安倍晋三の選挙勝利と日米同盟緊密化と日本の軍備増強を目的に自身の言葉で膨らました“北朝鮮の脅威”

2017-11-20 11:06:56 | Weblog

 文飾は当方。

  「APEC首脳会議及びASEAN関連首脳会議出席等についての内外記者会見」首相官邸/平成29年11月14日)      

 安倍晋三「一連の会議を通じて、最大の懸案は北朝鮮の問題でした。東アジアサミットでは、各国のリーダーたちとこれまでにない危機感を共有しました。

 国際社会が一体となって国連安保理決議を完全に履行し、圧力を最大限まで高めていく。北朝鮮の側から、政策を変えるから対話してほしいと言って対話を求めてくる状況をつくらなければなりません。

 北朝鮮による核・ミサイルの問題、そして拉致問題を解決する。国際社会の連帯を更に強固なものとするために、我が国はこれからも全力を挙げてまいります」

 【質疑】

 松本時事通信記者「北朝鮮情勢について伺います。今回のベトナム、フィリピン訪問で、総理は各国との首脳会談やマルチの会合を通じて北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めることを呼び掛けられました。

 国連安保理制裁決議の効果が出てくると見られる年末に向けて、北朝鮮情勢は緊迫するとの見方もあります。総理は、北朝鮮の今後の動向をどう分析なさっていますでしょうか。

 また、その分析を踏まえて、日本政府としてどう対処なさっていく方針なのか伺います」
 安倍晋三「9月15日以降、北朝鮮の挑発行動は行われておりませんが、言葉による挑発は続いています。過去20年間の核・ミサイル開発を踏まえると、北朝鮮は引き続き、一貫して核・ミサイル開発を継続していると考えています。

 私は、北朝鮮の核・ミサイル問題について、トランプ大統領訪日の成果も踏まえて、習近平主席、あるいはプーチン大統領とも率直な意見交換を行いました。これから厳しい冬を迎える中、北朝鮮における制裁の効果を注意深く見極めていくことで一致しました。

 北朝鮮とは対話のための対話では意味がありません。北朝鮮に全ての核・弾道ミサイル計画を完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法で放棄させることにコミットさせなければなりません。

 東アジアサミットや各国首脳との会談において、北朝鮮に対する圧力を最大限にして、北朝鮮の側から対話を求めてくる状況をつくらなければならないと強く訴えました。北朝鮮に対する圧力の必要性や拉致問題の解決について、多くの首脳から支持を得ることができたことは成果だったのではないかと思います。

 我が国としては引き続き、日米、日米韓で協力して、中国、ロシアを含む関係国とも緊密に連携しながら、国際社会全体で結束して、北朝鮮の核・ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて取り組んでいく考えであります。

 「北朝鮮の側から対話を求めてくる状況をつくらなければならない」と二度発言している。

 そのような「状況」「圧力を最大限まで高めていく」ことによって可能となるとしている。

 このことは「北朝鮮とは対話のための対話では意味がありません」と言っている対話排除と対応している。

 「第195回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説」首相官邸/平成29年11月17日)  

 二 北朝鮮問題への対応

 安倍晋三「「今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後、最も厳しいと言っても過言ではありません。国民の信任を背景に、積極的な外交政策を展開してまいります。

 北朝鮮による我が国を飛び越える相次ぐミサイルの発射、核実験の強行は、断じて容認できません。

 先般、トランプ大統領が来日し、日米同盟の揺るぎない絆(きずな)を、世界に示しました。

 トランプ大統領は、拉致被害者の一人ひとりの写真を、真剣なまなざしで見つめながら、御家族の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けてくれました。御家族も御高齢となる中で、拉致被害者の方が再び故郷(ふるさと)の土を踏み、御家族と抱き合うその日まで、私の使命は終わりません。

 北朝鮮の核、ミサイルの問題、そして拉致問題を解決する。北朝鮮にその政策を変更させなければならない。そのために、国際社会と共に、北朝鮮への圧力を一層強化してまいります。

 先日のAPEC、東アジアサミットにおいても、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席をはじめ、各国首脳と、北朝鮮問題に対する緊密な協力を確認いたしました。

 日中韓サミットを早期に開催し、三か国の連携を更に深めてまいります。

 北朝鮮による挑発がエスカレートする中にあって、あらゆる事態に備え、強固な日米同盟の下、具体的行動を取っていく。ミサイル防衛体制をはじめとする我が国防衛力を強化し、国民の命と平和な暮らしを守るため、最善を尽くしてまいります」

 ここでも、「北朝鮮にその政策を変更させなければならない」と同じことを主張し、「そのために、国際社会と共に、北朝鮮への圧力を一層強化してまいります」と、北朝鮮をして政策変更させる唯一の方法論として圧力強化を挙げている。

 言ってみれば、圧力最大化が北朝鮮ミサイル開発・核開発阻止の唯一の解決策と見做す“圧力性善説”となっている。この考えには圧力が時と場合に応じて北朝鮮の暴発を招く危険性を想定に含めていない。

 このような危険性の指摘に関しては、「圧力の強化は北朝鮮を暴発させる危険があり、方針転換して対話をすべきではないかという意見もあります。世界中の誰も紛争などを望んではいません。しかし、ただ対話のための対話には、意味はありません」で片付けている。

 いわば「世界中の誰も紛争などを望んでいない」ことを唯一の保証としている「暴発」と言うことになる。「世界中の誰も紛争などを望んでいない」にも関わらず、世界中いたるところで戦争・紛争・暴発・テロが起きているにも関わらずである。

 北朝鮮がミサイル開発・核開発を行っているのは自国安全保障上の観点からアメリカに対して核保有国であることを認めさせるデモンストレーションに意味を置いているはずである。アメリカをミサイル攻撃しようとか核攻撃しようとかの意図はない。

 もし意図があってミサイル攻撃なり核攻撃を実行したら、アメリカの何十倍もの反撃を受けて、北朝鮮国土の壊滅的な破壊ばかりか、金正恩独裁体制は維持不能に陥ることになって、元も子も失くすことになるだろう。

 但し経済・金融その他の制裁――“圧力最大化”を受けて北朝鮮の国家体制が維持不能の状態に追い込まれた場合に限り、暴発の危険性は保証の限りではなくなる。

 要するに安倍晋三が言っている“対北朝鮮圧力最大化”こそが、暴発の誘発要因となり得る。にも関わらず、「世界中の誰も紛争などを望んでいない」との願望を唯一の根拠に暴発の危険性を眼中に入れずに「圧力の最大化」、「圧力の最大化」と騒いでいる。

 安倍晋三と違って自民党幹事長の二階俊博が11月19日のラジオ日本の番組で暴発の危険性に触れていることを「NHK NEWS WEB」(2017年 12時40分)が伝えている。     

 二階俊博「日米関係など、こちらが調子がいい時だけに、相手(=北朝鮮)をこれ以上追い込んではダメだ。圧力をかけて、ずっと追い込み、爆発するのは決まっている。安倍総理大臣も慎重にやるだろうが、ぜひ注意してやってもらいたい」

 記事の解説を待つまでもなく、過度の圧力が暴発を誘発しかねない危険性に言及している。これが常識的、一般的な国家安全保障上の危機管理であるはずだ。

 だが、安倍晋三は常識的、一般的な国家安全保障上の危機管理を自らの認識とすることができずに“対北朝鮮圧力最大化”のみを言い立てている。

 一方で安倍晋三が「国難」に位置づけた“北朝鮮の脅威”を言い立てることで成功したことは10月総選挙の勝利とトランプと意見を一致させたなお一層の日米同盟緊密化、同じくトランプと意思を疎通させることができた、言ってみればアメリカのお墨付きを得た日本の軍備増強である。

 北朝鮮のミサイル開発・核開発が米国に核保有国であることを認めさせるデモンストレーションに過ぎないことに反して“北朝鮮の脅威”を言い立てているということは自身の言葉で膨らました演出に過ぎないという証明を導き出す以外に答を見い出すことはできないが、同じことの言い立てが選挙の勝利と日米同盟緊密化と日本の軍備増強を成功させていることも、成功のために自身の言葉で膨らました“北朝鮮の脅威”であることを証明する。

 これらの成功を導き出すための“北朝鮮の脅威”であり、“対北朝鮮圧力最大化”と言うことなら、その陰に潜むことになる暴発の危険性を眼中に入れいていない国家危機管理であることも頷くことができる。

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