日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

何だかな~と思う、街頭演説

2012-12-09 19:05:39 | 徒然
一段と冷え込んだ日曜日の今日。
何か暖かい鍋料理でも作ろうと思い、夕方の買い物へ。
地下鉄の駅前では、街頭演説が行われていた。
繁華街の街頭演説とは違い、住宅地の地下鉄の駅前では、寒く冷たい風の中を急ぎ足で歩く人達ばかり。
支援者の人達が寒そうに立っている姿を見ると、益々寒さを感じる・・・そんな街頭演説の光景だった。

それでも立候補者の演説には、力が入っている。
信号待ちで何となく聞いていると、「何だかな~」という気持ちになってきた。
その理由は、立候補を決めた理由の中に実に個人的なコトが含まれていたからだ。
「前職をなげうって、立候補しました。今の日本を変えるのは○○党しかありません」、そんな演説だったのだ。
まして話の内容は、現与党と自分が立候補した野党との二極の対比だけ。
それも、現与党を批判するばかりでビジョンが何も無い。
「何も無い」と言うよりも「何も語らない」と言った方が、正しいのかも知れない。

選挙民は、そんな話を聞きたいと思っているのだろうか?
「前職をなげうって・・・」と言われても、それは立候補者の都合のようなもの。
こちらはお願いをしたわけでは無い。
まして「不退転の決意で、この選挙に臨んでいます」と決意表明されても、こちらは困ってしまう。
下手にマニフェスト、党によってはアジェンダと呼ぶらしい、選挙公約を言ってしまうと将来的に「公約違反」と言われたく無い為の戦術だろうか?

今回の選挙は、以前のような大きな支持母体を持った政党+ミニ政党という感じでは無い。
二大政党を脅かす第三極と呼ばれる政党が、雨後の竹の子の様に乱立している。
それも、二大政党から枝は分かれしたと言うよりも、地方の声を国政にと言う考えやもっと違った考えなどを持つ政党が、既存政党から離れた人達を集めてできている。
今までのような、二大政党の中で行われるような選挙戦術では、選挙民を立ち止まらせるだけの力は無いのだ。
そんなコトも気づかないくて、本当に国政を任せられるのか?と、逆に心配になってしまった。

Yahooをはじめとするインターネット広告でも、政党のCMが見られるようになった。
自民党のCMを見て感じるコトは、自民党時代の負の遺産をお忘れですか?と言うコト。
「(民主党の)バラマキ予算を阻止」というようなコトをアピールされても、「バラマキ予算」の原型を作ったのは自民党自身。
「成長戦略」と声高に叫んでみても、国民の多くは「低成長時代のビジョンをキチンと話すべきでは?」と、感じているのでは?
良いコトばかりでは無く、現実的な身の丈にあったビジョンを話してくれた方が、多くの人が足を止め、聞いてくれると思うのだ。

選挙戦術も、そろそろ変えた方が良いのでは?
そんなコトを感じた、街頭演説だった。