日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「負のループ」は、断ち切れないのか?三菱自動車の燃費不正問題

2016-09-15 23:06:41 | ビジネス

6月、三菱自動車の「燃費データ不正」が発覚し、問題となった。
この問題が発覚した直後から、「再測定」をし「正しい燃費データ」を国交省に提出されるはずだった。
にも拘わらず、提出された「再測定データ」もまた不正であったようだ。
讀賣新聞:三菱自、再測定でも不正・・・国交省「常軌を逸す」

正直なところ、「再測定データまでも不正する」という三菱自動車が、「不思議な企業」に思えてくる。
「常軌を逸す」という表現がされているように、社会一般の企業であれば「不正を指摘されれば、それを直す」というのが、普通の感覚だろう。
実際、三菱自動車の「燃費不正データ」が発覚した直後、同様の指摘がスズキでもされた。
スズキの場合、三菱自動車ほどの悪質性(?)が無かったことや、データを公開したコトなどで、この問題は収束した。

ところが、三菱自動車の場合、不正が発覚してから対象車種以外にも同様の不正があった、と8月に発表されたばかりだった。
NHKニュース:燃費データ不正の行方
これまで発表されていた車種に加え8車種が加わった、という内容だった。
そして、今日の報道だ。
ここまで「不正することが常套化している」となると、「企業としてどうなの???」というよりも「社会をなめているのか?」という、気になってくる。
企業の根底にあるのは「三菱のやっているコトが、正しい」という、思いあがった企業文化ということになるのだろうか?
それは、三菱自動車という企業だけではなく「三菱グループ」全体に与える、「社会的イメージ」となってくるはずだ。

ご存じの通り「三菱グループ」というのは、岩崎弥太郎が創り上げた「財閥」だ。
戦後の「財閥解体」で解体はされたが、実質として「三菱グループ」は残り、日本の優良企業となっている。
しかし、グループ全体の根底にどこか思いあがったモノがあるような印象を受ける。
それは、新たな「三菱財閥解体」ということになる切っ掛けになるかもしれない。

ただし「三菱鉛筆」は、今回問題となっている「三菱グループ」とは全く関係のない企業である、ということは知っておく必要がある。


「築地」という、ブランド力を考える

2016-09-13 19:55:31 | マーケティング

「豊洲市場」についての様々な問題が、日々判明している。
やはり一番の問題は「盛土がされているはずが、されずに空洞であった」という点だろう。
基礎工事そのものの「手抜き」と、思われても仕方ない。

この問題が表面化して思ったコトなのだが、「築地」という場所は「市場」だけの問題だったのか?という点だ。
確かに、「築地市場の移転」という問題なのだが、既に多くの人が持っている「築地」という場所のイメージ=ブランド力は、どうなってしまうのか?という視点が、語られていないような気がする。

例えば、有名料理店に「築地(あるいは、ひらがな表記の「つきじ・つきぢ」)」という地名を使った店名は、いくつもある。
特に「寿司店」などでは、「築地」という地名はお店の名前と一緒になっている場合が多い。
理由は「築地市場」の中心的な取引が、鮮魚ということや何かと取り上げられる話題も、鮮魚が多いからだろう。
「築地」という地名を使ったお店側としては、店名の一つに「築地」が含まれているだけの事なので、豊洲に移転したからと言ってさほど影響されることは少ないだろう。

問題なのは、むしろ「豊洲」に移転した「豊洲市場」という新しい場所だ。
これまで「築地」という場所にあったことで、「市場」そのものが特別な意味を持つ場所となっていたのでは?
それは時代劇でもおなじみの「生きの良さ」であったり、「市場の活気」などが含まれているように思うのだ。
店名に「築地」とつける飲食店が少なくないのも、「築地」という場所が持つ「社会的イメージ」によるところが大きいからだろう。

そのような「社会的イメージ」を引き継ぐというのは、とても大変なコトなのだ。
何といっても「築地」というイメージは、50年、60年で創られてきたモノではない。
そもそも「東京」には、「築地」同様「場所」そのものに「ブランド力」があるところが多い。
「銀座」だけではなく「原宿」や「新宿」、「青山」など、その地名を聞くと、街の雰囲気がイメージされるような場所があり、それらが「東京」という都市の魅力となっているはずなのだ。

そのように考えると「豊洲市場」は、「築地」という場所が創り上げてきた「社会的イメージ」を引き継ぐだけではなく、そこに「豊洲」というブランドを創っていく必要があるはずなのだ。
「豊洲」への移転は、単純な「場所が手狭だから移転する」という、物理的なモノだけではないはずなのだ。

昨日「(都市の)老朽化は、都市計画のチャンス」という、エントリをした。
その都市計画を立てる場合、忘れてはいけないのが「場所の(持つ)ブランド力」なのだ。
その視点で考えると、「豊洲」という場所は「市場」として、ネガティブなイメージが最初から付きまとう。
これから、一体どう解決していくのだろう?


「建物の)老朽化」という問題は、都市計画を考える機会

2016-09-12 19:30:51 | アラカルト

世間では「豊洲市場」の問題が、取りざたされている。
元々東京ガスがあった場所で、ベンゼンなどの発がん性物質を含んだ土壌の問題があった。
そのため、土壌を入れ替え新しく盛土をし、そのうえにコンクリートで固める・・・という計画だったらしいのだが、その計画通りではなかったということが発覚した。
それが移転予定直前に、問題が発覚したため大事になっている。
もちろん、移転前に判ったコトは良かったと思うのだが、それにしても膨大な建設費とか移設費用を考えると、関係者でなくても「一体何をやっていたのか!?」と、腹立たしい気持ちになるだろう。

ご存じの通り「豊洲市場」は、今現在使っている「築地」が手狭になったというだけではなく、老朽化が激しいための建て替え用地として、造られた場所だった。
そして「築地」だけではなく、日本全国には「老朽化」で建て直しを迫られている建築物が、沢山あるのでは?という気がしている。
その「老朽化」した建物の怖さを実感させる記事が、今日の中日新聞のWEBサイトにあった。
中日新聞:栄のビルから鉄パイプ落下 車のガラス突き破る
鉄パイプが直撃した、車には人が乗っておらず車の持ち主は「九死に一生を得た」ような状況だったようだが、もし万が一の場合を考えると、「身近にある危険」だと実感する。
なぜなら、鉄パイプが落下した原因が、「建物の老朽化」だと考えられるからだ。

戦後、高度成長期~バブル期までの30年余り、日本の多くの都市は「都市計画」という考えがなされないまま、様々な建物が建てられてきた。
今回問題になっている「豊洲市場」の移転を決めた石原元東京都知事は、都知事時代に「都市計画がキチンとされないまま様々な建物や高速道路のある東京を、何とかしたい」と、あるテレビ番組のインタビューで答えていた。その切っ掛けづくりとして「東京オリンピックを位置づけている」とも、話していた(「国のお金を使って東京の都市計画をする」という趣旨の内容だったので、ビックリしすぎて印象に残ったのだった)。
高度成長期から20年くらいは、「都市計画」などはあって無いようなものだった。
なぜなら、建物を建てるのは企業側であり、役所はそれを認めるだけだったからだ。
そして多くの都市は、経済発展ができる「都市づくり」として、「ミニ東京」を目指してきた。

そう考えると、名古屋の繁華街・栄の老朽化したビルで起きた「鉄パイプ落下事故」は、起こるべくして起きたコトのような気がする。
ただ、このような事故を切っ掛けに「これからの街づくり」というモノを、ビル所有者だけではなく地域全体や自治体が一緒になって考え「都市計画」をつくるチャンスなのではないだろうか。


大塚家具のリユース事業がもたらす変化

2016-09-09 22:10:57 | ビジネス

昨日、朝日新聞に大きなPR広告が掲載されていた。
朝日新聞:人から人へ使い継ぐ循環 大塚家具×リバースプロジェクト

広告主は、大塚家具。
この広告に合わせ、大塚家具は「家具のリユース事業」を本格化させる、と発表をしている。

この広告を見ながら気になったことがある。
それは「今日本で売られている家具のうち、どれほどリユースできる家具があるのだろうか?」という点だ。

婚礼家具として有名(?)な「桐箪笥」。
「親子三代使える」と言われるほどだが、ご存じの方も多いと思うのだが「桐箪笥」というのは、とても高価な箪笥だ。
名古屋のように、婚礼が派手な地域で売られている「桐箪笥」などは、百万するモノも少なくない。
そのような箪笥なので、家具屋街のはずれには「箪笥修理」をするお店があったりする。
と言っても今や「箪笥修理」をするお店などは、ほとんど見かけないのが現状だろう。
それほど、箪笥などの「家具を修理をして使う」ということが、無くなってきているのだ。
もちろん、箪笥という家具の需要が減ってきた理由の一つが、マンション等では一般的になってきた備え付けの「クローゼット」の一般化だ。
大きな場所をとる箪笥ではなく、備え付けのクローゼットのほうが室内スペースが広く使え、部屋もスッキリとしてインテリアコーディネートもしやすいからだろう。

それだけではなく、今の家具は昔ほど高価なモノではなくなってきているのでは?という、気がしている。
輸入材を中心に合板などで作られた家具などが、通販を中心に販売されているし、そのような家具を購入する人は少なくないからだ。
それだけではなく、街中に「家具店」そのものが激減しているように感じるのだ。
その理由の一つは、家具店そのものが商品展示のために大きな店構えが必要だ、ということがあると思う。
広い売り場面積に、様々な家具を展示する必要がある家具店だが、その売り場にどれだけのお客様を集客できているのか?と考えると、決して「効率の良い」商売とは言えないような気がするのだ。

そう考えると、「リユースできる家具」というのは、「限られた家具」ということになる。
著名な家具デザイナーの家具やアンティーク家具、箪笥にしても「伝統工芸品」に近いような和箪笥だ。

確かに、著名な家具デザイナーやアンティーク家具、伝統工芸品のような和家具が、リユースされ安価で買うことができるようになるのは、素敵なコトだと思う。
思うのだが、それが「今の日本人の暮らし」に、どれだけマッチするのだろう?

大塚家具の狙いとして、高級家具のリユースを通して「家具づくりの技能」を継承する、という目的もあるのかもしれない。
ただそれに応えるだけの市場が、今の日本にどれだけあるのか?

そのことを考えると、果敢なチャレンジでもあり、冒険的な事業という気がする。


ⅰPhone7は、日本向け?

2016-09-08 20:14:30 | ビジネス

ⅰPhone7の発表が、今日あった。
「防水機能」などが加わり、今までよりも使い勝手がよくなったのでは?という、方も多いようだ。
その「使い勝手の良さ」という点では、「Apple Pay」という機能が加わった、ということを上げる方も多いと聞く。
Apple:Apple Pay

既にご存じの方も多くいらっしゃると思うのだが、この「Apple Pay」は、すでに日本のメーカーのスマホなどに搭載されているソニーの「FeliCa」だ。
確かに便利だと思うのだが、この「FeliCa」そのものが世界的に普及しているのか?と言うと、どうなのだろう。

このようなスマートフォンをかざすだけで、支払いができるというのは確かに便利なのだが、現実を見ると対応しているのは「Suica(JR東日本)」位で、他の鉄道系では使えない。
そもそも、「読み取り機」そのものがどれだけ普及をしているのか、やや疑問なところがある。
確かに、コンビニや大手カフェチェーンなど「読み取り機」があるところは増えてはきている。
だがそれは日本に限っての事。
欧米ではどうなのだろう?とか、「FeliCa」とは違う方式のモノがあるのか?あるとすればどれくらい普及しているのか?など、考える部分は多い。

だからだろう、日経新聞のWEBサイトでは米中ユーザーの反応が冷淡だという記事が、掲載されている。
日経新聞: 「8まで待とう」米中でⅰPhone7に冷淡な声
日本では、ⅰPhoneの人気は高くandroid搭載機種単体での販売台数を圧倒している。
そう考えると、ⅰPhone7は日本展開を中心に考えた機種なのでは?という気がしてくるのだ。
それだけAppleにとって、日本市場というのは重要な市場なのだろう。

もう一つ気になるのは、任天堂の「スーパーマリオ」のアプリが加わったという点だ。
「スーパーマリオ」そのものは、世界的に人気のあるテレビゲーム。
リオデジャネイロオリンピックの閉会式では、安倍総理がマリオに扮して登場し、世界的に話題になった。

「FeliCa」にしても「スーパーマリオ」にしても、日本発のゲームやIT技術が使われているのが、ⅰPhone7の特徴でもある、と言えそうなのだ。
そう考えると、ⅰPhone7はⅰPhone8につなぐためのプロトタイプ的な位置づけかもしれない。
そして日本という市場での動きを見ながら、ⅰPhone8に反映させていくのでは?という、気もしてくる。
もちろん、ソニーにとってⅰPhone7に「FeliCa」が搭載されたコトで、電子マネーシステムの世界標準化への一歩ととらえているはずだ。


NHKのワンセグ受信料を考える

2016-09-07 19:44:36 | アラカルト

先月、埼玉地裁で「ワンセグ携帯でのNHK受信料の支払い義務はない」という、判決が出された。
それを受け、さっそくNHKをはじめ放送を管轄する総務省の高市大臣が、「支払い義務はある」との見解を示した。
この一連のニュースを見ていて思い出したコトがある。
それは、テレビ放送が「地デジ化」されてしばらくたったころ、NHKが受信料徴収に我が家に来たときのコトだ。

その当時、すでに我が家のブラウン管テレビは故障し、視聴できる状態ではなかった。
当然、テレビ受像機はあるが、放送を受信できるという状態ではない。
そのため「『地デジ化』に伴い、テレビを無くしてしまったのですが」と、答えた。
その方は「そうですか・・・。では、携帯電話のワンセグでの視聴はありませんか?」と、聞いてきたのだ。
「ガラケーで、ワンセグ機能のない機種を利用しているので、視聴そのものができません」と話すと、
「では、携帯を見せてくれませんか?」と、言ってきたのだ。
そこまで確認をするのか?と、やや怒りのようなモノを感じながらも、携帯電話を見せワンセグ機能が無いコトを確認し、「本当だったのですね?!」と、驚くような表情で帰っていった。

そのような経験があったので、今回の「ワンセグ受信料」については、驚くようなコトではなかった。
ただ、「ワンセグ」という技術と「テレビ視聴」をいきなり結びつけて、考えるNHKに怒りというよりも、あきれるような思いがした。

というのも上述した通り、携帯電話機能に「ワンセグがあるのが当たり前」という発想で、受信料を徴収しようということが、そもそもおかしな話だからだ。
私のような「電話+メール」くらいしか携帯電話を利用しないユーザーは、限りなく少なくてもいるはずだ。
何より、携帯電話各社が出している「シンプル携帯」と呼ばれる携帯電話には、そのような機能が搭載されていない。

では、多くの人が持つようになっている「スマホ」では、どうなのだろうか?
元々NHKの受信料の基準となる考えは「テレビ放送受像機を設置」に対して、受信契約を結び受信料を徴収する、というモノのはずだ。
携帯電話やスマホの基本的機能と利用目的の中には、「テレビ放送受像」は含まれている分けではない。

やはり「スマホ」の一部の機能であって、利用している人もいれば全く利用していない人もいるはずだ。
機能がついているからと言って、すべての利用者が「ワンセグ視聴をしている」とは限らないのだ。
とすればこれから先「スマホ」の機能として、「ワンセグ」を外す機種が登場してきてもおかしくはない。
もしかしたら、「ワンセグ機能付き・無し」と、選べるようにするかもしれない。
そもそも、買い替えや機種変更が度々ある携帯やスマホに、そのような固定的な受信料を徴収する、ということ自体無理な話だと思う。
とすれば、「オンデマンド」のように登録をし、視聴状況に合わせて課金をする、というシステムのほうがユーザーの納得が得られるのではないだろうか?

そう考えると、NHKの主張はやや的外れな気がするし、何よりNHK+民放という時代ではなくなってきている、という点を考える必要があると思う。
「テレビ離れ」と言われている中、WOWOWやAmazonなどはオリジナルドラマを制作したり、海外ドラマを買い付け放送しているし、そのようなサービスが増えてきている。
不特定多数の視聴者の獲得はできなくても、固定的な有料視聴者を獲得するという方法をとり、それなりの人気を得ている。
NHK自身も、生活者の生活志向の変化に合わせた、番組制作や受信料の在り方を考える時代が来ているのでは。


ネーミングの妙ーカップヌードル45周年記念商品ー

2016-09-05 19:42:06 | マーケティング

Yahoo!のトピックスでも取り上げられていた、日清・カップヌードル45周年記念限定商品。
日清食品プレスリリース:新発売のご案内「カップヌードルビッグ゛謎肉祭”肉盛ペッパーしょうゆ」

カップヌードルに入っている「サイコロ型の味付け豚ミンチ」が「謎肉」と呼ばれているとは知らなかったのだが、おそらくファンの間では、「謎肉」として親しまれてきたのだろう。
一時期この「謎肉」が使われない時期もあったようだが、ファンからの要望で復活した、という経緯があるようだ。

そのような経緯があって、この限定商品のネーミングが決まったとすれば、ファンだけではなく一般の生活者も引き付けるネーミングだと思う。
ファンにとっては「謎肉」が、通常よりも10倍入っているコトで、買ってみたくなるだろうし、「謎肉」を知らなかった人にとっては「謎肉って何?」と、興味を持ってもらえるからだ。

商品のネーミングというのは、「分かりやすく商品内容を伝える」ということが一番大切になる。
その点では、エステ―化学の商品などは商品名を聞くだけで、大体どのような商品なのか想像がつく。
一例をあげるなら「消臭力」だろう。
名前を聞いただけで「消臭剤である」ということがわかる。
分かるだけではなく、「力」という言葉があるので「消臭効果が高いのでは!」という、期待を生活者に与えている。
耳障りの良いカタカナ商品名よりも、インパクトがあり、分かりやすい。

今回のカップヌードルの場合も、パッケージそのものも「記念限定商品なんだ!」ということが、分かりやすくなっている。
それだけではなく、「謎肉祭」という言葉を使うことで、「なんだか楽しそうだな」という雰囲気を与えている。
「買い物をするテンションが上がりそう」な言葉の使い方、という気がする。
カップヌードルのような食品を買う場合、「テンションが上がる」ということは、ほとんどないはずだ。
なぜなら、日ごろから当たり前のように買う商品だからだ。

ところが、商品に「限定品」とつくと、「買ってみたいな・・・」という気になる人は多い。
そこに「謎肉」という、一般的には普段聞きなれない言葉があり、「祭り」という言葉までついているのだ。
「買って損はないかな?」とか「話題に乗らなくちゃ・・・」という、気にさせる言葉が並んでいる。
既にカップヌードルという商品そのものが、認知され大量に出回っている定番品だからこそ、このようなネーミングができるし、効果があるのだ。

やはり、商品のネーミングが与えるインパクトは、大きいのだな~と改めて感じる。





「抗菌」商品に、一石を投じるか?米国「抗菌石けん」販売禁止

2016-09-03 21:59:48 | アラカルト

ドラッグストアーに行くと、様々な売り場で「抗菌」を謳う商品を見かけるコトができる。
文具から食器洗いスポンジや体や手を拭く「ウェットシート」などなど、本当に様々な「抗菌商品」を見かけるコトができる。
その中で一番「抗菌」を謳う商品が多いのは、やはり「石けん」や「洗剤」だろう。
それらの商品が並ぶ商品棚を眺めていると「日本人の清潔志向(というよりも「嫌菌志向」というべきか?)」を感じる。

確かに「衛生的である」ということは、とても大切なことだと思う。
衛生環境が劣悪な地域では、様々な感染症が発症し、多くの人の命が奪われている。
だからと言って、様々な商品に「抗菌」を謳わなくてはいけないほど日本の「衛生環境が悪い」のか?というと、決してそのようなことは無いのでは?という、気がしている。
むしろこのような「抗菌・殺菌」商品の氾濫で、必要以上に神経質になってしまっているのでは?という、気がするコトがある。

そんな日本の社会に一石を投じそうな記事が、日経新聞に掲載されていた。
日経新聞:抗菌せっけん、米国で販売禁止「効果に根拠ない」

あくまでも、米国での調査結果を基にした販売禁止ということなので、日本ではどのような対応となるのかはわからない。
何より、洗剤メーカーは社会的発言力が強い。
以前、「洗剤イヤ子さん」という商品が登場した時、洗剤の業界団体の圧力でCMが中止。その後商品そのものが販売されなくなった、という噂があったほどだ。

おそらく日本では、販売中止となることはないような気がする。
なぜなら、上述した通り日本人の「菌アレルギー」というか、「雑菌」に対する嫌悪感は米国の比ではないからだ。
言い換えれば、「抗菌・殺菌」を謳う商品そのものを求める生活者が多い、ということなのだ。
ただ、今回の米国の食品医薬品局(FDA)の発表は、日本の生活者に対して意識変化を起こさせるかもしれない、と感じている。

「抗菌石けん」などが、話題になり始めた頃から皮膚科の先生たちからは、「普通の石けんで丁寧に手洗いをすれば、問題ありません」と、言われ続けてきたような記憶はあるのだが・・・それが、科学的根拠として証明されただけの話のような気もする。


野外フェスの先駆けとなった、「つま恋」の営業終了

2016-09-02 19:47:50 | アラカルト

この夏も全国各地で「野外フェス」が行われた。
行かれた方も、多かったのではないだろうか?
その「野外フェス」の先駆けとなったのは、静岡県掛川市にある「ヤマハリゾート・つま恋」だったような気がする。
その「つま恋」が、年内をもって営業を終了するという。
ヤマハリゾート:つま恋

「つま恋」よりも前に、ヤマハは三重県に「合歓の郷(現在は三井不動産に譲渡され「株式会社合歓の郷」となっている)」というリゾート施設をオープンさせている。
と同時に、「ポピュラーソング・コンテスト(「ポプコン」という愛称で親しまれてきた)」を開催している。
その「ポピュラーソング・コンテスト」の会場が「つま恋」に移り、1975年には、日本における野外コンサートとしては最大観客動員となった「吉田拓郎&かぐや姫」のオールナイトコンサートが開催され、これを切っ掛けに「野外コンサート会場」として、「つま恋」が認知されるようになった。
つま恋:音楽イベント・コンサートの歴史

以来、野外コンサート会場として様々なアーティストが登場し、多くの観客を集めてきたという印象を持っている。
だが、野外コンサート会場としての「つま恋」と、リゾート施設としての「つま恋」とでは、やはりギャップがあったのかもしれない。
コンサート会場としての魅力よりも、実際の営業面で考えればリゾート施設として収益を上げるコトのほうが、重要だっただろう、と思うからだ。
コンサート会場という点で見れば、出演するアーティストによって観客動員は決まってくる。
それに比べ「リゾート施設」というのは、施設そのものの魅力が重要だからだ。
もちろん、「つま恋」にリゾート施設としての魅力が無かったわけではないと思う。
約40年も営業を続けることができた、ということを考えれば、「リゾート」という言葉そのものが馴染みが無かった頃から、「リゾート」ということに着目し、営業をし続けてきたのだ。
それだけでも、十分魅力ある施設だった、という気がしている。
ただ、時代が変わり「リゾート」に対する価値観などが、大きく変わってしまった今となっては、40年前の「リゾート」の感覚では、時代遅れになってしまった・・・ということなのだと思う。

それでも「つま恋」が残した「野外で音楽を楽しむ」という、文化の創造は素晴らしいモノがあったと感じている。
「つま恋」が開業した頃中学生だった私は、NYのセントラルパークで行われる「野外コンサート」映像などは、一種の憧れのような世界だった。
「こんな緑豊かな公園で、大好きなアーティストの音楽を聴くことができるって、すごいな~」と、単純に感心をしたし、いつかはそんな会場でライブが観たい!とも、思った。それを実現させたのが「つま恋」だったのだ。

「つま恋」での野外コンサートの成功が、今の「野外フェス」へとつながっている。
その意味でも、「つま恋」が果たした文化的役割は大きかった・・・と言う気がしている。

2012年「つま恋」で行われたapbank fesがyoutubeにありましたので・・・
apbank fes2012:ミスチル「Tomorrow never knows」
「つま恋」の野外ライブの雰囲気を楽しんでください。
森のようなところから突然見える橋は「新東名」ではないかと・・・。


サークルKサンクスとファミリーマートが一緒になって、何が変わるのか?

2016-09-01 21:57:27 | ビジネス

今日から、コンビニのサークルKとファミリーマートが、一つになった。
と言っても、我が家の近所のサークルKの看板などは、変わってはいなかった。
コンビニ業界最大手は、ご存じの通りセブンイレブン。
サークルKとファミリーマートが一つになったコトで、二番手となったのだが、どんな変化が起きるのだろうか?

メディアの多くが「サークルKサンクスとファミリーマートが一緒になった」と報道しているが、本当のところは「ユニーとファミリーマートが一つになり、持ち株会社をつくった」というのが正しいようだ。
中部地区以外の方にとって「ユニー」というスーパーマーケットは、馴染みが無いと思う。
「ユニー」そのものが、「アピタ、ピアゴ」と言った名前でスーパーマーケットを中部地区を中心に、展開しているからだ。
そのユニーが展開しているコンビニが「サークルK」で、随分前にコンビニの「サンクス」と、一緒になったのが「サークルKサンクス」だった。
今でも「サークルKサンクス」の看板を見ると、「サークルK」が母体になっているコンビニは看板に「K」のマークがあり、「サンクス」が母体となっているコンビニには、「サンクス」のマークが看板に使われている。

見方を変えると、不振が続くスーパー事業をコンビニ事業が支えている、ような状況での共同持ち株会社の設立、ということになると思う。
このことは、コンビニ業界最大手となった「セブンイレブン」についてもいえるコトで、スーパーの「イトーヨーカ堂」よりも、コンビニの「セブンイレブン」のほうが、売り上げなどや全国規模で勝っているのが現状だ。
母体となるスーパー>コンビニという状況にあるのが、「イオン」位かもしれない。
「イオン」が展開しているコンビニというのは、「ミニストップ」だからだ。
ところが「イオン」ほど、「ミニストップ」は全国展開とはなっていないからだ。

「サークルKサンクス」と「ファミリーマート」が一つになると、どのような変化が起きるのだろうか?
まず考えられるのが、「サークルKサンクス」が得意(?)としてきた、オリジナルデザートがファミリーマートでも扱われる、ということが考えられる。
シェリエドルチェ」という名前で販売されている、「サークルKサンクス」のデザートは、コンビニデザートの中でも頭一つ抜き出た感があるほど美味しい、と評判が高い。
その商品の扱いが「ファミリーマート」でもされる、ということになれば「シェリエドルチェ」人気が、全国規模になる可能性もある。

メリットではないが、「サークルKサンクス」と「ファミリーマート」は、地域の高校・大学との共同企画商品の開発に力を入れてきた、という点でも充実が図られるかもしれないし、このような企画商品を全く違う地域で「企画販売」することもあるかもしれない。
全国展開をするメリット、という点ではこのようなコトも考えられる。

もちろん、プラス面だけではない。
運営オペレーションシステムや物流関係の問題などが、これから起きてくる可能性もある。
そう考えると「一つになっても、地域性重視」という独特の発想で、これまでのような「均一性」を壊すコトが、新しい「サークルKサンクス+ファミリーマート」には、重要かもしれない。