日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

何故産業界全体で、新しいエネルギー創成の後押しをしないのだろうか?

2012-06-04 07:15:22 | ビジネス
「フクシマ事故」以来、経団連会長である米倉さんの発言は、「原発稼働は、産業界に取っての生命線」という印象を受ける内容が多い様な気がしている。
確かに、日本の産業を成り立たせるためには、電力は絶対的に必要なモノだと思う。
それは生産の現場から営業、それらを管理する部門総ての部署において、圧倒的に必要なモノの一つだと思う。
それは一般生活に於いても同じだろう。

だが「フクシマ事故」によって、生活者の意識は大きく変化してしまった。
「原子力発電に代わる新しいエネルギーの創成」という意識だ。
その中には、ソフトバンクの孫さんが進めている「メガソーラー」もあるし、トヨタ自動車と浜松ホトニクスが共同で光産業創成大学院大学で研究を進めてきた「レーザー核融合」によるエネルギー開発(注意:PDFファイル)と言うモノもある。
そして今日、一部新聞のWEBサイトには「海のダムで水力発電」と言う記事が掲載されている(紹介記事は、中日新聞)。

考えてみれば、1970年代オイルショックによって日本の産業界は「省エネ製品」作りに邁進をした。
それだけでは無く、当時問題になっていた公害についての対策も同時に行った。
結果として日本は、「省エネ+環境に配慮したモノづくり」ができる国になった。
ピンチであったオイルショックや公害という問題に対して、産業界全体が取り組んだ結果として、この様な「モノづくり」の基盤ができた、と言っても過言では無いと思う。

とすれば今回の「フクシマ事故」は、大きな産業を興す転機となっているはずだ。
一つは「放射能・放射線研究」と言う点。
がんなどの治療には「放射線治療」が、一般的になってきてる。
「放射線治療」と言っても、従来の「放射線治療」もあれば「ガンマーナイフ」も「放射線治療」の一つ、某生命保険会社のテレビCMでおなじみの「高度先進医療」と呼ばれる治療の殆どは、「放射線治療」の一つ。
決して「放射能=悪」では無いし、飛散してしまった放射能をどのように除染し、封じ込めるのか?と言う研究は、世界でも殆どされていない研究だろう。
世界中に有る「原発」で起きる可能性のある「原発事故研究」ができるのは、「フクシマ事故」を教訓にできる日本だけだろう。

もう一つが、「新エネルギーの創成」と言う点だ。
「フクシマ事故」以来、世界のエネルギーに対する考えは「自然エネルギー」をはじめとする、環境に配慮し事故が起きても健康被害を引き起こさないエネルギーへと移り始めている。
とすれば、全産業界を上げて「新エネルギー創成」の後押しをするコトが、日本の産業全体の活性化となるはずだと思うのだ。
この際、様々な業界の既得権にこだわるよりも、日本の産業界全体の未来を考えるコトが大切だと思うのだが・・・。