■臨時情報-ウクライナ情勢
ゼレンスキーウクライナ大統領の国会におけるオンライン演説会が遂に実現します。
ゼレンスキーウクライナ大統領の我が国国会における大統領演説が本日日本時間1800時よりWeb中継により衆参両院議員臨席の特別会議室にて執り行われます。ロシア軍ウクライナ侵攻から間もなく一ヶ月、ロシア軍という巨大な軍事大国の攻撃から果敢に抵抗を続け世界に驚きを以て受け止められている若き指導者は日本の国会に何を語るのでしょうか。
ウクライナへ侵攻しているロシア軍は日本にとり隣国でもあるのですが、冷戦時代には北海道始め強大な軍事圧力を掛け、首都東京へ向けての爆撃機による示威飛行“東京急行”を繰り返しています。また太平洋戦争では不可侵条約破棄による参戦と非戦闘員殺傷、終戦後の捕虜に対する強制労働による大量の死者を出すとともに今へ禍根を残しています。
ゼレンスキー大統領は、平和憲法を盾に世界危機への傍観を続けている日本の、手段として平和を用いるが結果としての平和実現は度外視する、この戦後日本をどのように見ているのか、また国内情勢と世論ばかりを注視する“一億総引き籠り”という実情を前に如何に世界の視点を突き付けるのか、現実主義の最前線で何を語るのか、関心はつきません。
日ロ平和交渉中断がロシア外務省より一方的に通告されました。日本とロシアは1956年に日本とソ連のあいだで締結された日ソ基本条約がありますが、日本とソ連はその後の平和条約締結までは進まず、ロシアはソ連より国際法上の国家継承を行った後に、平和交渉をすすめ、安倍政権時代にプーチン大統領がその無条件調印を迫りましたが進んでいません。
両国関係は戦争状態ではありませんが、日ソ基本条約締結までは日本は国連へも加盟できない状態となっており、一方で続く平和条約締結へ前進できなかった背景には、日ソ不可侵条約の一方的破棄と日本のポツダム宣言受諾後に進められたソ連の軍事行動による領土割譲への日本のソ連への不信感、そして何よりサンフランシスコ平和条約の解釈問題です。
北方領土問題としていまなお日ロ間に大きな溝を構築している現状は、サンフランシスコ平和条約として北海道に帰属する離島がふくまれていたことから、千島列島南部の択捉島と国後島、そして北海道に隣接する歯舞諸島と色丹島について、ロシアの施政下から返還されるべきとの立場を日本が堅持している為ですが、今回一方的に中断を通告されました。
日ロ平和交渉は一筋縄では行かない事は認識しています、特にロシアにとり北海道北方のオホーツク海は戦略ミサイル原潜の聖域であり、ロシアがウクライナに突き付けた中立化、事実上の衛星国化は北海道に対しても突き付けたい要素に他なりません。こうした中で、ロシアから見れば千島列島の一部である北方領土返還は現実的でない要求ともいえます。
日ロ平和交渉、しかし同時に忘れてはならないのは、ロシアはソ連時代に、北海道の留萌-釧路以北のソ連割譲を要求していた事であり、今回ウクライナ侵攻に際して突き付けた意味不明の口実により北日本侵攻を行う可能性は否定できず、何よりロシア軍が実施しないのは平和愛好ではなく、単にロシア軍の戦力が整備されていない為という背景があります。
ゼレンスキー大統領は今夕、我が国国会において史上初となる外国首脳のオンライン演説を執り行うのですが、これは同時にウクライナ情勢を遠い東欧の出来事として見るのではなく、実は我が国に及びかねない厳しい現実が、戦争の形で現在東欧で顕在化しているという認識で、もう少し世界における日本の立場を考えてゆく必要があるよう、思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ゼレンスキーウクライナ大統領の国会におけるオンライン演説会が遂に実現します。
ゼレンスキーウクライナ大統領の我が国国会における大統領演説が本日日本時間1800時よりWeb中継により衆参両院議員臨席の特別会議室にて執り行われます。ロシア軍ウクライナ侵攻から間もなく一ヶ月、ロシア軍という巨大な軍事大国の攻撃から果敢に抵抗を続け世界に驚きを以て受け止められている若き指導者は日本の国会に何を語るのでしょうか。
ウクライナへ侵攻しているロシア軍は日本にとり隣国でもあるのですが、冷戦時代には北海道始め強大な軍事圧力を掛け、首都東京へ向けての爆撃機による示威飛行“東京急行”を繰り返しています。また太平洋戦争では不可侵条約破棄による参戦と非戦闘員殺傷、終戦後の捕虜に対する強制労働による大量の死者を出すとともに今へ禍根を残しています。
ゼレンスキー大統領は、平和憲法を盾に世界危機への傍観を続けている日本の、手段として平和を用いるが結果としての平和実現は度外視する、この戦後日本をどのように見ているのか、また国内情勢と世論ばかりを注視する“一億総引き籠り”という実情を前に如何に世界の視点を突き付けるのか、現実主義の最前線で何を語るのか、関心はつきません。
日ロ平和交渉中断がロシア外務省より一方的に通告されました。日本とロシアは1956年に日本とソ連のあいだで締結された日ソ基本条約がありますが、日本とソ連はその後の平和条約締結までは進まず、ロシアはソ連より国際法上の国家継承を行った後に、平和交渉をすすめ、安倍政権時代にプーチン大統領がその無条件調印を迫りましたが進んでいません。
両国関係は戦争状態ではありませんが、日ソ基本条約締結までは日本は国連へも加盟できない状態となっており、一方で続く平和条約締結へ前進できなかった背景には、日ソ不可侵条約の一方的破棄と日本のポツダム宣言受諾後に進められたソ連の軍事行動による領土割譲への日本のソ連への不信感、そして何よりサンフランシスコ平和条約の解釈問題です。
北方領土問題としていまなお日ロ間に大きな溝を構築している現状は、サンフランシスコ平和条約として北海道に帰属する離島がふくまれていたことから、千島列島南部の択捉島と国後島、そして北海道に隣接する歯舞諸島と色丹島について、ロシアの施政下から返還されるべきとの立場を日本が堅持している為ですが、今回一方的に中断を通告されました。
日ロ平和交渉は一筋縄では行かない事は認識しています、特にロシアにとり北海道北方のオホーツク海は戦略ミサイル原潜の聖域であり、ロシアがウクライナに突き付けた中立化、事実上の衛星国化は北海道に対しても突き付けたい要素に他なりません。こうした中で、ロシアから見れば千島列島の一部である北方領土返還は現実的でない要求ともいえます。
日ロ平和交渉、しかし同時に忘れてはならないのは、ロシアはソ連時代に、北海道の留萌-釧路以北のソ連割譲を要求していた事であり、今回ウクライナ侵攻に際して突き付けた意味不明の口実により北日本侵攻を行う可能性は否定できず、何よりロシア軍が実施しないのは平和愛好ではなく、単にロシア軍の戦力が整備されていない為という背景があります。
ゼレンスキー大統領は今夕、我が国国会において史上初となる外国首脳のオンライン演説を執り行うのですが、これは同時にウクライナ情勢を遠い東欧の出来事として見るのではなく、実は我が国に及びかねない厳しい現実が、戦争の形で現在東欧で顕在化しているという認識で、もう少し世界における日本の立場を考えてゆく必要があるよう、思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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