西村「幼児教育の子育て支援をするということですから、えー、その6千円の保険料を、半分を、あの、補助対象として、いると、手当の額としていると、いうことについては、これは合理的な説明では全くない、いうふうに思います。で、また、あー、3歳から5歳まで、ということについてではありますけれども、これはなぜ3歳から5歳までなのでしょうか?」
桝添「小学校に入る前の3年間、これは保育変に通おうと、幼稚園に通おうと、ここに焦点を当てた、いうのは、赤ん坊のとき、乳飲み子のとき、それから小学校入ってから、様々な補助がありますが、そういう意味で(どういう意味なんだ。)、一番全体的に見て、特にお父さん、お母さんたちまで子育てやっていると、ここ足りないなあ、というところがこの年齢層なので、そこに焦点を当てたということでございます」
(西村が言うように、合理的な説明とはなっていない。統計とかの根拠がない。どういう方法で「全体的に見」て「ここ足りないなあ」という結論に至ったのか、つまり統計を取った結果の「ここ足りないなあ」なのか。統計を取らずに、別の何らかの方法で「全体的に見」て「ここ足りないなあ」の結論なのかの説明があって、初めて合理的と言える。)
西村「えー、まあ、今のが明快な説明なのですか。とてもそうは思えない。聞いている方々もですね、それで納得だと、いうふうに思われる方は極めて少ないのではないかと思いますけれども、保育所でしたらね、3歳から5歳までではなくて、未満児、3歳未満児だって、通園をしておりますよね。えー、なぜ0歳から2歳まで対象に含まなかったのか、また、幼児教育は、幼児教育期に於ける、ま、公的助成が少ないんだと、午前中の委員の質疑の中でありましたけれども、うーん、これとて見れば、あー、実際に日本が公教育に於いて、えー、支出している公的な部分が非常に少ない。
全体的にこれは日本が、子育てに対して、かけるおカネというのは少ないわけですから、なぜそこだけを対象にしてやったのか、と言うのは、明確な説明はなかったと、いうふうと思います。えー、なぜ0歳から2歳、そして小学校就学期などは含まれなかったのですか?」
桝添「私は今まさにその歳の子どもを子育て中、孫ではない、私の子どもです。子育て中でありまして、えー、上の女の子は小学校3年生です。で、下は、要するに幼稚園の年長さんです。あ、だから、ずっと赤ちゃんときから育ててきた。やはりね、ウチの場合、幼稚園ですけれどもね、3歳、4歳、5歳、つまり、年小さん、年中さん、年長さんと、くるんです。
ここはね、本当に補助も何もないんですよ。滅茶苦茶おカネがかかりますよ。赤ん坊のときは抱いて行ったりできる。そして、結局ね、幼稚園誰か送るんだと、滅茶苦茶おカネがかかりますよ。これはそれぞれの家庭の選択にありますけれども、私の子育て体験から言っても、3歳から5歳までの期間と言うのは非常に総体的に大変だと、いうことも改めて付け加えておきたいと思います」
(高額所得者に入る国会議員の子供を通わせている幼稚園である。お金持の子弟を受け入れている高額幼稚園かどうかで、カネのかかりが違ってくる。先ずはそこを問題とすべきだが、そのことには触れずに幼稚園に通わせて得た自らの子育て体験を一般的な生活を送っている大多数の国民の体験につなげて、説明可能としている。当然、桝添が)「滅茶苦茶おカネがかか」負担感と一般生活者の負担感は比較できないはずだが、イコールに扱っているのは麻生と同じく、一般生活者の暮らしぶりを真に理解していないからだろう。「国民、国民」の言葉は口先だけで言っているに過ぎないと言うことである。)
西村「それはですね、後で厚生省にきちんと調査を出していただきたいと思います。0歳から2歳までかける保育費、ないし教育費と、それから3歳から5歳にまでかかる教育費、まあ、保育費ですね。どちらでもいいですけれども、それがどのくらいの比較になっているのか、私は決して3歳から5歳だけが0歳から2歳に比べて重たい、などということはないと思っています。その辺は、実態を是非調査をしていただきたい、要求をしておきます。
えー、また、今回、3万6千円、3歳から5歳についてでありますけれども、えー、所得制限を課さないと、いうふうになっているわけですね。えー、今ほどの答弁で、明らかになったように、なぜ3歳から5歳なのか、なぜ、3万6千円なのか、なぜ1回限りか、ということは明確な答弁はなかったと思います。ので、この補正予算の中で、この子育て応援特別手当、ということを実施する緊急性と言うのは、一体どこにあったのだろうか。
まあ、すべてのお子さんに対して、やるということでありますから、まあ、中にはですね、年収200万の親御さんもいらっしゃるでしょうし、年収2千万とか、2億とか、という方もいらっしゃると思うんですね。全員にこの手当てを給付する、ということの緊急性、補正予算ですから、緊急性はどこにあったのでしょうか?」
(麻生は定額給付金に関して当初、「1億円あっても、さもしく1万2千円欲しいと、言う人もいるかもしれない。そりゃあ、その人の、――、哲学・矜持、考え方の問題なんだから・・・・・」と言っていたが、「生活給付という部分の、部分が、かなり減ってきている。比重はむしろ、消費刺激という比重が、高くなってきている。生活給付という部分が非常に大きいときは、私のような者が頂戴するのは、如何にもさもしいではないかと、いう気持があったのは正直なところです。消費刺激というんであれば、私もそれを何らかの形で地元で消費に当てる――」と言い換えたが、消費刺激策でないなら、高額所得者が貰うのはさもしいとするのかと麻生に問うべきだった。)
与謝野「えー、所得制限をかけるかどうかというのは、当然議論を致しましたが、恐らく3歳から5歳のお子さんを持っている方というのは、桝添さんみたいな例外的な方は除いて(鳩山邦夫や甘利が大笑いしていた。)、概ね20代から、30代ぐらいではないかと。その方々は、そんなに高い所得の方はおられないはずなんで、えー、所得制限をかけるという実質的な意義はない、こういうことで、所得制限をかけませんでした」
(必然性からではなく、「恐らく」と推測で政治を行っている。また20代、30代でも、親の財産の保護を受けて高額生活費を確保している者も相当いるだろし、有名大学を出て、大企業に既に就職し、相当の給与を得ている若者はその収入からの子育てにかける投資額は一般生活者と当然違いが生じる。さらに社会的な晩婚化傾向も加味しなければならないはずだが、こういったことを一切無視できる短絡性は素晴らしい。)
西村「これは、あの、補正予算の財政規律、という点からしても、極めて問題だと思うんですね。補正予算財政法上は緊急性のあるものにつけると、編成すると、いうことになっております。
まあ、あの、今の経済状況が大変だということは私も認識を共有して、おりますけれども、とかくこの点についてはですね、先程来こちらの方から(背後を方を振返って)民主党は全員にバラ撒くんじゃないのか、というふうな言葉が出ていますが、全く理念は政府の言っている子育て応援特別手当とは異なります。後でちゃんと説明をしますけれども、私はですね、今回のこの子育て応援特別手当というのは、やはり補正予算の中に盛り込むのは極めて無理筋なものではなかったかと、いうふうに思うんですね。えー、まあ、厚労大臣と、財務大臣にずっとお伺いしておりましたんで、ちょっと、少子化担当大臣お伺いをいたしたいと思います。
えー、やはり、今回の手当、はですね、理念がなかなか明らかにならない、明らかになっていない、ことですので、えー、選挙向けのバラ撒きではないかと、いうふうにいわれているんです。えー、それは本当に由々しき問題だと、思っておりますけれども、少子化担当大臣として、子育て応援特別手当、ほんとーに、これでいいんでしょうか。1回限りの3歳から5歳までの、3・6万円。これでいいんですか?」
小渕少子化担当大臣「えー、お答えいたします。少子化対策を考える上で、やはり経済的な負担を軽減していくということは、やはり大事な対策の一つであると、思います。えー、その面で、この幼稚園や保育園に通う、えー、ご家庭のご負担を軽減するということから、あのー、一定の、成果、一定の効果があると思っております。今回の補正予算について、是非とも全体を見ていただきたいのですけれども、子育て支援に関しては、この子育て応援特別手当だけではなく、困難を抱えた家庭ですとか、あるいは地域の様々な子育て支援に対する支援ですとか、勿論、保育サービスの拡充ですとか、かなり総合的にやっております。あの、子育て支援というのは、経済的な支援だけではなく、やはり総合的にやっていくことが大切ではないかと思っています。ただ1回限り、これで十分かといわれれば、十分ではない部分も確かにあると思います。
子供については、やはり将来の投資と言うことで、えー、中期プログラムの見直しなどのも含めながら、抜本的な、あの、少子化対策と言うものを考えていかなければならないと思っておりますが、(最後は緊張のせいか、声が震えて、聞き取れない。)」
西村「えー、まあ、十分ではない部分もあると、非常に、あのー、正直な、あのー、後答弁をいただいたと思います(こっちのオバサンは落ち着きに落ち着いている)。えー、そして、この、子育て応援特別手当ですが、これまた、あの、給付する作業がスタート、この補正がどうなるか分かりませんけれども、えー、スタートするというときには、またこれ、実際に、給付の作業をお任せすることになるのでしょうか。財務大臣に確認します。いやごめんなさい、総務大臣に確認します」
鳩山総務大臣「あの、同じように自治体を通してという形になると思います」
(「と思います」とは定額給付金と同じように給付方法を決定しないうちに給付だけを決めることになる。最後の手続きまでしっかりと詰めてから政策決定するのが政治だと思うのだが、自民党政治はそうはなっていないらしい。)
西村「えー、総務大臣、あのー、覚えておられると思いますが、私が総務委員会で、えー、鳩山大臣と定額給付金のドメスティック・バイオレンス被害者の給付について、質問をしたことがありました。ええー、ドメスティック・バイオレンスというのは、配偶者や恋人による身体的、まあ、または精神的な暴力や暴言を吐くと、こういうものでありますけれども、この件数はですね、まあ、DV被害防止法の改正もあって、被害件数がどんどん増えてきております。で、もう、これ、大変悲惨なケースも多くて、えー、夫の暴力によって、本当に着の身着のまま子どもと一緒に逃げてきた。で、えー、住民票を移せば、そこで新しい自治体で、住民サービスが色々受けられるんだけれども、うーん、なかなかそれができないというケースが、あり、やはり追いかけられてくるのが恐いとか、えー、また、住民票が実際には総務省から色々な通知もあって、えー、加害者である男性には渡らないようにという、まあ、手筈にはなっているんですけれども、そこでちょっとミスがあって、渡ってしまったりということもありました。で、現住所で給付されないということで、そうすると逃げてしまったDV被害者や子どもさんの分の定額給付金は、その世帯のところに入るんですね。
私はそのことを大変懸念いたしました。この問題が起きてしまうのではないか。法的にも問題になってくるんではないのかと、思っておりましたら、案の定、えー、このDV被害者の給付金が世帯主のところに振込まれるのを差止めてくれと、差し止め請求が出されております。
えー、また、この、失礼。えー、失礼しました。まあ、というような問題が起きてきておりますけれども、今回の子育て応援特別手当を、その給付事務を自治体に任せる、ということになると、これはまた定額給付金と同じ問題が起きるんではないかというふうに懸念を致しますけれども、その点についてどうお考えでしょうか。また、おんなじことが起きるかもしれないと分かっているのに、えー、これを、自治体に給付事務を任せようということになるのでしょうか」
鳩山「あの、私はですね、今の3歳、4歳、5歳の3万6千円の件については、あのー自治体を通してお配りするということで、ま、それ以外の配り方がま、ないから、そういうやり方をするのだと思って、DVの被害者の方ですね、あの、定額給付金の件については、西村委員と随分やりとりしまして、実際にあのー、そっちの話いいですか、そっちの話し必要ないんですか?(と西村委員に尋ねる。「いいです、いいです」と西村委員)あの、仮処分命令の申し立てが6人、6件あったんですね。で、これまで新人がちょっとやっているいる程度ですから、結論が出るのは時間がかかるかもしれませんが、まあ、この結果が出れば、法治国家ですから、仮処分の結果については従わなければなりません。
ただ、定額給付金は世帯主に配るということで、やって参りましたから、従ってDV被害者が支援阻止でちゃんと住所を移しておいてくれればいいんですが、そうでない方々も大勢おられるのも分かっておりますんで、DV被害者に対して独自に給付することを決めた都市がですね、全部287団体あるわけでありまして、これは指示はできませんけども、技術的助言はできますので、(丸投げに少しは無責任を感じたのか、軽く鼻で自虐的に笑う。)まあ、こうした団体が増えていくことを期待しておりますし、その場合に今度1兆円、その補正予算に入っております。え、いわゆる地域活性化、経済危機克服のための1兆円を使っていただこうと思っております」
(「それ以外の配り方がま、ないから、そういうやり方をするのだと思って」は、まさに官僚任せなのを自ら暴露する発言であろう。
また、定額給付金の支給や子育て特別応援手当て支給事務で面倒をかけるから、「地域活性化、経済危機克服のための1兆円を使っていただこう」という見返り発想はおかしいではないか。給付事務にかか経費は国持なのだろうから、すべてを事務的に行うべきである。)
国会質疑からも見て取れる麻生のこの軽さ・軽薄さに耐えられるか(3)に続く
09年5月7日、衆議院予算委員会、民主党・無所属クラブ西村智奈美
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