日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

販促のスタイルが変わるキッカケとなるのか?

2009-07-25 06:34:02 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトに、イオン、携帯電話を使った販促会社を設立という記事が掲載されていた。
携帯電話を媒体として、顧客の好みに合わせた商品情報やクーポンなどをメール配信するための会社を立ち上げるという内容だ。

サービス内容を見ると、アマゾンなどが行っている「購入歴から好みを割り出し、その志向に合わせた情報を提供」と言うコトと、現在多くのファーストフード店などが行っている「クーポンサービス」というコトになる。

最近テレビCMを見ていて、気が付くことがある。
それは、いわゆる大手企業のテレビCMが減ってきているということだ。
代わりに目に付くのが、「健康食品系サプリメント」や特定の機能を持った化粧品(いわゆる「にきび化粧品」)だ。
このようなテレビCMが増えると、まだまだ社会の不景気感は進んでいるな~と感じる。
多くの企業が、テレビCMを控えているというだけではなく新商品がなかなか出てきていないのだ。

「健康食品」などは、テレビを見る中心層である中高年者には興味・関心が高い。
しかし、テレビ離れが激しいといわれている若年層にとっては、興味も関心もない分野だ。
不特定多数を対象としているはずのテレビCMですら、既に「特定の層」を意識し始めている、ともいえるような気がする。
そんな中、今回のイオンの販促策はマスではなく、顧客の囲い込みを高めることでマスの広告を減らすという両方を考えているように思われる。

いまやテレビCMが、「企業にとっての情報発信ツール」ではなくなってきているのかも知れない。
むしろ、積極的に顧客個人に対して情報発信をすることで、より蜜な顧客との関係を築き、囲い込みたいという方向へと動きはじめている様に思う。

もちろんこれは、小売り・流通を中心に見た場合なのだが。
メーカーの場合、新製品情報を生活者に提供するためには、まだまだテレビや新聞などを中心になるのだろう。
ただ、例えばクルマのディーラーさんたちからすれば、このような「販促策」を期待しているかも知れない。

何故なら、個人に対しての情報提供というだけではなく、ある特定車種の購入者サークルのようなモノを創り、顧客同士のコミュニケーションツールとして使い、最終的にはディーラーのファンを作るということも考えられるからだ。

「スーパーのやっていること」と、見るのではなく「自社だったら・・・」という視点でこのような販促策を考えてみるコトが、大切な時代になってきているように思うのだ。