北大路機関

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C-2輸送機PAC-3ミサイル部隊沖縄へ空輸,北朝鮮軍事偵察衛星打ち上げ警戒-スーダン邦人輸送と二方面対応

2023-04-24 07:00:14 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ミサイル防衛
 北海道へのJアラート発令は記憶に新しい所です。

 航空自衛隊は浜田防衛大臣からの北朝鮮人工衛星破壊措置命令準備指示を受け与那国島へ地対空ミサイルPAC-3部隊を展開中です。そして23日、その第一陣となるPAC-3部隊がC-2輸送機により与那国空港へ展開しました。与那国空港へ到着したのはPAC-3発射器で、23日1140時頃に到着、陸上自衛隊の警備支援を受け与那国駐屯地へ搬入されました。

 破壊措置命令準備指示、北朝鮮は過去に二度沖縄方面へ人工衛星打ち上げを表明しています。そして極軌道を飛行させるべく南に向け発射しており、朝鮮半島の発射施設から打ち上げた場合、南西諸島上空を飛翔するとともに、切り離した幾つかのブースターは南西諸島近海に落下することとなります。これが地上に落ちる軌道を採った際、迎撃するのです。

 C-2輸送機の二方面作戦、驚いたのは与那国到着が予想よりも迅速に行われ、この輸送がC-2輸送機により行われた事です。そしてC-2輸送機は現在、自衛隊によるスーダン騒擾邦人輸送任務として、現在ジブチへ派遣されており、航空自衛隊はC-2輸送機による二方面作戦を実施しているということです。なお23日に搬入されたのは発射器のみとなっている。

 PAC-3は発射器の他に射撃統制装置とレーダーや電源車が必要で、自衛隊によれば輸送機の輸送力とともに海上自衛隊輸送艦の輸送支援を受け、与那国島の他に宮古島市と石垣市へPAC-3を展開させるとのこと。沖縄タイムス報道によれば芦屋基地と築城基地及び高良台分屯基地から派遣されることとなり、これらは29日にかけ展開を完了する計画とのこと。

 南西高射群、としまして那覇基地には第5高射群を増強改編したペトリオットミサイル部隊が置かれていますが、隷下の部隊は知念分屯基地に恩納分屯基地と沖縄本島にのみ配備されており、先島諸島までまわりません。この為、西部高射群、旧称第2高射群が先島諸島に展開する。ただ、第2高射群は隷下4個高射隊のみ、九州の大部分が手薄となります。

 人工衛星打ち上げであり、奇襲攻撃が想定されるわけではない為、今回はこうした措置が取られたのでしょう。ただ、現在航空自衛隊は2023年3月の再編で6個高射群を4個高射群へ統合してしまいました、高射隊数は維持されていますが、今回のような事態を考えますと、地域配備部隊とは他に機動運用の予備となる高射隊が必要なようにも思えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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