日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

GDPだけが、国の反映の尺度なのか?

2011-02-14 10:16:01 | 徒然
Yahooのトピックスでも取り上げられているが、遂に日本のGDPが中国に抜かれた。
順位としては、米国・中国・日本と言う順番になってしまったわけだ。

ここ1,2年、メディアでは「GDPが中国に抜かれる」と盛んに言われてきた。
確かに、GDPは「国の生産力」を示す数字だ。
その意味では、「日本の生産力が低下した」ともいえるだろうし、「中国の生産力が高まった」ともいえる。

だが、チョッと立ち止まって考えて欲しい。
中国と言う人口13億人と1億人程度の日本を、同じ尺度の「生産力」を考えて良いのだろうか?
もう一つは、その「生産力」の内容だ。
現在の中国の経済の中心は「世界の工場」と言われる部分だと考えると、日本は既に次のステップと言える「世界の知力」へと進みはじめているのでは?
「世界の知力」と言うには、相当誇大広告的部分が無いわけではないが、単純労働の積み上げの生産力という時代は既に過ぎてしまった、と言うのが今の日本だと思うのだ。
例えば、「新しいモノを創り出す」と言う、創造性の素となっている「日本式おもてなし」などは、「相手を思い、心を想像する」と言う複雑で高度な知力だと思う

「GDPだけが、反映の尺度では無い」と言う気がしてくるだ。
むしろ、これからの日本が目指す方向は、単純な「生産力」とは違う尺度を考える必要があるのでは無いだろうか?
それは、わかりやすい数字化できるものでは無いかもしれないが・・・。

13億人のGDPと1億人あまりのGDPを、同じだと考える必要があるのだろうか?
そして、そのGDPの内容を考えないで、順位だけを取り上げてアレコレ言う必要があるのだろうか?
それも、半ば悲観的なイメージでメディアが騒ぎすぎている・・・そんな気がするのは、私だけだろうか?










学生割だけじゃなくって・・・

2011-02-13 20:32:51 | ビジネス
この時期になると、頻繁に流れるテレビCMがいくつかある。
その一つが、「携帯電話の学生割」のテレビCMだ。
docomoとauは、高校生と同世代のタレント(?)さんを起用し、「学生」を意識している。
それに反し、ソフトバンクは「白戸家」のお父さんとお兄さんに、小料理屋の女将・松田聖子さんとマツコ・デラックスさんが登場し「ヨロシコ」と、挨拶をしている。
異色と言えば異色な「学生割」のテレビCMで、セーラー服を着ているマツコ・デラックスさんの登場は、目を引く存在だ。

これら「学生割」のテレビCMを見ながら思ったことは、「子どもの携帯電話代は、やはり親が支払うものなのか?」と言う点だ。
もちろん、学生なのだから収入があるわけでは無いので、親が払うと言うのは当然と言えば当然なのだが、「基本料金が安い=親孝行」と言う訳では無いだろう。
むしろ親としては、通信費が安いほうが「親孝行」と考えているのでは?
「家族通話がタダ」と言うよりも、パケット代が安くなる方が「親孝行」と言う気がするのだが・・・子どもの携帯電話代を支払う親側としてはどうなのだろう?

もう一つ思ったことが、「シニア割」と言うモノだ。
「学生割」と言うのは、毎年ユーザーが変わるコトで携帯電話会社の乗り換えが期待できるだけではなく、その家族ごと乗り換えさせると言う期待もできる。
だからこそ、毎年この時期に「学生割」を積極的に展開し、ユーザー獲得に力を入れるのだろう。
その携帯会社側の事情も良く分るのだが、何となく「学生以外の市場」をあまり考えていないのかな?と言う気がしてくるのだ。

おそらく、携帯電話各社は「シニア層を含んだ割引プラン」を持っているとは思う。
それだけではなく「学生割」よりも、市場そのものは大きいような気がする。
逆に市場が大きすぎて、企業としてはリスクなのかもしれない。
だが、元気な独居老親を持つ子どもとしては、「シニア割」と言うほうが気になってしまう。

「シニア層」が、どんな携帯電話の使い方をしているのか?と言うコトを考えると、学生よりもパケット代は少ないだろうし、携帯電話そのものを使う頻度が少なく、あまり魅力的では無い市場かも知れない。
だから現在の「家族割」で十分、と言う考え方もあるだろう。

一方、今年は「日本のスマートフォン元年」になりそうな勢いがある。
とすれば、「シニア層」に対して「スマートフォン」の良さをPRできるチャンスなのでは?
「シニア層」では、携帯ゲームなどの利用は期待できなくても、本や雑誌、新聞などの購読は期待できる。
特にタブレット型のスマートフォンなら、大きな文字で本や雑誌を読むことが可能になる。
書店に出かけることが難しい人たちにとっては、魅力的なツールとなるはずだ。
それだけではなく、「テレビ電話」としての機能の利用の期待もできるのでは?

「シンプル携帯」と言うと単機能携帯と思いがちだが、操作性のわかりやすい携帯が「シンプル携帯」なのでは?
これまでの視点を変えた、携帯電話のあり方をもっと積極的に提案するコトで、「シニア市場」を掘り起こすことができるのでは?
その一つとして、「シニア割」と言うプランがあっても良いような気がするのだ。




名古屋ショックが与えたモノ

2011-02-12 20:35:12 | 徒然
6日に行われた名古屋のトリプル選挙。
世間の注目は、名古屋市長に再選された河村さんと愛知県知事に当選した大村さんのようだが、本当のトコロは選挙結果がでた翌日一斉解散となった名古屋市議の皆さんなのでは?と、思っている。

テレビの選挙速報に出演していた前宮崎県知事・東国原さんは、「議員活動で一番お金がかかるのは、冠婚葬祭などで電報を打ったりする費用なんです。支援者の皆さんからお願いをされると、しないわけにはいかないので・・・」と言う内容のコトを話していらっしゃっていた。
この話を聞いて思い出したのは、母の葬儀の時だ。
確かに、市会議員さんから弔電がきていたような記憶がある。
でも、我が家からお願いしたコトは無い。
そもそも葬儀の前後と言うのは、そんな暇など無い。
田舎ですらそんな状態なのに、大都市部と言われる名古屋でそんなお願いを市会議員さんたちにするご家族と言うのは、よほど懇意な関係にある方たちだけではのような気がする。
そんなトコロへ使うお金があるのであれば、もっと熱心に地方行政のために働く姿を見せて欲しい、と思っている。

思っているのだが、そんな姿もまた見た記憶が無い。
私だけかと思っていたら、朝日新聞に「だらしないね地方議会 言いなり5割、議員提案なし9割」と言うタイトルの記事が掲載されていた。
記事を読むと、なんと体たらくな議員さんばかりなのか?と嘆かわしいを通り越して、唖然としてしまうのだ。
これでは「チェック機能としての地方議会」と言うのは、「絵に描いた餅」では無いだろうか?

そんな地方議員さんたちにとって、今回の「名古屋(市議会解散)ショック」と言うのは、大きかったのでは無いだろうか?
「地方議員をしている」と言うコトで、地元の名士のような気分もあっただろうし、選挙活動以外の目立った活動をしなくても議員と言う身分が保障され、それなりの報酬+政務調査費が任期中は安心してもらえたのだから。
それが「市民が議員をチェックする」と言うカタチで、リコール運動をしたり、解散に賛成したりできる、と言うコトが分ってしまったのだ。

それにしても、我地区の市会議員さんたちの普段の政治活動って、一体どんなコトをしているのだろう?
当選後、まったく姿を見たことが無い議員さんばかりで、個人的には、そちらに興味が湧いてくるのだが・・・。

今年は、カラフル-バレンタインチョコ-

2011-02-11 20:13:28 | トレンド
この3連休を、バレンタインのチョコ作りに!と、考えている女性も多いかも知れない。
製菓会社のテレビCMなどを見ていると、年々「手作りチョコ」の材料として製菓会社のチョコレートを作って!と言う傾向が強くなっているように感じる。
近くのスーパーに行くと、やはり「大手製菓会社のチョコ+製菓材料」と言うコーナー作りがされている。
材料を見てみると、今年の「手作りチョコ」の傾向は「市販のチョコ+デコレーション」と言う感じだ。
そのため、本格的な製菓チョコ材料と言うよりも、飾り付け用の材料が目に付く。
「簡単手作りデコチョコ」と言う感じだ。

一方、今年は珍しい「バレンタインチョコレート」のテレビCMを見かける。
それは、高級チョコの代名詞「GODIVA」のテレビCMだ。
これまでテレビCMに積極的ではなかったと思われる「GODIVA」だが、今年は相当に高い頻度でテレビCMを目にしているように感じる。

その「GODIVA」のテレビCMを見ていて気がつくのは、とてもカラフルと言うコトだ。
実際、百貨店のバレンタインチョコレート売り場を見ていると、高級チョコといわれるブランドほど、カラフルなチョコレートが目に付く。
それも、ラズベリーやスピタチオ、グレープのような「可愛らしい色」と言うよりも、ややシックな大人色のモノが目に付くように感じる。

もちろん、いわゆる「チョコレートらしいチョコ」が姿を消したわけでは無い。
ただ、このような「カラフルチョコ」が増えた理由を考えてみたいと思ったのだ。
一つは、最近の若い女性たちの「カワイイ志向」がある様に感じている。
「デコ(レーション)ブーム」があるだろう。
携帯電話にきれいに装飾された(個人的には「使い難いのでは?」と感じている)携帯電話や付け爪のデコレーション、「デコメ」と呼ばれる装飾過多な携帯メールなど、過剰なほどの装飾志向だ。

このような「デコバレンタインチョコ」は、「告白チョコ」と言うよりも「友チョコ」と言う気がしている。
「いかにきれいにチョコを装飾している(=デコっている)か?」と言うのが、ポイントだからだ。

一方、高級チョコの「カラフルチョコ」と言うのは、「自分用・私チョコ」なのでは?と思っている。
対象も「デコチョコ」よりも年齢的には上の20代後半~30代の、比較的余裕のある女性たちなのでは?と、感じている。
「自分の時間をゆっくりと贅沢に楽しみたい」と言う、生活志向を持った世代と言うコトだ。

と、ここまで書いてきて思い出したテレビCMがある。
某大手スーパーの「プラチナバレンタイン」と言うCMだ。
こちらは、会社をリタイアしたご主人に奥様が贈ると言うシチュエーション。
定年退職=黄昏と言うイメージではなく、プラチナと言うのがポイントだ。

「ちなみに告白チョコ」は、年々減ってきているようで、今年予定している女性は18%弱だそうだ。

伝統産業こそ、変化が必要

2011-02-10 14:14:01 | ビジネス
書店で、ソーイングブックを立読みしていた。
一応洋裁の真似事のようなコトもするので、ソーイングブックも書店でチェックするコトが多い。
それだけではなく、いわゆるファッション雑誌とは違う「現実的な洋服のトレンド」も、案外分りやすい点も、チェックポイントの一つとなっている。

そして、ページをパラパラとめくっていると「紺色の素敵な生地」で作ったジャケットがあった。
読んでみると、絣の生地だという。
最近、「きものを洋服に仕立て直す=リフォーム」が高齢者向けの雑誌などでよく取り上げられるようになってきたが、その延長線としてではなく、「絣」という素材を使ったまったく新しいファッションの提案として、掲載されていたのだった。
そこで紹介されていたのが「儀右ヱ門」と言うブランドだった。

「儀右ヱ門」と言うブランドのほかに、もう少し若い年代を狙った「ギエモンイエローレーベル」というブランドも展開しているのが、久留米絣の株式会社オカモト商店と会社のようなのだ。
HPを見てみると、伝統工芸品・久留米絣と言うイメージではない。
だからと言って、最近若い女性の間で高まりつつある「きもの人気」を狙ったと言う感じでもない(ここ数年、雑誌「七緒」などのきもの雑誌の創刊などで、20代後半~30代・40代の女性の間でチョッとしたきもの人気が高まってきている)。
完全にアパレルとしての「絣」という提案をしているのだ。

考えてみれば、日本の繊維業界と言うのは瀕死状態になっている。
瀕死というよりも、絶滅危惧業種と言った方が良いのかも知れない。
そんな中、泉州や今治では地場産業の「タオル」の新しい提案を、積極的に展開するようになり、今では国内外の一流ホテルなどで使われるようになってきている。
他にも、米国オバマ大統領が就任パレードをした時、ミッシェル夫人が着ていたミモザ色のドレスの上に着ていたニナ・リッチのカーデガンは、日本の山形で紡がれたモヘア糸を使ったモノだった。
このモヘア糸を作っている佐藤正樹さんは「国内フェアトレード」という発想で、モノづくりを仕掛けている。

もちろんこの他にも、新潟・燕市のステンレス加工などの技術はi-Padに使われるなどしているコトは、ご存知の方も多いと思う。
「伝統産業」と言うポジションに甘んじているだけでは、どんどん時代に取り残されていってしまう。
事実、そんな産業も多い。
だからこそ、変化が必要なのでは無いだろうか?
果敢に変化することにチャレンジする姿勢は、多くの日本企業が見習う点かもしれない。

「新しい価値」を見つける努力

2011-02-09 21:29:21 | ビジネス
先日、出席させていただいた大西宏さんのセミナーで、とても興味深い数字があった。
それは、「米国と日本の同業種における営業利益率」だった。
取り上げられていた企業は、いずれも「有名一流企業」と呼ばれる企業ばかり。
それぞれが、とても個性的で魅力的な企業文化をもった企業でもあった。

その数字比較を見て、驚いたのは米国の企業の多くは営業利益率が10%を超えるところがほとんどなに、日本の場合は10%満たない企業ばかり。
もちろん日本の企業が、このような低い営業利益率の企業ばかりではない。
企業規模が小さくても、営業利益率が高い地方企業は沢山ある。
だが、日本を代表する企業の営業利益率が10%に満たないと言うのは、何故なのだろう?
そしてその事実が、「今の日本の現状」を現しているような気がするのだ。

では、何故このような状況になってしまっているのだろう?
一つは「営業費用がかかりすぎる」というコトがあると考えられる。
単なる営業に掛る費用と言うのではなく、効果的な営業がされていない、と言うコトもあるだろう。

企業は最終的な純利益をシッカリ確保できれば(=黒字化)問題ないといえば言える。
企業にとって大切なコトは、利益を上げ、経営の継続だからだ。
その意味で「営業利益率」を、一つの経営指標とする必要は無い。

だが、そこで考えてしまうのは「日本の企業は誰によって利益を得ているのか?」というコトをどれだけ理解しているのか?と言うコトなのだ。
もちろん、「お客様」と答えると思う。
しかし本当に「お客様を見ているのだろうか?」というコトなのだ。
BtoBのビジネスだと思っていても、BtoBの先にあるCである生活者の姿が見えなくては、意味がない。
もちろん意識していないわけでは無いと思う。
ただ、そこに対して効果的な働きかけが出来ているのか?と言うコトに疑問を感じるのだ。

もう一つは、日本の企業文化に「営業利益率」よりも他の指標となるモノを重視しているのでは?と言うコトだ。
「営業利益率」を指標にする必要は無いと思うが、企業経営の一つとして重視するコトが必要なのでは無いだろうか?
と言うのも「効果が上がらない営業」にお金を使うよりも、もっと他のコトに投資するコトで企業体力をつけ、「その企業でなくては!」という特化性の高いモノで市場競争力をつける必要があるのでは?

そんなコトを考えてしまったのだった。


異業種共演CM

2011-02-07 20:56:28 | CMウォッチ
先日、テレビを見ていたら「オヤ!?」というCMを見た。
それは、サントリーの「胡麻麦茶・自転車編」だった。

ご存知の方も多いと思うのだが、このサントリーの「胡麻麦茶」のテレビCMのメインタレントさんは、この商品のターゲット層と同世代の俳優・高橋克実さんだ。
その高橋さんと共演しているのが、村田製作所の「ムラタセイサク君」だ。

ホンダの「アシモ」君をはじめとして、日本の工業製品メーカーは「特徴あるロボット」を創ってきた。
いわゆる「人型ロボット」と言うタイプだ。
おそらく、世界の中でも「人型」にこだわるロボット開発と言うのは、日本だけのような気がする。
その背景にあるのは、やはり手塚治さんの「アトム」の影響があるのだろう。

これまでこのような「人型ロボット」が起用されたテレビCMは、開発企業のCMに起用されるだけだったように思うのだ。
ホンダの「アシモ」君などは、その良い例だと思う。
「アシモ」君が登場するコトで、ホンダのCMというコトがすぐに分るだけではなく、そのCMそのものが「アシモ」君の可愛らしさ(?)で、何となく「ホッ」とするコトがある。

その中で「人型ロボット・ムラタ君」と、メタボ対策に励む俳優高橋さんとの競演は、異色な感じがする。
そこで共通点は?と考えてみると、どちらも関西の企業と言うコトぐらいしか思い浮かばない。
その共通点が、今回のCM共演となったともあまり考えられない。
「とすれば・・・なんだろう?」と、考えながらCMを見てしまうのだ。

確かにCMは「自転車編」という内容で、「ムラタ君」の得意は「自転車に乗ること」だが、だからと言って、「ムラタ君」を起用しなくても、他のイメージでも良かったのでは?と言う気がしないわけでもない。
もちろん「ムラタ君」の出演によって、CMそのものが「ほんわり」するが・・・。

もし、この共演のキッカケが「関西企業の共同情報発信」というコトがあるのであれば、それはそれで面白いと思うのだが・・・そこまで積極的なメッセージは感じられないのも、このテレビCMのポイントなのか?

名古屋市民の選択

2011-02-06 21:41:33 | 徒然
今日行われた名古屋のトリプル選挙。
結果は、河村さん側の勝利と言うコトになるのだろう。
「河村さん側」というのは、同時に行われた愛知県知事選の大村さんの当選というコトも含んでいるからだ。

元々河村さんの人気は高く、今回のようにハッキリとした対立図をつくり上げていたことも、選挙を有利に進めた結果だとも言える。
と言うのも、今回の愛知県知事選も名古屋市長選挙も大きな争点と言うモノが見つからない選挙だったからだ。
どの候補者も「景気対策・愛知(名古屋)の経済活性化・雇用の確保」というコトを訴えていた。
中には「議員定数の削減、報酬額の見直し」と言ったコトを公約に掲げていたりして、「違い」を具体的に感じられるモノが無い候補者もいた。

むしろ今回の注目点は、「(名古屋)市議会の解散の賛否」だったのではないだろうか?
その対立図を持っていた河村さんが有利だった、と言うコトのような気がするのだ。
そして、解散を迫られた名古屋市議会側が選挙民である名古屋市民に、ノーを突きつけられていたにも関わらず、積極的なアクションを起こすことなくこの選挙期間を過ごしてしまった、というコトが、選挙結果に結びついているように感じる。

市議会側が一貫して話していたのは「統一選挙が4月にある。3月に選挙をするのは税金の無駄遣い」という点だけだった。
河村さんが話していた「議員報酬の半減、恒久減税」などに言及することなく、この選挙期間を過ごしてしまったのだ。
もし、市議会側が河村さんの選挙公約としている「議員報酬の半減」などに積極的に説明をし、理解を求めるような動きがあれば、また違った結果となったかもしれない。
この保身とも思える市議会側の姿勢が、解散に積極的だった河村さん支持となったように感じる。

そして問題だと感じるのは、「市民のみなさまから選ばれた」と自ら話していたはずの市議会側が、「市民のみなさまから理解を得る努力をしない」と言うコトだった。
この点については、何も名古屋市議会だけに限ったことではないだろう。
国政レベルの選挙であっても、そのような場面は何度も見てきた。

果たしてこの選挙結果は、これからの名古屋にとってプラスとなるのか?
そしてこの「名古屋モデル」は、これからの地方自治のあり方に一石を投じることになるのか?
問われるのは、(私を含めて)名古屋市民なのかもしれない。


「4番組同時録画」って、誰がいつ見るの?

2011-02-04 21:28:35 | ビジネス
趣味の一つである、テレビCMチェックをしていた。
今頃流れる家電テレビCMの多くは、春向け新商品と言うコトもあり「新機能満載」という内容が多い。
そんな中、某ブルーレイデッキのテレビCMを見ていたら「4番組同時録画」という新機能を謳っていた。

確かに「凄い!」技術だと思う。
初期のビデオデッキの頃と比べると、格段の技術進歩だと思う。
「4番組同時録画」というコトは、録画する4番組総てが裏番組のようでもあり、総てが表番組(というのだろうか?)のようでもある。

ところで、この「4番組同時録画」を要する時は、どんな時なのだろうか?
1.家族旅行で、誰も自宅にいない時に見たい番組が重なった時
2.テレビのチャンネル権を家族のだれか一人が握っていて、他の家族が自由に見られない
3.「見たい」と言う訳ではないが、とりあえず録画しておく
この程度しか、私には思い浮かばないのだが・・・・。

もちろん「4番組同時録画」と言っても、「4番組を同時に録画しなくてはならない」と言う訳ではない。
3番組でも2番組でも良いと思う。
だからと言って、そんなに複数の番組を同時に録画するコトは多いのだろうか?
と言う疑問があるのだ。

その理由の一つは、最近良く言われている「若年層のテレビ離れ」というコト。
「テレビの視聴そのものへの興味・関心が減りつつある」と言うコトは、「見たいテレビ番組が減りつつある」というコトでもある。
とすれば「録画してまで見たい番組」があるのだろうか?と言う点だ。
そして、2の「テレビのチャンネル権」というコトについては、かつてのような「テレビのチャンネル権はお父さんが持っている」という家庭は、圧倒的に少なくなってきているのではないだろうか。
何より、家族の生活時間帯がバラバラになりつつある今、家族揃ってテレビを見ると言うコト自体減ってきているのではないだろうか?

薄型テレビ=大画面テレビと言うコトもあり、テレビの定位置が家族が集まるリビングに移ったと言うこともあると思うのだが、逆に「家族が集まるリビングに置かれているテレビで、家族が録画した番組を見る」という生活場面のイメージがあまり湧かない。
3の「とりあえず録画」という場合だが、これはビデオの時代から「とりあえず録画したけど、見ないまま・・・」という経験者は多いのではないだろうか?

その様に考えてくると、「4番組同時録画」という技術は凄い!
凄いのだが、「それって本当に便利なコトなの?私の生活を楽しく・豊かにしてくれるモノ?」と言う疑問がわいてくるのだ。
昨日の大西宏さんの講演でも、「商品開発のサイクルが短くなりすぎて、シッカリ考えられた製品作りがされていない」という指摘があったのだが、凄いコトと生活を楽しく・豊かにするコトとは別のような気がする。




「恵方巻き」に考える

2011-02-03 19:52:40 | トレンド
今日、チョッとお出掛けをした。
その帰り、百貨店に寄った。
地下の食品売り場に行くと、人だかりが出来ている。
「何事?」と思い、行ってみると「恵方巻き」を買い求めている人たちだった。
おかげで、いつもなら人気のあるデリカ(お惣菜コーナー)は、閑散としている。

「節分の恵方巻き」が、全国的に定着しはじめたのはいつ頃からだろう・・・と、記憶を辿ってみると、ここ10年ほどのコトではないだろうか?
元々、関西(と言うより、大阪)で行われていた、節分行事の一つだったと思うのだが、それがテレビに紹介されると同時期に、コンビニに登場し、一気に全国へと広まっていった。
何かのテレビ番組で見たら、昨年恵方巻きを食べた人は、豆まきをした人を上回っていた、とあった。
今の住宅事情では、豆まきそのものができる環境ではない、と言うコトだろう。
高層マンションの高層階から「鬼は外~」と豆をまかれたら「鬼が逃げ出す」というより、人に危険を及ぼす可能性の方が高い。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、幼稚園や保育所で豆まき経験をするので、自宅ではやらないと言うご家庭もあるかも知れない。

さて、そんな「恵方巻き」売り場を通り過ぎ、デリカコーナーを見ていたら「恵方生春巻き」と言った商品が目に付いた。
他にも「スィーツ恵方巻き」と称した「ロールケーキ」などが、販売されている。
そんな商品を見ていて「恵方巻き」と付ければ、何でもOKと言う訳ではないんじゃ・・・と言う気がしてきたのだ。

「恵方巻き」と呼ばれているが、何か特別な食材が使われている訳ではない。
いわゆる「太巻き寿司」だ。
もちろん、最近では「豪華海鮮恵方巻き」と言った「豪華版太巻き寿司」も登場しているが、スタンダードなモノは、ごく普通の「太巻き寿司」だろう。
それを「恵方巻き」という、ネーミングの良さが多くの人を引きつけているのだと思う。
それにあやかって、「巻もの」なら何でも「恵方巻き○○」にして売ろう!と言う、売り手の魂胆(と言っては失礼だが)を感じてしまうのだ。
と同時に「恵方巻き」と何でも付ければ、売れると言う安直な発想にも疑問を感じてしまうのだ。

自宅で「太巻き寿司」を作るのは、確かに手間がかかる割には、上手に巻き上げることが出来ない。
だからスーパーやデパ地下で購入すると言うのは、よく分る。
そこに付け込んだような「亜流恵方巻き」に抵抗感を感じてしまうのは、私だけだろうか?
少なくとも今日売り場を見た限りでは、私だけではないように感じたのだが・・・。