安倍晋三政治関与加計獣医学部認可答申:「獣医学部新設4条件」審議せずの決定であることをNHK記事報道

2017-11-11 11:57:45 | 政治

 最初に2015年6月政府閣議決定の新たな獣医学部新設を認めるための4条件を確認しておきたいと思う。

「獣医学部新設4条件」
①既存の獣医師養成でない構想が具体化すること、
②ライフサイエンスなど、獣医師が新たに対応すべき分野の具体的な需要が明らかになること、
③既存の大学・学部では対応が困難なこと、そして、
④獣医師の需要の動向を考慮すること

 この4条件が満たされていた場合、獣医学部の新設が認可される。4条件共、既存の獣医学部にはない新構想の獣医学部を目指していることになる。

 2017年11月10日付「NHK NEWS WEB」の記事内容を追ってみる。     

 文部科学省の大学設置審議会が学校法人「加計学園」の獣医学部の来年2018年4月開学を認可するよう、文科相の林芳正に答申した。

 大学設置審議会は獣医学などの専門家14人で構成。国家戦略特区で認められた獣医学部の審査は今回が初めてだが、専門的な見地から加計学園から申請された教員の数や定員、教育内容に法令違反がないか審査に当たった。

 今年2017年5月の専門委員会審査では抜本的な見直しが必要な場合にのみつけられる「警告」が出される。
 
 理由。国家戦略特区は既存の獣医学部にはない新たな構想の獣医学部の必要性、その他の条件を掲げたが、加計学園が構想している獣医学部が生み出す「具体的な需要が不明」などの指摘、いわば「獣医学部新設の4条件」を満たしていないと指摘されたことになる。

 その他、国内最大の160人の学生規模について「実習を円滑に実施できるか不明」との指摘。

 委員の一人「学園が当初提出した計画は、教員の年齢層が偏っていたりとか、研究施設が狭く、既存の大学に比べても非常に劣ったりしているものだった」

 2017年7月7日付「朝日デジタル」記事によると、2017年3月時点の計画では就任予定の約72人の専任教員のうち、最初の卒業生が出る開設6年後には65歳以上になる教員が15人、約20%。70歳以上も15人と伝えている。  

 合わせて72人の内半数近くが65歳以上となる。

 このことのどこが問題かと言うと、記事は〈朝日新聞が獣医師養成系の学部・学科のある既存の16大学に取材したところ、いずれも定年は65歳以下。今年3月末時点で、65歳以上だったのは専任教員計666人中、再雇用されるなどした5人。獣医学部と同じく診療も受け持つ医学部の新設計画では、2016年開設の東北医科薬科大で8%、17年開設の国際医療福祉大で12%〉と問題点を指摘している。

 加計学園獣医学部の教員年齢が如何に高齢者に偏っているかということと、取り敢えず年齢に関係なく掻き集めた様子を窺うことができる。

 「警告」に対して学園側は定員を20人少ない140人に減らして専任教員数を増やす修正案を出す。

 この修正案に対して大学設置審は学生の実習計画などが不十分だなどとして認可の判断を保留。

 記事は次に大学設置審が「獣医学部新設の4条件」との適合性を問題にしている点に触れて、〈委員の間から「学園の申請内容はいわゆる4条件を満たしていない」という意見が出された〉との指摘を取り上げている。

 文部科学省担当者「4条件は特区での検討事項であり、この審議会では審査しない」

 記事は、このように〈繰り返し説明したということです。〉と解説しているが、大学設置審議会の議論に獣医学などの専門家14人以外に文科省の担当者も出席していて、口出ししていたことになる。しかも加計ありきの立場から。

 後からの述懐なのだろう。

 設置審委員の一人「特区の中では加計学園の獣医学部は4条件を満たしているというが、学園から提出された計画をみる限り、そうは思わなかった」

 今月11月2日、設置審の専門委員会が認可を認める結論を出す。

 結論はすんなりと出たわけではないことが、〈この日の議論では「依然として実習体制が十分でない」などとして、認可に向けた結論を出すことに異論を口にする委員もいました。〉との解説によって窺うことができる。

 取り纏め役委員「設置審としてこれ以上認可を先延ばしにすれば、学園側と訴訟を含めたトラブルになる可能性がある」

 いくら国家戦略特区諮問会議が加計学園の獣医学部を「獣医学部新設の4条件」を満たしていると判断して今治市の戦略特区新設獣医学部の事業主体として認めたとしても、大学設置審議会はその判断をベースとして、学生数に対する教員数の適したバランスや各種カリキュラムの実施体制、実習体制等の適否を規準とした純粋に獣医学的適合性を加えて認可を議論しなければならないのだから、先ずは「獣医学部新設の4条件」を満たしているかどうかを検証する必要があるはずだが、「獣医学部新設の4条件」の判断は諮問会議だけでいい、大学設置審議会は議論の必要はないとするのはあまりにも横暴、これを以って自分たちが決めたことを絶対として他処は口出しするな、ケチをつけるなとする縦割り行政と言うはずだ。

 取り纏め役委員のこの発言が最終的に認可答申に向けてリードしたようだ。

 記事。〈「訴訟という言葉を聞かされ、何も言えなくなった」と話す委員もいました。〉

 後で述懐するのではなく、なぜその場で言わなかったのだろう。大学設置審議会での認可するか否かの議論で不純な要素が介在していたなら、訴訟問題が起こるかもしれないが、純粋に獣医学的適合性に添った議論に終始して結論を導き出していたなら、訴訟を恐れる理由はないし、訴訟を受ける筋合いはない。

 逆に取り纏め役委員の方こそが「訴訟を含めたトラブルになる可能性」を持ち出すことで不純な要素を介在させて、議論をリードした疑いが出てくる。

 かくして認可に向けた答申が文科相の林芳正に為された。

 何よりも問題となるのは文部科学省担当者が「4条件は特区での検討事項であり、この審議会では審査しない」と言って、「獣医学部新設の4条件」と大学設置審議会の議論を分けたことである。

 国家戦略特区諮問会議で新設の加計学園獣医学部が「獣医学部新設の4条件」を満たしていると認めさえすれば、大学設置審議会が満たしているかどうかは審査する必要はないとしたことに果たして正当性があるのだろうか。

 平成29年11月10日の文科相林芳正の記者会見動画から4条件に触れた箇所を見てみる。テキスト版はまだ記載されていない。  

 林芳正「今回の獣医学部新設につきましてはこれまで国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められてきたところでありまして、4項目(「獣医学部新設の4条件」)につきましては昨年の11月9日の追加規制改革実行の決定の際にですね、開催省庁に於いて4項目が満たされているという確認を行っております。

 今回の設置認可のプロセスに於いては文科省として申請書の内容が4項目を満たしているか否かを確認したものではなくて、4項目を踏まえて進められた国家戦略特区のプロセスの中で進められた加計学園の構想等が適合しているか否かについて確認を行っておるところでございます。

 従って本年1月までの国家戦略特区に於けるプロセスの判断が覆るものではないということが確認をされたところでございます」

 加計学園が新設を申請している獣医学部が獣医大学として相応しい教育内容と教育体制を整えているかどうかを審議して答申する文科省の大学設置審議会の構成メンバーは獣医学などの専門家である。

 その専門家が加計学園獣医学部が「獣医学部新設の4条件」に適合した教育組織となっているのかどうかを議論し、判断するのではなく、獣医学の専門家が民間有識者のメンバーに一人としてなっていない国家戦略特区諮問会議が判断する。

 このプロセスは逆ではないと如何なる正当性も与えることはできない。

 閣議決定であくまでも既存の獣医学部にはない新構想の獣医学部の新設を謳ったのである。

 獣医学などの専門家をメンバーに含めていない国家戦略特区諮問会議で新設を申請している加計学園獣医学部が「獣医学部新設の4条件」を満たしていると結論づけたとしても、獣医学などの専門家14人で構成する大学設置審議会が満たしているか否かを最終判断して、初めて、そこに正当性が生じるはずである。
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