日々是マーケティング

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ソニーの思惑はどこにあるのだろう

2012-06-22 11:21:10 | ビジネス
日経新聞などが、「オリンパス、ソニーとの資本提携へ 500億円受け入れ」と伝えている。
以前から、ソニーの他にも富士フイルムなどの名前が挙がっていた。
富士フイルムとの資本提携というコトになれば、胃カメラなどの画像・映像分野の医療機器としては、日本で一番規模の大きな企業となるのでは?と言う気がしていた。
何よりも、事業としては富士フイルムとオリンパスは同業。
その視点で見れば、富士フイルムとの提携のほうがわかりやすいと言う気がした。
ところが、ソニーというコトになると「何故?」という気がしてくるのだ。
「ソニーは何を期待して、資本提携を申し出たのか?」という点だ。

記事を読む限りでは、資本提携はするがソニーと言う企業名になると言う訳で話さそうだ。
ただ、ソニーとしては余り業績の上がっていない「デジタルカメラ」の市場での、事業展開は考えてはいないだろう。
むしろ、ソニー自身が「サイバーショット」というブランドネームを持っているコトもあり、縮小し、最終的にはオリンパスを飲み込む位の気持ちが有る様に感じる。
もちろん、オリンパス自体が持っている高いカメラ技術も欲しいトコロだろう。

そして気になるのは、画像・映像分野の医療機器という点。
余り知られていない様だが、実は日本の画像・映像分野における医用機器というのは、世界でもトップレベル。
乳がん検診で使われるマンモグラフィーなどは、今まで二次元でしか判らなかった状況が、三次元化するコトも可能では無いか?と言う程までの高い技術力を持っている。
おそらく、世界でもこれほどの技術を持っているのは日本のメーカー位だろう、と言われている。
そのフロントランナーとなっているのが、富士フイルムやペンタックス、オリンパスと言った企業なのだ。
そして、これらの企業が切磋琢磨してきた結果として、日本の高い医療光学機器が世界のトップレベルにまでになった、と思っている。

それに対して、ソニーは確かに高い映像技術を持ってはいるが、それはあくまでも映画などのエンタティメントの分野。
ここ数年、ソニー自身この分野に対してとても力を入れてきた。
先のオリンピックやW杯ドイツ大会などで、映像記録を担当したのはソニーだったと記憶している(と言っても、定かではない。もしかしたらオリンピックはパナソニックだったかも知れない)。

その様に考えると「映像」というコトバでは、共通するモノのソニーとオリンパスとでは違う映像分野だというコトが判る。
とすれば、ソニーはオリンパスの強みとなっている医療の分野での映像・画像に参入したい、と言う意思が有るのだろうか?

そんなコトが気になる、ソニーのオリンパスへの資本提携だ。