日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

本屋さんが作る「電子書籍ツール」

2012-12-20 19:51:21 | ビジネス
今日の新聞に、「Lideo」の広告が掲載されていた。
今月発売されたばかりの電子書籍ツールだ。
特徴は、Amazonの「Kindle」とほぼ同じだと思う。
違いは、その取扱書籍数が他社の取扱数とは比べモノにならないほど多い、と言う点だろう。
楽天の「kobo」が、発売された頃に比べるとおそらく倍の取扱量だと思う。
楽天の「kobo」の場合、「青空文庫」などを加えていたことを考えると、随分多いと言うコトが判る。

先日、Amazonの「Kindle」に対して新潮社が書籍の提供を中止する、と言う内容の発表があった。
詳細はよく判らないのだが、どうやら書籍の取引上のトラブルの様だ。
それに対して、「Lideo」は三省堂という書店が中心になって、販売をしているのが大きな強みかも知れない。
三省堂だけでは無く、レンタルショップの「TSUTAYA」でも扱いがある様だが、三省堂が中心というのは、出版社にとっても心強いパートナーなのではないだろうか?

ただ気になるコトがある。
それは三省堂のライバル書店である、丸善とジュンク堂書店だ。
ご存じの方も多いと思うのだが、丸善とジュンク堂書店は現在共同で、本の通販を手がけている。
丸善&ジュンク堂書店公式HP
そして「本屋さんの電子書籍」と言う展開もし始めていたと思う。
三省堂の「Lideo」のような、電子書籍が読めるツールを発売するかも知れない。
あえて、ツールを発売するのではなくあくまでも「本屋さんの電子書籍」という提案だけで終わるかも知れない。
その点はまだまだ不明だが、三省堂がこの様な「電子書籍ツール」発売をする、と言うのは読書家にとっては、朗報だと思う。

なぜなら、以前から家電量販店などで話しを聞くと「iPadなどのタブレット端末などは、漢字などが潰れやすく、電子書籍を読むのには向いていない」と言われたからだ。
おそらくAmazonの「Kindle」も、日本の書籍を読むのには余り向いていないかも知れない、と思っていたのだ。
それに比べ、三省堂の「Lideo」は、日本人が考えた電子書籍ツール。
漢字だけでは無く、漢字のルビも読みやすい、となれば後発であっても十分「Kindle」と対抗できるだろう。

今年の年明けから「今年は『電子書籍元年』になる」と言われてきたが、年も押し迫ったこの時期にやっとそれを実感するコトになった。
これからの問題は、ツールでは無く「電子書籍化」という問題になっていくだろう。
果たして著作や出版という問題は、解決できるのか?
法整備が遅れがちな中、動向が気になる。