。シロハラやツグミは遠くシベリヤまで帰る。いまごろはどこら辺まで行ったのだろうか。沿岸部はまだしもシベリアの内陸部はまだまだ雪と氷に閉ざされている。常連さんが帰って、今の常連はイソヒヨとスズメとハシボソカラス。そこでスズメにflying catchを教え込んでいる。投げ与えるシフォンを取ろうと何回も試みては、何回も失敗を繰り返していたが、いまではかなりのスズメがflying catchは出来るようになった。イヌビワの枝にとまって、順番に「はいよ」と掛け声とともに投げ上げられるシフォンを上手に受け取っていく。順番を待ちさえすれば、確実に餌をもらえるのだから、flying catchを覚えるにこしたことはないのだが、それでもはなから挑戦しようとしないスズメもいる。ふん、チャレンジしない奴になんかやらないぞ、と無視している。群れてはいるが、やはりそれぞれで個体差はある。集団は均一化されているように見えるが、均一化されてはいないのだ。人間社会もおんなじだ、と思いながら観察している。

                                                         

本来、スズメの嘴はflying catchするようには出来ていない。穀類を砕いて食べるように出来ている。ヒヨは蜜を吸うように嘴が長いから、flying catchしやすいのだ。もちろんヒヨドリはflying catcherでもあるから上手なのは当然といえば当然なのだが。その向いていないスズメがflying catchをしているのである。これはもうチャレンジ精神もいいところだ。

                                                          

先日新聞で、骨が語るDNAといったような記事を読んだ。簡単に言うと、骨を調べると、ルーツがわかるというものだ。およそ20万年前、アフリカで誕生した人類のご先祖サマは中東、インドを経て、東南アジアに到達し、さらにユーラシア大陸を北上したり、南下したりして各地に散っていった。われらのご先祖さまも、日本列島にも南から入ったもの、朝鮮半島やシベリアからきたものなどなど、この骨のミドコンドリアをからわかるのだそうだ。実におもしろかった。その記事の中で、マレーシアのボルネオにあるニア洞窟の取材文があった。ニア洞窟はご先祖様たちが逗留していたところ。ボルネオのジャングルにある。中は広く、居心地はよい。安住の地にしてもよかったのだが、しかしご先祖様たちはそこを捨て、何が待ち受けているかわからない未知の世界を求めてさらに散っていく。もしご先祖さまたちが移動しなかったら、アジアの人類の分布は変わっていただろう。われらの存在だってありえなかったかもしれない。ご先祖さまの、その好奇心こそがホモ サピエンスのホモ サピエンスたる所以だ、というのである。

あの山の向こうには何があるんだろう、海のかなたには何が待ち受けているのだろう、空の上には、水の中には・・・冒険心は好奇心の賜物だろう。そこには困難もあるだろうが、それ以上の喜びもあるかもしれない。そう、好奇心がチャレンジ精神を刺激し、文化を、文明を育ててきたと言ってもいいだろう。チャレンジ精神は年齢には関係がないようだ。

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