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東京オリンピックが始まった、感動を売るメディア

2021-07-26 19:40:12 | スポーツ

23日、東京オリンピックの開会式があった。
この開会式をめぐっては、様々な問題がクローズアップされた。
そして分かったことは、「東京オリンピックが利権イベント」であった、ということだ。
特に、開幕直前に発覚した、開会式のイベント関係者の醜悪な過去については、当初は続投を表明していた組織委会だったが、海外のメディアが報道したことで、関係者の辞任や解任ということになった。

それは同時に、「何故この人が選ばれたのか?」という疑問を国民に知らせ、結果「様々な利権と思惑」で東京オリンピックが運営され、そのために巨額のお金が投入されている、ということが判明したのだった。
おそらく「東京オリンピック・パラリンピック」の後に予定されている、「大阪万博」もまた、同じ構図の「利権イベント」に終始するのでは?という、気がしている。

ただ、そんな事が無かったかのような、新聞やテレビ、ラジオの「オリンピック報道」を視聴していると、参加しているアスリートたちの活躍とは別に「何だか、感動の押し売りみたいだな~」と、天邪鬼な私等は感じてしまうのだ。

これらの問題は、参加しているアスリートたちの問題ではない。
その点だけは、ハッキリさせておきたい。
ただ、必要以上の感動話をつくろうとするメディアに、辟易としている、というだけなのだ。
と同時に、IOCやJOC関係者などが「オリンピックが始まってしまえば、人はスポーツの素晴らしさに感動し、コロナに関連するネガティブなコト等忘れてしまう」と言った趣旨の言葉を、思い出すのだ。

その言葉通り、上述した通りメディアは「メダル獲得選手の感動話」をつくるために、家族や関係者を引っ張りだして、お涙頂戴のような演出をする。
メダルを獲得した選手や家族、関係者が感涙するのは当然だと思うし、そのために汗や涙を流した日々を思い出す事もあるのは、当然のことだろう。

そこにクローズアップしすぎると、期待されながら結果を残せなかった選手たちはどんな気持ちになるのだろう?
かつてマラソンランナーの円谷幸吉さんは、そのプレッシャーから「もう走れません」と遺書を残し、自死をしている。
円谷さんほどではないにしても、日本はオリンピックになると、国を挙げて選手にプレッシャーをかけ続ける、という傾向が強い(ように感じている)。
そのため「オリンピックを楽しみたい」等と、選手が発言をすると「けしからん!」となるのだ。
選手と自分たちとは、全く別であるにもかかわらず、どこかで「同一化」したような感覚を持ってしまうのだろうか?

と同時に、このような「感動」は、一種の「同調圧力」のような社会的雰囲気を、つくりだしてしまう。
ヒットラーが、プロパガンダとしてオリンピックを利用したのは、有名な話だが、プロパガンダではないしても「オリンピックで感動しないのは、おかしい」という社会的雰囲気に包まれるように感じるのだ。
今回は「コロナ禍」という中でのオリンピックだ。
「コロナ禍」によって、仕事を失ったり経済的に厳しい状況に追いやられた人たちも、数多くいる。
そのような人たちにとって、オリンピックそのものを手放しで楽しめる環境ではない、ということも、心にとどめてメディアは報じて欲しい。



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