東京に独り住む母は、88歳。「米寿」の祝いをしたら、
急に足腰が弱ってきた。もう室内を歩くのもやっと。
外には出れない。「最近、記憶も途切れて、時々、
子供の顔も思い出せなくなった」と。いよいよきたか。
「あれが無い、これが無い」とぶつぶつ。
(それはこの前、私にくれたでしょう)
それでいて、「あの時 ああだった こうだった」と
過去の話しを何度も何度も蒸し返す。
ひたすら“無言の行”で 聞き流す。
山本五十六の言葉だったか。
「苦しいこともあるだろう、
言いたいこともあるだろう、
不満なこともあるだろう、
腹の立つこともあるだろう、
泣きたいこともあるだろう、
これらをじっとこらえてゆくのが
男の修行である」
これで、帰りがけには 少しは元気になった。
急に足腰が弱ってきた。もう室内を歩くのもやっと。
外には出れない。「最近、記憶も途切れて、時々、
子供の顔も思い出せなくなった」と。いよいよきたか。
「あれが無い、これが無い」とぶつぶつ。
(それはこの前、私にくれたでしょう)
それでいて、「あの時 ああだった こうだった」と
過去の話しを何度も何度も蒸し返す。
ひたすら“無言の行”で 聞き流す。
山本五十六の言葉だったか。
「苦しいこともあるだろう、
言いたいこともあるだろう、
不満なこともあるだろう、
腹の立つこともあるだろう、
泣きたいこともあるだろう、
これらをじっとこらえてゆくのが
男の修行である」
これで、帰りがけには 少しは元気になった。