現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

3日間、東京へ行ってきます。

2012-02-25 05:32:09 | 虚無僧日記
エンディングノート」の書き方を指導する本が
たくさん出ている。その大半が「遺言書の書き方」や
「葬儀の段取り」だ。

「最期を迎えるまでの日々を いかに生きるか」を
一緒に考えるコンサルタント・ビジネスも生まれて
いるらしい。人生経験を生かして、私にもできるか?

まずは、身内から。私の母は、今88歳で、必死に生きて
いる。体は思うように働かなくなってきているので、
そろそろ「エンディングノート」をつけて欲しいのだが、
応ずる気配はない。

こんな小話があった。
「人は、死が近づくと、目も澄んできれいになり、 
仏様のような笑顔になるんですって」と妻が言うと、
夫「じゃ、おまえは まだまだ死なんな」。

私の母も“生”への執着はすさまじい。老いてますます、
社会を呪い、人を憎み、親不幸者の私を憎んでいる。
その形相は、とても“仏様”とはほど遠い。「神仏」を
信じない母だ。成仏はできまい。

このままで、死なれては困る。母と子、憎みあったままで
死なれては、私も後味が悪い。母のこれからの毎日を
心豊かに“幸せ”に、過ごすにはどうしたらよいか。
「ソフト・エンディング」を考えなければならない。

というわけで、今日から3日間、また東京に行って
きますので、明日のブログはお休みです。月曜日の夜
帰って書きます。結果報告をお楽しみに。

エンディング・ノート

2012-02-25 04:49:08 | 虚無僧日記
「エンディングノート」を書くのがトレンディらしい。

映画「エンディングノート」は、「定年退職後まもなくして、
癌で余命半年と宣告された父親(砂田知昭)の 死までを追った
ドキュメンタリー」。退職時の元気でイキイキとしていた顔が、
どんどんやせこけていく、役者では 演じきれないリアリティに
圧倒される。誰にでも訪れる“死”にどう向き合うか。“葬式”
という人生最期の、たった一度きりの一大セレモニーをどう
演出するか。『私今“終活”に忙しいんです』というキャッチも
またすばらしい。

この映画は“終活”“エンディングノート”という言葉を
流行らせてくれた。その影響か、今「エンディングノート」を
書くことがトレンディとか。

「エンディングノート」は ただ「お葬式の準備」というだけで
なく、「死を意識することによって、残りの人生をどう
生きるかを考えるきっかけにもなる」という。「周囲との
関係性や自分が大切にしてきたことを振り返ることで、
日々の過ごし方について見つめ直す」ことはいいことだ。

「震災があって、『明日どうなっているのかわからない』、
『今を大事に生きよう』『周囲にいる人を大切にしよう』と
考える人が急速に増えてきた。人生を振り返り、残りの
時間を有意義に過ごそう」という意識が高まってきたと
言われる。

いままで独身を通してきたミドルの「結婚」だけでなく、
シニアの「結婚」も増えているとか。「最後くらい 添い
遂げる人が欲しい」と考える人が増えている証だとも。
「残りの人生を愛する人と楽しく過ごしたい」と思うことも
「死生観の変化」という。

逆に離婚も増えているとか。「震災で『絆』の大切さが
再認識されたと同時に、『たった一度の人生を、この人と
一緒にいてもいいのか』『自分らしい生をまっとうしたい』と
考えるようになったからとも。

私には、その両方とも、逐一「ごもっとも」と納得いく。








余命10年と決められたら『蜩の記』

2012-02-25 03:58:12 | 心の問題
“死”を達観した人々が目指す心豊かな人生とは?震災から1年、「エンディングブーム」が起きる背景(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

直木賞受賞作品、葉室麟(はむろ りん)の『蜩ノ記』
(ひぐらしのき)が 好評だ。満場一致で決ったという。
審査員も 読後感想も みな絶賛している。

だが、私は「歴史小説」が好きではない。「刃傷沙汰を
起こし切腹を免れ・・・」とか、「藩主の側室と不義密通を
犯して、“十年後”に切腹を命じられた」とか、まず
「有り得ない」と私は思ってしまう。「有り得ない」
奇抜な発想だから「小説」なのだろう。

「事実は小説よりも奇なり」、事実をそのまま書けば、
リアリティもあって、驚きも感動もあると思うのは
私だけか?

というわけで、読んではいないが、「10年後の切腹」
というテーマに、気を引かれた。この年(64歳)になると
「10年後生きているだろうか」「寿命があと10年
だったら、どう生きようか」と 考えるようになった。

最近「エンディング・ブーム」とか。“死”と向かい合う
ドラマや映画が多い。自分の思いを書き残す「エンディング
ノート」の「書き方講座」まである。「自分はどんな死に方を
すべきなのか」「自分の寿命が限られているとすれば、
今やらなくてはいけないことは何か」。「東日本大震災」で、
「生と死」を意識する人が増えたからとも言われる。


『蜩の記』は、こうした潮流に乗った作品といえる。
今後10年間の生き様を 現代人に問うている。その
現代的視点が「直木賞」に輝いたようだ。