当然のコトながら、今日の新聞各社の一面トップはノーベル生理学・医学賞を受賞した、山中教授だった。
ささくれ立った様な近隣諸国との領有権の問題などが中心の夏だったが、季節が変わり始めたこの時期に、社会的に明るい話題があったことは、日本経済にもプラスとなるのではないだろうか?
その今日の新聞で説明がされている「iPS細胞」の研究についてだが、今年の春、偶然名古屋大学の市民公開講座で「血管再生医療」という講座を受講したコトを、昨日のエントリでも書かせて頂いた。
その時、「iPS細胞」の研究が何故日本が中心になったのか?と言うお話も伺うコトができた。
そこには、日本人ならではの「倫理観」の様なモノが反映されている、と感じたのだった。
「再生医療」の研究には、人の受精卵を使う「ES細胞」と、山中教授が研究を進めている「iPS細胞」の二つが有力な治療法とされている。
「ES細胞」の研究で使われる「人の受精卵」は、人工授精を希望するご夫婦から事前に了解を得て、妊娠後破棄される人工授精を研究材料として使うコトになっているのだが、どうやら日本人研究者の多くは「事前了解が取れていても、受精卵を潰すコト」に相当の抵抗感が有るという。
それに対して「iPS細胞」は、「体細胞=皮膚などの人のあらゆる細胞」を対象とする為、人の体を傷つけるコトも無く、研究ができると言うコトが大きかった、と言うお話だった。
また、キリスト教の影響を受ける欧米でも「受精卵を潰す=神への冒涜」というイメージが強く、受け入れられにくいと言う社会的背景があったという。
もちろん、米国では大統領選の度に、この研究が進んだり停滞したりと言うコトが繰り替えされるのだが、その様な社会背景により、「iPS細胞」の研究が山中教授を中心に、世界で研究されていると言う理由があると言うのも、うなずける話だった。
今後、「iPS細胞」の研究は、倫理的問題を含んで進んでいく部分もあるだろう。
事実、先週には「iPS細胞」から、マウスレベルではあるが卵子を作るコトに成功し、子どもが誕生している。
「クローン」が、現実のモノとなる可能性が出てきている、とも言える。
そして、日本独特の問題として浮かび上がるのが「治験」という問題だろう。
山中教授は、今日の記者会見で「(iPS細胞を使った)メイドインジャパンの難病の創薬」というお話をされているが、日本では「治験=実験台」と言うイメージが強く、なかなか進まないのが現状としてある。
その点での社会的理解も、今後重要になっていくだろう。
それにしても、山中教授のインタビューを聞いていると、ロンドンオリンピックでメダルを獲得した選手たちを思い出した。
とにかく、一緒に研究を進めている仲間、学生など周囲に対する感謝の言葉が、とても多い。
「周囲への感謝」と言うのも、「日本人らしさ」という気がした。
ささくれ立った様な近隣諸国との領有権の問題などが中心の夏だったが、季節が変わり始めたこの時期に、社会的に明るい話題があったことは、日本経済にもプラスとなるのではないだろうか?
その今日の新聞で説明がされている「iPS細胞」の研究についてだが、今年の春、偶然名古屋大学の市民公開講座で「血管再生医療」という講座を受講したコトを、昨日のエントリでも書かせて頂いた。
その時、「iPS細胞」の研究が何故日本が中心になったのか?と言うお話も伺うコトができた。
そこには、日本人ならではの「倫理観」の様なモノが反映されている、と感じたのだった。
「再生医療」の研究には、人の受精卵を使う「ES細胞」と、山中教授が研究を進めている「iPS細胞」の二つが有力な治療法とされている。
「ES細胞」の研究で使われる「人の受精卵」は、人工授精を希望するご夫婦から事前に了解を得て、妊娠後破棄される人工授精を研究材料として使うコトになっているのだが、どうやら日本人研究者の多くは「事前了解が取れていても、受精卵を潰すコト」に相当の抵抗感が有るという。
それに対して「iPS細胞」は、「体細胞=皮膚などの人のあらゆる細胞」を対象とする為、人の体を傷つけるコトも無く、研究ができると言うコトが大きかった、と言うお話だった。
また、キリスト教の影響を受ける欧米でも「受精卵を潰す=神への冒涜」というイメージが強く、受け入れられにくいと言う社会的背景があったという。
もちろん、米国では大統領選の度に、この研究が進んだり停滞したりと言うコトが繰り替えされるのだが、その様な社会背景により、「iPS細胞」の研究が山中教授を中心に、世界で研究されていると言う理由があると言うのも、うなずける話だった。
今後、「iPS細胞」の研究は、倫理的問題を含んで進んでいく部分もあるだろう。
事実、先週には「iPS細胞」から、マウスレベルではあるが卵子を作るコトに成功し、子どもが誕生している。
「クローン」が、現実のモノとなる可能性が出てきている、とも言える。
そして、日本独特の問題として浮かび上がるのが「治験」という問題だろう。
山中教授は、今日の記者会見で「(iPS細胞を使った)メイドインジャパンの難病の創薬」というお話をされているが、日本では「治験=実験台」と言うイメージが強く、なかなか進まないのが現状としてある。
その点での社会的理解も、今後重要になっていくだろう。
それにしても、山中教授のインタビューを聞いていると、ロンドンオリンピックでメダルを獲得した選手たちを思い出した。
とにかく、一緒に研究を進めている仲間、学生など周囲に対する感謝の言葉が、とても多い。
「周囲への感謝」と言うのも、「日本人らしさ」という気がした。