日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

中途半端な稼働は、より一層の不安を煽るだけ

2012-06-03 09:21:36 | 徒然
関西電力の「大飯原子力発電所」の稼働が決まった。
一部報道によると「夏季限定」らしい。
どうやら真夏の電力不足解消のための稼働、と言うコトのようだ。

ご存じの通り「大飯原子力発電所」稼働までは、いろいろな問題があった。
問題と言っても原子力発電所そのものでは無く、関西電力が提出したデータ内容やそのことに対する関係自治体の首長さんたちの反対。
その先鋒的役割だったはずの大阪市長の橋下さんが、何となく(と言う印象を受けた)OKしてしまったコトで、一気に稼働するコトが決まったような感じだ。

橋下さんの判断云々については、しっかり理解できていないトコロがあるので、書くことはできないが、本当に「夏の電力不足を補う為の夏季限定稼働」だとしたら、余り得策では無かったのでは?と言う気がしている。

と言うのも「夏季限定」となると、「夏が終われば、停止するのか?」という指摘がされるだろう。
それだけではなく「一端、稼働した原発を再度停止させる為の時間と労力と費用」という問題もあるはずだ。
なにより、稼働反対であった地域の人たちからすると「稼働させたら『電力不足』を理由に、稼働させ続けるのでは?」という疑問と、不安が残るのではないだろうか。

これまでの関西電力と稼働反対を訴える首長さんや地域の人たちとの話し合いが、うまくいっておらず、話し合いそのものが全くかみ合うこと無く平行線のまま、今回の再稼働が決まってしまった、と言うコトが一番の問題なのだと思う。
もちろん、この稼働を決めたのは総理である野田さんであり、現在の与党である民主党というコトになるのだが、政治的手法としてこの様な解決で良かったのだろうか?

もちろん一番の問題は、将来的な日本の電力政策のビジョンが無い、と言うコトなのだが、この問題に対して、与野党が「フクシマ事故」以来真剣に討論をした、と言う記憶が無い、と言うコトのほうがより問題なのだと思う。
経済界も「原発ナシでは、日本の経済は成り立たない」という様な発言が繰り替えされたが、「原発に代わる新しいエネルギー創成に力を入れたい」というコトバは、聞くコトが無かった。
経済界側とすれば、むしろこの様な新しいエネルギーの創成に力を入れるコトのほうが重要だと考える。
なぜなら、日本発の新しいエネルギー創成が、世界の新しいエネルギー創成となる可能性もある。
そこに生まれるビジネスチャンスの大きさを考えれば、今の電力不足解消のための発言+αが必要だったと思う。

いずれにしても、中途半端な再稼働は問題と不安点が多すぎる気がする。