日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

お伊勢さんとおかげ横丁

2009-07-06 21:07:02 | ビジネス
昨日、友人に誘われて「松阪農業公園・ベルファーム」に行ったコトについて、エントリをした。
ベルファームそのものは楽しかったのだが、お昼過ぎには見終わってしまった。
まだまだ時間があるし、折角松阪まで来たのだから・・・という理由で、もう少し足を伸ばすことにしたのだ。
ドライブ好きな友人と相談をし、久しぶりに伊勢に行くことになった。

伊勢神宮に行くのは、10数年ぶりのこと。
私が行ったときには、まだ「おかげ横丁」が無い頃だった。
当時は、伊勢神宮に参拝する人は多いのだが、その門前町の商店街はさほど人がいなかった。
観光客で賑わっていたのは、「赤福」と「岩戸屋」といった名の通った老舗くらいだったように記憶している。
他に目立ったのは、どこの観光地にもあるようなお土産屋さんばかりだった。
その伊勢神宮の門前町に、かつてのような賑わいを作り出したのが「おかげ横丁」だ。

ご存知の方も多いと思うのだが、「おかげ横丁」を仕掛けたのは「赤福」だ。
もちろん「赤福」の力だけで、現在のような「おかげ横丁」が出来上がったわけではない。
町並みは当然のこと、それまでアスファルト舗装で車の往来も激しかった道を、歩行者専用とし、石畳に作り変えたりしている。
そのためだろうか?以前よりも道幅が広くなったような気がした。

古い町並みを活かしたことで、何処にでもある観光地のお土産屋さん通りから、地元の伊勢・松阪などの特産品を扱うお店が集まることになった。
そのことで、「伊勢神宮に参拝する」のではなく、「おかげ横丁へ行く」観光客が、多くなったような気がした。

「おかげ横丁」も集客をするために、様々な新しいコトをしている。
以前からあるメインストリートだけではなく、チョッとした路地を造り、タイムスリップしたような散策が楽しめるようになっている。
路地の行き止まりにある洒落た洋館は、ミキモトが経営している喫茶・レストランがあったり、もちろんメニューも明治の頃を感じさせる洋食だ。

他にも、季節ごとにあわせたイベントが用意されており、訪れるリピーターが楽しめるようになっている。

元々は「伊勢神宮」という強力な「資産とブランド」で、観光客を集めてきたはずなのだが、それがいつしか「おかげ横丁」にいくついでにお伊勢さんに参拝という、観光客を作り始めているようだ。
そこには「地元」にこだわることで、「おかげ横丁にしかないモノ・コト」を創りだすことを成功させたからだろう。

「そこに行かなくては無いモノ・コト」を創りだすコトが、もしかした地方の活性化のヒントかも知れない。