日経新聞のWebサイトに、ビジネスパーソンであれば、是非目を通しておいてほしい、という記事があった。
日経新聞:気づけばステマで大炎上 行動経済学の失敗防ぐ5カ条
まず記事を読む前に使われている画像を見て、この商品について思いだされる方も多いのでは?と、想像している。
今の春「効果が期待できない」として、消費者庁が「景品表示法に基づく措置命令」が出された商品だからだ。
消費者庁:大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について (注意pdfファイル)
この措置命令については、「なぜ今頃?」と疑問を持っている方も、少なからずいらっしゃるとは思う。
何故なら、この商品は「コロナ禍」になる数年前から、登場した商品だからだ。
「景品表示法による措置命令」ということであれば、商品が発売された直後にでなくてはいけないのでは?と、感じてしまうのだが…という疑問はさておき、措置命令が出された理由は、「テレビCM等で謳われているような効果が認められない」という内容だった。
生活者の多くは、「商品やサービスの情報」をテレビCMや様々なメディアから得ている。
最近では「インフルエンサー」と呼ばれる、著名人を使いSNS等で「商品やサービスのある生活」をさりげなくアピールすることで、テレビCM等とは違う広告を出すようにもなってきている。
言い換えれば、「広告」そのものの表現場所が、以前より多くなり、生活者に対して多面的になってきている、ということでもある。
この中で問題として挙げられるのが「インフルエンサー」による、SNS発信の広告の在り方だ。
SNS上(だけではないが)で、最近頻繁にみられるようになってきた「インフルエンサー」による広告。
ほとんどの場合、「AD」とか「Promotion」という文言を、何気なく小さな文字が左隅等に表示されるようになっている。
見落としそうなほど、小さな文字の時も多いのだが、一応表示することによって「広告」ということを表している、ということになっている。
それが、「インフルエンサー」を起用した場合、「どこまでが広告で、どこからが広告ではないのか?」という線引きが、わかりにくい、という問題が起きている。
特に、著名人ではなく、SNSのフォロワーが多い一般の生活者を起用した場合、このような問題が起きやすくなっているのでは?と、考えている。
その理由は、「フォロワーが多い=インフルエンサーである」という、意識をどれだけ持っているのか?という点だろう。
もちろん、このような場合は商品やサービスの提供を受けているので、当事者としては理解しているはず、と企業側が思っているはずだが、そこに認識のズレが起きてしまうと、「ステマ」と化し、炎上してしまう可能性が出てくる、ということなのだ。
マーケティングの要素の中に「Promotion=広報」が含まれている、ということは拙ブログに来られる方なら、よくご存じのはずだ。
仕事として日頃意識的に考えているのであれば、その「線引き」をはっきりさせることも可能だろう。
しかし、SNSのフォロワーが多いというだけで、その「線引き」をはっきりさせることができる生活者がどれだけいるのか?という点が問題なのだと思う。
SNSでの「インフルエンサー」起用は、企業にとってメリットが多い(はずだ)。
だからこそ、担当者は「インフルエンサーの起用」について、はっきりとしたガイドラインのようなものを設け、両者の間で理解と情報の共有をする必要がある、ということなのだと思う。
上述した「クレベリン」の問題に関しては、Diamond on-line で疑問の記事が掲載されている。
ご興味のある方は、ご一読願いたい。
Diamond on-line:消費者庁の露骨な「クレベリン潰し」、背景に片山さつき氏の影がちらつく空間除菌連?