日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ノーベル生理学・医学賞受賞から一夜明け・・・

2012-10-09 14:06:51 | 徒然
当然のコトながら、今日の新聞各社の一面トップはノーベル生理学・医学賞を受賞した、山中教授だった。
ささくれ立った様な近隣諸国との領有権の問題などが中心の夏だったが、季節が変わり始めたこの時期に、社会的に明るい話題があったことは、日本経済にもプラスとなるのではないだろうか?

その今日の新聞で説明がされている「iPS細胞」の研究についてだが、今年の春、偶然名古屋大学の市民公開講座で「血管再生医療」という講座を受講したコトを、昨日のエントリでも書かせて頂いた。
その時、「iPS細胞」の研究が何故日本が中心になったのか?と言うお話も伺うコトができた。
そこには、日本人ならではの「倫理観」の様なモノが反映されている、と感じたのだった。

「再生医療」の研究には、人の受精卵を使う「ES細胞」と、山中教授が研究を進めている「iPS細胞」の二つが有力な治療法とされている。
「ES細胞」の研究で使われる「人の受精卵」は、人工授精を希望するご夫婦から事前に了解を得て、妊娠後破棄される人工授精を研究材料として使うコトになっているのだが、どうやら日本人研究者の多くは「事前了解が取れていても、受精卵を潰すコト」に相当の抵抗感が有るという。
それに対して「iPS細胞」は、「体細胞=皮膚などの人のあらゆる細胞」を対象とする為、人の体を傷つけるコトも無く、研究ができると言うコトが大きかった、と言うお話だった。

また、キリスト教の影響を受ける欧米でも「受精卵を潰す=神への冒涜」というイメージが強く、受け入れられにくいと言う社会的背景があったという。
もちろん、米国では大統領選の度に、この研究が進んだり停滞したりと言うコトが繰り替えされるのだが、その様な社会背景により、「iPS細胞」の研究が山中教授を中心に、世界で研究されていると言う理由があると言うのも、うなずける話だった。

今後、「iPS細胞」の研究は、倫理的問題を含んで進んでいく部分もあるだろう。
事実、先週には「iPS細胞」から、マウスレベルではあるが卵子を作るコトに成功し、子どもが誕生している。
「クローン」が、現実のモノとなる可能性が出てきている、とも言える。
そして、日本独特の問題として浮かび上がるのが「治験」という問題だろう。
山中教授は、今日の記者会見で「(iPS細胞を使った)メイドインジャパンの難病の創薬」というお話をされているが、日本では「治験=実験台」と言うイメージが強く、なかなか進まないのが現状としてある。
その点での社会的理解も、今後重要になっていくだろう。

それにしても、山中教授のインタビューを聞いていると、ロンドンオリンピックでメダルを獲得した選手たちを思い出した。
とにかく、一緒に研究を進めている仲間、学生など周囲に対する感謝の言葉が、とても多い。
「周囲への感謝」と言うのも、「日本人らしさ」という気がした。


ノーベル賞ウィーク始まる

2012-10-08 18:39:39 | 徒然
先ほど、新聞社のサイトを見ていたらノーベル賞生理学・医学賞に、京都大学の山中教授が選ばれたと、速報があった。
喜ばしいコトだと思う。

今年春、名古屋大学であった市民公開講座で偶然受講した「血管再生医療」についての講座でも、このiPS細胞についてのお話を伺うコトができ、その時、未来の医療という点でとても期待できる基礎的研究が、この日本で行われ、世界をリードしているコトが、何よりも喜ばしいコトだと思っていた(土曜日の「青色LED」のお話より、こちらの話のほうが私にはわかりやすかった・笑)。

この生理学・医学賞を皮切りに、次々とノーベル賞各賞の発表が行われる。
経済部門については「・・・???」というコトは、以前言われていて、余り意味のある受賞ではない、と一部では言われているようだが、それ以外の賞については、私たちの生活を大きく変える研究が多い。
それも基礎研究というか、先駆者的研究者が、評価される傾向にあるように感じている。

土曜日に聴いた「青色LED」の発明者である赤教授のお話でも感じ、拙ブログでもエントリさせて頂いたことだが、グローバル化していく経済の中で「日本らしさ」という点を考えると、やはり「基礎研究」が重要になっていく様な気がしている。
違い言葉で言うなら、「オリジナリティー」というコトかも知れない。
「基礎」と「オリジナリティー」が、同じなのか?と言われると、説明が難しいのだが、基礎研究の先駆者としての独創性、と言う解釈をして頂ければと思っている。

そう考えると、今の日本の企業はどれだけ「オリジナリティー・独創性」と言うコトに、力を入れているのだろうか?
実は「オリジナリティー・独創性」を持った研究などは、それなりの経済的バックアップが必要だ。
それらの資金を削って、利益を得やすいような状況になっている可能性はないだろうか?
既にできあがってしまった技術を使って物を作るのなら、日本の企業でなくても十分できるはずだ。
むしろ品質さえ問題無ければ、人件費などの安いトコロで作った方が良いだろう。
それが今の家電の状況なのでは?

実は、「青色LED」の発明によって、薄型液晶テレビが一般化しそれをリードしてきたシャープは、経営の危機に直面している。
しかし「青色LED」を発明した赤教授が中心となって取得した特許による収入は、世界中の企業から入ってきているのだ。
それだけではなく、赤教授が在籍をしていた名古屋大学もその恩恵に預かっている。
なんとも皮肉な感じがするのだが、それが事実として有る。

これからの日本を考えると、やはりこの様な「創造性のある基礎的研究」に社会が投資すべきだと思う。
そして山中先生のiPS細胞研究に見るように、時には海外の大学との駆け引きも考え無くてはいけない時代になってきている様に感じる。





Howではなく、Whatが大切 

2012-10-06 20:12:48 | アラカルト
今日、名古屋大学が定期的に開催をしている、「高等研究院・公開講座」へ出かけてきた。
今年から、時々名古屋大学が開催をするこの様な市民公開講座へ出かける様にしている。
その理由は、複眼的な視点を持つため。
その様に言えば、何となく格好良さそうに聞こえるかも知れないが、本当のトコロは好奇心と言ったトコロだ。

そして今日の公開講座は、特別講演会だった。
内容は「青色LEDについて」。
「青色LED」と言えば、現在米国サンタバーバラ大学で教鞭を執っている中村修二先生を思い浮かべられる方も多いと思う。
私もそのひとりだったのだが、実は「青色LEDの基礎研究」をされ、世界で初めて「青色LED」を発明されたのが、名古屋大学特別教授・名城大学修身教授の赤勇先生。
その赤先生の、公開講座だったのだ。

といっても、筋金入りの文系の私としては、「青色LED」の出現によって、「光の三原色」をLEDで作り出すコトができる様になった、と言う程度のコトは知ってはいたのだが、赤先生のお話の半分も理解ができない。
もちろん、日本語としての理解はできるのだが、物理学とか化学的理解と言う点では、遙かに遠い。
トホホな自分は、場違いなモノを感じつつ講演を聴くことになってしまった。

実はこの「青色LED」の特許によって、名古屋大学の一角には赤先生の名前の付いた研究施設が有る。
この「青色LED」が無ければ、おそらく「iPad」や「iPhone」に象徴されるスマートフォンはもちろん、ガラケーと呼ばれる携帯電話も、ノートパソコンも、薄型液晶テレビ、デジカメも無かっただろう、と言われている程の研究成果だからこそ、特許取得後数年で立派な研究施設ができたのだろう。
言い換えれば、この「青色LED」の発明が与えた、社会的意味の大きさを現していると思う。

そして「省エネ」という点でも、「LED」が注目されているのは、ご存じの通り。
「LED照明」が使える様になった、と言うのも「光の三原色」が揃って初めて、実用化できた、と言うコトにも話は触れられるのだが、私が気になったのは、「LED」とそれまでの「白熱電球」や「蛍光灯」とは、全く違う異質の光であると言う点。
「半導体エネルギーとしてのLED」と言うお話もあったのだが、当然のコトながら私は理解できず・・・トホホ。

そんな理解を超える話ばかりだったのだが、最後に赤先生がおっしゃられた言葉が、とても印象的だった。
それは・・・
・それまで、常識だと思われているコトを疑ってみる
・Howでは無くWhatが大切。Howを求めても、新しい発想は生まれない

と言うコト。
これらのコトは、何も基礎理化学に限ったコトでは無いと思う。
昨今のビジネスの場面では「効率化」という名の下に「How」ばかりを求める傾向が有る様に感じている。
むしろ、今の閉塞感を打ち破るのは「How」では無く、「What」であり常識を疑うコトなのではないだろうか?

そして、日本がこれから先のグローバル化した経済の中で強みとなるのは、やはり「基礎研究」という地味ではあるが、根幹の部分のような気がした。

追記:赤先生が発明した「青色LED」による特許は、国立大学が「特許料」として得ている利益の何と!96%に当たるそうだ。
国立大特許料:96%が赤崎名大名誉教授の青色LED 『毎日新聞』2004年8月1日付
国立大学が「独立行政法人」となり、大学と言えどもそれなりの収益が求められる様になってきた。記事が書かれた2004年の頃には、まだまだ「薄型液晶テレビ」は普及しておらず、スマートフォンは存在していなかったと思う。とすれば、現在ではもっと多くの特許料が名古屋大学にもたらされている、と言うコトになる。
やはり、基礎研究というか技術の幹となる研究による特許(=知的財産)が、重要だと言うコトだろう。


抹茶入り伊右衛門から考える、生活の変化

2012-10-04 19:04:02 | マーケティング
先日、新聞の一面を使ったサントリー「伊右衛門」(サントリー・伊右衛門サイト・音声付のため注意)。
今度は「抹茶入り」。

この「抹茶入り」と知って、実は少しがっかりしたのだった。
と言うのも、「抹茶入り茶葉」のお茶をを自宅で淹れてみると、案外煎茶本来のおいしさが感じられないコトが多いからだ。
しかし、その後ブランドサイトを見てみて納得した。
と言うのも、今回の「伊右衛門」の商品ライバルは、「急須」だからである。
急須で淹れたお茶は、時間経過とともに香りが飛びうまみが無くなってしまう様に感じている(あくまでも、私個人の感覚なのでご理解頂きたい)。
しかし、ペットボトルの場合その様な問題を解決しお茶のおいしさを残すとすれば、抹茶入りというのも、あり得るかも知れないとおもったからだ。

ご自宅でお茶を頂くとき、急須で淹れている方はどれくらいいらっしゃるのだろう?
それよりも、ご自宅に「茶葉」が有るご家庭はどれほどだろうか?と、常々思っていたからだ。
なぜなら、毎週の「資源ゴミの日」にお茶が入っていたで有ろうと思われる、おびただしいペットボトルを見ていたからだ。
もしかしたら、今では「ペットボトルのお茶を飲む」のが当たり前で、「急須で淹れたお茶を飲む」というコトが、特別になりつつあるのかも知れない。

そんな生活スタイルの変化があるからこそ、今回の「伊右衛門」はあえて「急須がライバル」と宣言できるのだと思う。
実は「伊右衛門」以前に、この「急須で淹れたお茶」に拘った、ペットボトル入りの緑茶飲料が有るのをご存じだろうか?
コカコーラが出している「綾鷹」である。
その意味では、「伊右衛門」の「急須で淹れたお茶」というのは、二番煎じというコトになる。
にも関わらず、注目されるのはやはり「伊右衛門」というブランド力なのだろう。

もう一つ気になるのは、現在お茶やさんなどが「手軽に本格的なお茶を楽しんで貰いたい」という考えで売り出されている、「ティーバッグ入り茶葉」やお湯やお水を注ぐだけでお茶が飲める「粉末茶」だ。
「粉末茶」は煎茶を粉末にしたモノで、抹茶とは違うモノだが、「カテキン」などの栄養素が手軽に無駄なく摂れると、人気になりつつある。
とすれば、この「粉末茶」などは「手軽さ」という点でペットボトル入り緑茶飲料のライバルとなる商品というコトになる。
何よりも、経済的で環境に優しい。それに「カテキン」などの栄養素が無駄なく摂れる。
その様に考えれば、案外「抹茶入り伊右衛門」の商品ライバルは、「急須で淹れたお茶のおいしさを持った、お茶やさんの手軽なお茶」なのかも知れない。

ただ・・・煎茶本来のおいしさを頂くのであれば、是非急須で淹れて頂いて欲しい。
子どもの頃、お茶処・静岡で育ったせいか?急須で丁寧に淹れたお茶のおいしさは、ペットボトルでは味わえない、と思っているからだ。

地方だからできるコト

2012-10-03 19:37:11 | アラカルト
先日FMを聞いてたら、岐阜県高山の左官職人さんのお話があった。
左官という仕事自体、今では余り聞かなくなってしまった様な気がしたので、チョッと気になった。

その方のお話だと、左官の仕事と言っても今はコンクリートの壁を塗るのが主な仕事で、それもクロスの下塗りのような仕事が主だという。
確かに、マンションの様な集合住宅はもちろん、戸建てであっても多くはいわゆる「ハウスメーカー」が建てている。
工務店と建築家が一緒になって、建てる家そのものを見かけるコトが少なくなってきた。
もっとも最近では、「シックハウス症候群」などの問題から、あえて無垢の木材に珪藻土の塗り壁で家を建てる方もいらっしゃる様だが、その様なこだわりのある家を作られる方はまだまだ限られている様に思う。
そう考えると、確かに左官職人さんの主な仕事が、昔の様な漆喰や土壁を塗ると言う仕事はほとんど無い、と言うコトわかる。
そんな現状に疑問を感じ、自ら違う方向性を見いだしていると言う左官職人さんのお話だった。

その様なお話を聞きながら、明治時代~昭和初期にかけて数多く見られた「鏝絵」を思い出したのだった。
古い蔵の明かり取りの扉などに左官職人たちが、鏝で描いた漆喰の絵は日本独特のもの。
建築物の中に芸術が違和感無く取り込まれている、と言う点では世界的に見ても面白い存在だと思う。
そしてそのモチーフも様々。
その時々の流行を思わせるモノや蔵の持ち主の趣味趣向を感じさせるモノもある。

衰退の一途を辿っていた「鏝絵」だが、最近再評価される様になってきていると聞く。
地方によっては「鏝絵」を観光の目玉にして、町おこしをしているトコロもあるようだ。
開発のサイクルが早い都市部では、まず保存するコトが難しいだろう。
ただ「古いモノが良い」と言う訳では無いと思う。
むしろこの様な技術の継承の為には、「新しい鏝絵」という考えが必要だと思うし、それができるとしたら、昨年甚大な被害にあった東北地方なのではないだろうか?という、きがしたのだった。

宮城県から岩手県にかけての沿岸部は、巨大津波によって壊滅的な被害を受けた。
当然、住民の方たちの「高台移転」は必要だと思う。
その時、できればかつて自分たちが住んでいた地域の再現とまではいかなとしても、何かシンボル的な町並みづくりをしてはどうだろうか?
被災地には、古い建物も数多くあったと聞く。
とすれば、「鏝絵」で飾られた蔵などもあったのではないだろうか。
古い酒蔵があったなら、その酒蔵を新しい町のシンボルとして「鏝絵」を何処かに飾る。
そんな町作りと職人芸術が出会うコトで、コレまでとは違う「復興の姿」が生まれるのではないだろうか。
そしてそれらが新しい観光となっていけば、もっと素敵だと思う。

ピンクリボンキャンペーンに思う

2012-10-02 18:44:40 | 徒然
昨日、東京都庁やレインボーブリッジ、ここ名古屋では名古屋城などが、ピンク色にライトアップされた。
拙ブログでも、毎年この10月はピンクリボンのテンプレートを使っている。
そしてここ2,3年で認知度が上がった、「ピンクリボンキャンペーン月間」が始まった。

認知度が上がるにつれ、協賛企業も増えてきている。
単純に良いコトのように思えるのだが、決してそんな甘いモノでは無いと思っている。
むしろ「ピンクリボン」に協賛するコトで、企業のイメージアップを考えているのでは?と、感じるコトのほうが多い。
ハッキリいえば、多くの企業にとって「女性を大切にしている」という、企業イメージを作るツールとして考えているのでは?と、感じている。

平成19年に施行された「がん対策基本法」に基づき、「がん検診」などの補助が自治体を中心に積極的に行われる様になってきているのだが、受診率と言えば、30%前後と言ったトコロ。
ピンクリボンというイベントで大々的にキャンペーンが行われているにも関わらず、欧米の受診率が80%以上というコトを考えると、随分低い受診率だというコトがわかる。
いくら協賛企業が増えたとしても、この様な受診率を考えると疑問なトコロが多いと言う気がしている。

何も乳がんに限ったコトでは無いのだが、日本人の潜在意識の中には根拠の無い「自分は病気にならないんじゃ無いか」という自信の様なモノが有ると感じている。
実際、私もそうだった。
重度の貧血という既往症はあったが、それ以外は毎年受診する健康診断でも「問題無し」。
その過信のようなモノと、社会が「がん」と言う病気を知らず、古いネガティブなイメージだけで捉えている、と言うコトが受診率の低さに結び付いている様な気がしてならない。
それらの複合的要素が、逆にがん患者の就労という問題を引き起こしているとも感じている。

そして今日の朝日新聞に、「がん患者の就労を支援している病院に対して補助金を出す」と言う趣旨の記事が掲載されていた。
朝日新聞:がん患者の就労、支援病院に補助 概算要求に5億円
実はがん患者さんの多くがお世話になっている病院というのは、国や自治体が認定をしている「がん拠点病院」と呼ばれる病院で、その様な病院には既に「支援相談室・支援相談センター」と呼ばれる相談施設が設けられている。
治療や治療費、生活面などの相談を受け付けるコトになっていて、就労というトコロまでには至っていないのだが、就労という問題は企業の理解が得られなければ難しい。
とすれば、この補助金はむしろ中小企業に勤める人が、がんになり就労が難しいと言う場合にサポートをするコトのほうが、的確で効果的なのではないだろうか?

厚生労働省の人たちが、がん患者さんの実態を知らないと、言い切るつもりは無い。
実際私の知っている方は厚生労働省の「がん対策会議」で、積極的にがん患者さんの社会的活動の重要性を説いている。
効果的な使い方、と言う点で疑問だと思うし、それらの補助金の一部を企業向けの「がん対策講座」などへ振り分けて欲しいと思っている。

私が乳がんの告知、手術を受けてから、3年が経過しようとしている。
その3年弱、私なりに乳がんだけでは無く「がん」と言う病気について勉強をしてきた。
そして感じるコトは、積極的にキャンペーンを行うコトは良いと思うし重要だが、それが時として企業のピーアール活動になってしまっている可能性、そして何より「がん」という病気に対する社会的理解の低さが、社会の損失となっていると言うコトだ。

ちなみに、男性諸氏にとって関係のなさそうな「乳がん」ではあるが、100~300人にひとりの割合で、「男性乳がん患者」さんがいると言うコトも忘れないで欲しい。

コンビニ限定、プチ贅沢

2012-10-01 13:49:58 | ビジネス
先日立ち寄ったコンビニの冷蔵庫を何気なく見ていたら、期間限定のビールの中にサントリー「ロイヤルビター」と言う商品を見かけた。
秋の新商品なのか?と思い、サントリーのサイトをチェックすると、今年2月にコンビニ限定・期間限定で販売されたビール。
それが、好評につきこの夏再発売となった商品。

何度も、コンビニの冷蔵庫の前に立っているはずなのだが・・・ちっとも気にならなかったのは、何故だろう?と、やや反省をしながら考えたのは「コンビニ限定プチ贅沢品」の位置づけと言うコトだった。

ご存じの様にこの「コンビニ限定プチ贅沢品」の火付け役となったのは、ローソンの「プレミアムロールケーキ」だったと思う。
それまでの「ロールケーキ」とは違い、とにかく生クリームがタップリと入ったロールケーキ。
その後ヨーロッパの食品に与えられる賞・モンドセレクションで金賞を受賞などしたコトもあり、一時期コンビニ業界ではスィーツに力を入れていた。
今でも、サークルKサンクスでは「シェリエドルチェ」と言うスィーツを販売しており、人気が有る。
その様な流れがあって、今回のサントリーのコンビニ限定プチ贅沢ビールが登場したのか?と考えてみたのだった。
何よりも何故、コンビニ限定にしたのか?と言う点が気になったのだ。

サントリーには「プレミアムモルツ」という、プレミアムビールの火付け役となった大ヒットビールが有る。
そして売り上げが、決して落ちている訳ではない。
もちろん、コンビニの冷蔵庫には「プレミアムモルツ」も置いてある。
仕事帰り、チョッとコンビニに寄ってビールとスナックやつまみを購入し、「家飲み」を楽しむだけではなく、チョッと珍しく贅沢な気持ちで飲みたいと言う人が対象と言うコトになるだろう。
わざわざ「ビター」という名前が付く、ビールを買う人なのだから。

もう一つ考えられるのは、酒屋さんやスーパーで販売される形態として、6本パックのようなパック売りが主流というコトもあるかも知れない。
もちろん、酒屋さんやスーパーでも冷えたビールを1本買うコトはできるが、実際のトコロはどうなのだろう?
今やコンビニで取り扱う商品は、とても多い。
特におでんや唐揚げなどの「温かい食べ物」となると、スーパーではなくコンビニ優位の商品だろう。
その様な「コンビニメニュー」を考えたビールなのかも知れない。

いずれにしても、「コンビニ限定プチ贅沢商品」というのは、「毎日は無理だけど、チョッと自分へのご褒美」と言う生活者の「自分を褒めて、癒やされたい気持ち」を上手につかまえて商品だと言える。