日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「冬向けアイス」

2012-12-12 17:59:15 | トレンド
先週末から、一気に寒くなった感じがする。
食品の市場から考えれば、当然「鍋料理」などが主流になる。
ところが、この寒いシーズンに登場する商品がある。
ご存じ「雪見だいふく」だ。
お餅(厳密には「求肥」)とアイスクリーム(厳密には「アイスミルク」)という、和風の組み合わせで、基本的には「冬季限定」の商品だ。

この「雪見だいふく」が登場したのが1991年。
以来30年以上のロングセラー商品。
普通これほどのヒット商品であれば、似たような商品が登場してもおかしくは無いはずだが、今年になるまで似たような商品は、登場してこなかった。
「今年になるまで」と書いたのは、今年になって「だいふく」と言う形状では無いが、お餅がのっているアイスクリームが、井村屋から発売されたからだ。
井村屋が発売をしたのは、「やわもちアイス(つぶあんミルクアイス)」と言う、カップ入りのアイスクリーム(こちらも厳密には「アイスミルク」)。
「雪見だいふく」が求肥を使っているのに対して、井村屋はお餅を使っているようだ。

求肥は冷たくなっても、固くなりにくいと言う性質を持っているのに対して、お餅は冷たくなると、そのままでは食べるコトができない。
おそらく「雪見だいふく」のヒットで似たような商品を作っても、求肥を使えば結局「雪見だいふく」とかわらない、と言う判断が製菓会社にはあったのでは?と、想像している。
その意味で、今回の井村屋の「やわもちアイス」は、画期的な商品だとも考えられる。
何より、コレまで「雪見だいふく」が独占市場のようになっていた「冬向けアイス」という市場に、ライバルが登場したのだ。

そんなコトを考えながら今日のおやつを食べていたら、新たなライバルが登場したようだ。
赤城乳業の「ガリガリ君リッチ あずき大福(スティック)」だ。
こちらはまだ発売をされていないので、「大福」らしさをどのように出しているのか判らないが、「ガリガリ君」の商品というコトをかんがえれば、氷あずきにお餅が加わったような感じだろうか?と、想像をしてしまう。

考えてみれば、過去には「冬向けのアイス」として登場した商品は数々あった。
でも「雪見だいふく」程、定着できた商品は無かったと思う。
定着した大きな理由は「こたつで食べる」という、日本の冬の生活風景にマッチしたからだろう。
今年登場した「雪見だいふく」のライバル商品は、果たして「冬向けアイス」として定着するコトができるだろうか?
そんなコトも、気になる「冬向けアイス」市場だ。