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iPS細胞の山中教授にみる、新しい日本人の姿

2012-12-08 19:27:28 | 徒然
いよいよ、ノーベルウィークが始まった。
昨夜は、生理・医学賞を受賞する京都大学の山中教授が記念講演をされた。
その記念講演の内容が、新聞各社のWEBサイトに掲載されている。
講演内容を読んでみると、笑いのある中にも研究者としての心構えなどがあり、講演を聴いた人達からも高い評価を受けた内容だったようだ。
ご本人は、謙遜をされてか60点と自己採点をされている様だが・・・。

ノーベル賞受賞が決まった時から、頻繁にメディアに登場するコトとなった山中教授だが、いろいろなトコロで行われた記者会見などの報道を読む度に感じるコトがある。
それが、今日のタイトルだ。

ノーベル賞受賞の報告を受け、最初に言った言葉の一つに「日本という国が受賞した」があったと思う。
「国からの支援がなくては、研究が進められなかった」と捉えられたが、その実、研究費を捻出する為に、様々なアイディアと努力をされ、過去に受賞した際の賞金は研究に携わる人達の為に、貯金をしていると言う報道もその後された。
決して「国からの支援だけで、研究を進めるコトができた」と言う訳では無く、研究を進めるために、大学や研究機関の枠を超えた協力があった、と言うコトも後々判ってきた。
おそらく「日本という国が受賞した」という言葉には、その様な大学や研究機関の枠を超えた協力に対する感謝の意味もあったのではないだろうか?

そして、山中教授の記者会見などでは頻繁に一緒に研究を進めたスタッフ達、ご家族に対する感謝の言葉が必ず出てくる。
周囲の協力に対する感謝と敬意、そんな言葉が実に多い。
これまでのノーベル賞受賞者が、周囲に対する感謝や敬意の言葉が少なかったとは思わない。
思わないのだが、山中教授ほど発言される方は、コレまでいらっしゃらなかった様な気がするのだ。
そしてそんな山中教授の姿を拝見する度に感じるコトが、「新しい日本人リーダー像」だ。

山中教授にカリスマ性が無い、と言うのでは無い。
ただ山中教授ご自身が、「チーム」というか自分と一緒に研究をする仲間をとても大切にし、年齢や経歴で人を見ていないと言う気がする。
ご自分よりも若い研究者であっても、素晴らしいアイディアには拍手を送る・・・そんな姿勢が感じられるのだ。
昨今言われている「強いリーダーシップ」というと、ややもすると独善的で自己主張の強いリーダー像を指す傾向があったように思う。
それに対して山中教授は「協調型リーダー」という気がするのだ。
もちろん、最終的な決断をされるのは山中教授ご自身だとは思うのだが、その決断の過程において、信頼できるチームの意見や考えを尊重し決断をされているように感じるのだ。

政治の世界はもちろんだが、ビジネスでも山中教授型のリーダーの登場が、新しい日本を創っっていくのでは?と言う気がしている。