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進むべき方向が違っている気が・・・空気清浄機付きテレビ

2012-06-02 12:54:29 | ビジネス
パナソニックが「空気清浄機能付きテレビ」を発売する様だ。

「ナノイー搭載テレビ」

確かに、空気清浄機は今や家庭の必需品となっていると思う。
使用期間も花粉が飛び始める2月下旬からカビ対策が必要な梅雨明けくらいまで、必要としているご家庭も多いと思う。
それだけでは無く「ナノイー搭載」となれば、「キレイなお姉さん」にはオールシーズン必要なモノだろう。

数日前、マーケティングのブログとしては多くの読者を持っていて、私も毎日の様に拝読させて頂いている大西宏さんの「マーケティング・エッセンス」では、「インターネットテレビ」についてエントリされていた。
「中国にも追い越されそうなスマートTV」
一昨年あたり、メーカーが力を入れて発売をした3Dテレビは思った程の売り上げとはならず、昨年暮れあたりから言われる様になってきたのが、インターネットなどが見られる様なテレビ。
ソニーが、いち早く「youtubeが見られるテレビ」として、市場に出したがどれだけ人気となったのかは分からない。

大西さんが指摘をされている通りの状況であれば、当然家電各社は「インターネットテレビ」の次となるテレビを開発する必要がある。
その結果が「空気清浄機能付きテレビ」なのだろうか?

しかし生活者視点が考えて、テレビに空気清浄機能は本当に必要だろうか?
そのプラス機能で、どれだけの新しい価値が生み出されるのだろう?
確かに、一般家庭用空気清浄機はそれなりの大きさがあり、置き場所という問題もあるだろう。
テレビに付いていれば、その置き場所の心配はいらないと思う。
思うが、所詮テレビにおまけ程度に付いている空気清浄機能。
一般的な家庭用のモノに比べると、期待できる程では無いのでは?
結局、今までの空気清浄機とこのテレビを併用して使うと言うコトになる可能性のほうが大きい、と感じるのだ。

パナソニックの「ナノイー」機能は魅力的で、事実ベッドのサイドテーブルに置くタイプは、大ヒット商品となった。
「寝ている間にキレイになる」というコンセプトが、多くの女性に受け容れられたからだ。
「テレビを見ながら、キレイになる」と言うのであれば、テレビを見ながら現在発売されている製品を使えば良いだけの話。
なぜなら、「キレイになりたい」女性は、「自分がキレイになりたい」のであって、部屋中に「ナノイー空気」にするなら、今売られている「ナノイー機能付き空気清浄機」で十分間に合うからだ。

この商品が大ヒットするか否かはまだ分からないが、何となくテレビの多機能化という方向性が違う様な気がするのだ。
もし、テレビの多機能化というのであれば、エアコンの温度調節や節電のプログラムを組み込み、リモコンと連動させながら、テレビの画面で確認をする、と言うコトのほうが現実的だと思うのだが・・・。