|
安倍晋三、不正統計アベノミクス偽装 実質賃金目減りの野党追及に 「経済の実態を表しているのは総雇用者所得で、名目でも実質でもプラスになっている」 カネ持ちもビンボー人も含めた「総雇用者所得」 中低所得層の収入の指標足り得ない 実質賃金が見るべき状況に達していないのは物価のプラス率とドッコイドッコイだから どう転んでも、「実感なき景気」を答としている点、何も変わっていない。安倍晋三、一流のゴマカシ |
題名の「起承転結不明」は答弁の"組み立て"がいい加減なこと、「理路整然欠如」は議論の筋道が全く整っていない様子を表している。
その部分の動画を載せておいたから、トクとご覧あれ。
小川淳也「本題に入りますが、安倍総理、去年の6月に3.3%という驚異的な数字の伸び、がありました。21年5ヶ月ぶりと大きく報じられたわけ、であります。当時、安倍総理は初めて民間に対して具体的な数字を上げて賃上げ要請している。その数字が3パーセント、でありました。 従って、何らか、この、3.3%という数字が大きく報じられたときに、何らかの印象なり、記憶なり、感想なり、があったと思うんですが、先ずそれをお聞かせ頂きたいと思います」 安倍晋三「あのー、ご存知だと思いますが、私はそのときの、えー、毎勤(毎月勤労統計)、のですね、えー、上がる、が、上がったことについてですね、確認されては、一度もございません、私自身が。 ですから、これ、私自身に色々印象が残っていたなら、そうだったんだろうと思いますが、私自身、実はですね、それが上がったということについて、実はいちいち毎勤統計については私は報告は受けていません。 私が、えー、ま、統計で報告を受けるのはですね、失業率と有効求人倍率を色々、各人に於いて、総務大臣、総務大臣から報告を受けるときでございます。基本的にいちいちのですね、毎勤統計について、えー、私、一喜一憂する考えはございませんし、そもそも、もう余りにも、承知になっているでしょうけど、むしろ私は、えー、この毎勤統計についてですね、えー、ま、実は先程ご説明したんですが、事業所に於いて、その事業所の職員で割ったものの平均でございますから、経済の実態を直接示しているかどうかということについて、私はむしろそれは総雇用者所得で見るべきだという議論をいつもしていたわけでございます。 ですから、そういう意味に於いてですね、そこは私は特別な印象を持っているわけではないわけでございます。えー、この実態から見れば、この、えー、三桁(?)あることも。 あと、あのー、おー、その前にですね、えー、この入れ替えも、ま、お、行なわれということだったということもあるんだろうと、こう思う次第でございます」 小川淳也「今のは今までつれないご答弁だと思いますね。これだけ毎日賃上げ要請、賃上げ要請、そして初めて具体的な数字まで上げて、そして毎月毎月、いちいち、私の考えはございませんよ。21年5ヶ月ぶりという大きな報道があったわけですから、何らかの印象が残ってるんではないかと期待をして私はが聞いたわけであります。 しかし残念ながらその数字は嘘だったわけでありまして、今。その前後策にてんやわんやされてるわけであります」 |
いずれにしても2018年8月7日厚労省発表の2018年6月「毎月勤労統計」に「何らかの印象なり、記憶なり、感想なり」を持ったかどうかを尋ねた。対して安倍晋三は「確認したことは、一度もございません」と答弁。当然、印象も記憶も感想も持たなかったことになる。つまり「毎月勤労統計」に関心を持つことはなかった。
取り敢えずの答弁はこれのみで済ませてもいいはずである。もし小川淳也が安倍晋三が経済界の尻を叩いて、あれ程に賃金の上昇に拘っていた手前、「毎月勤労統計」に関心も持たずに鈍感でいられるとは思えないとでも新たな質問の矢を放ってきたなら、「私が統計で報告を受けるのは失業率と有効求人倍率のみで、賃金よりも総雇用者所得の方がより経済の実態を表しているゆえにより興味がある」とでも答えれば、片付くことになる。
ところが、余分な答弁を道草を食うかのように長々と続けている。「私自身に色々印象が残っていたなら、そうだったんだろうと思います」という文言で、「印象に残っていたなら、確認するなり、報告を受けるなりした」といった趣旨の答弁をしているが、「毎月勤労統計」に関心がないことと印象がないことは相互対応した感受性として鎮座している以上、仮定の話として印象に触れるのは矛盾した、無用の発言となる。
いずれにしても、安倍晋三にとって関心がある統計は「失業率と有効求人倍率」とより経済の実態を示している統計として総雇用者所得の3点セットだということを自ら明らかにした。
つまり安倍晋三は「毎月勤労統計」には関心を持たない習性を自らのものとしている。であるゆえに、名目賃金、実質賃金共に21年5ヶ月ぶりの高い伸び率を報じた新聞記事に目を触れることになったとしても、あるいはテレビの報道が目に飛び込んできたとしても、関心がなかっためにどのようなの印象も持つことはなかったということになる。
ではなぜ、最後のところで、「ですから、そういう意味に於いてですね、そこは私は特別な印象を持っているわけではないわけでございます。えー、この実態から見れば、この、えー、三桁(?)あることも。
あと、あのー、おー、その前にですね、えー、この入れ替えも、ま、お、行なわれということだったということもあるんだろうと、こう思う次第でございます」と、弁舌巧みな安晋三にしてはつっかえたり、言いかけて途中でやめたり、発言の組み立てもいい加減、議論の筋道も全く整っていない、相手に素直に伝わらない意味不明の発言で終えることになったのだろう。
安倍晋三はここで「毎月勤労統計調査」のサンプルの「入れ替え」に触れている。小川淳也もあとの方の質問で調査対象企業のサンプルの入れ替に触れている。サンプルの「入れ替え」には総入れ替え方式と部分入れ替え方式があって、総入れ替えだと、賃金値が下がる傾向があると発言している
総入れ替えでなくても、サンプル選択のサジ加減一つで、賃金値を変えることもできることになるが、安倍晋三が「毎月勤労統計」に関心も印象も持っていないと言っていながら、
発言の展開上も必要がないサンプルの入れ替えに触れること自体、内心に狼狽えている何らかの心理要因を隠しているからだろう。
このことが1点。
また新聞、テレビにしても、世の中の出来事をそのまま伝えることもあるが、出来事に関わる解釈を伝える場合もある。出来事のみならず、その解釈も国民の解釈に大きな影響を与え得る。経済に関わる統計となると、国民の報道から受けた解釈がアベノミクスにも何らかの影響を与え得るケースも生じる。「毎月勤労統計調査」に関心もない、印象も持たないからといって、経済に関わる報道が国民に正しく伝わる内容・解釈となっているかどうかを確かめるためには統計作成の関係省庁に確認し・報告を受けなければ自身が望むことはできない。
つまり、「毎月勤労統計調査」に関心がないで済ますことはできない。だが、済ましている。
このことが1点。
2018年6月の「毎月勤労統計調査」の報告を受けてもいない、自分の方からも確認していないが事実なら、その事実を手短に話せば片付く。余分なくどくどした言葉は必要はない。事実と受け取られないことを恐れる必要はない。
だが、事実でないとしたら、事実と受け取られない恐れから、相手に事実と思わせる余分な言葉、不必要な言葉を費やすことになる。そのような答弁となっている。
このことが1点。
以上の3点からして、安倍晋三の国会ウソ答弁の典型が以上の発言に如実に現われていると断ぜさるを得ない。