■臨時情報-ウクライナ情勢
ロシアとの有事が顕在化した場合にはこんな連中と戦わなければならないのかと逆に考えさせられる数字が。

824名、イギリス国防省戦争研究所の分析としてロシア軍はここ数日間、大規模な攻勢に出ており、不充分な装備と訓練不足により1日当たりの死傷者数が824名という驚くべき状況に上っているという数字が示されました。ここ数日間のロシア軍大規模攻勢は、侵攻開始から一年となる今月24日までに何らかの戦果を挙げる事が目的とおもわれるものです。

824名、毎日BTG大隊戦術群が丸ごと消えている数字です。いや、ロシア軍はBTG大隊戦術群の火力偏重で近接戦闘能力に欠けた運用を見直し、近接戦闘能力を相応に重視した編成で戦闘に臨んでいるのですが、火力支援や適切な装甲車両による防護の無い状況での歩兵部隊大量投入が、結果的に毎日これだけの損耗を出している点は驚きと云えるもの。

攻撃衝力持続性や攻勢限界点というような軍事的指標に基づいて戦闘を行っているのかは多分に疑問符が付くところなのですが、これだけの損耗によりロシア軍は確かに前進しています、東部のバフムト近郊で前進しており、数日内にバフムトと周辺地域を連絡するウクライナ軍補給路を遮断する勢いであり、ウクライナ軍も確かに後退し損耗は増えている。

しかし、数日内にバフムトを包囲出来たとして、バフムト攻略は続く東部の要衝クラマトルスクを占領する事に在り、確かに一ヶ月程度この攻勢を維持したならば、数字の上ではクラマトルスクまで到達する可能性はあります、ただ、その場合の死傷者は数万、ソ連時代のアフガン侵攻10年間の戦死者を凌駕する死傷者が春になるまでに出る計算、という。

30万の動員に続いてロシア国内では二次動員の動きがある。故に損耗には耐えられるのかもしれません、この点ウクライナ軍参謀本部が8日に発表した情報として、戦時発表故に差し引く要素は多分にあるが、ロシア軍の開戦以降11カ月の戦死者数を13万4100名、直近24時間の戦死者を910名、と数字を示しています。死傷者と死者の違いこそあれ、現実的な数字ながら陸上自衛隊丸ごとと同じ人数だ。

こうした国が隣国に居るという日本ですが、他方でロシア政府としては、どの程度までの損耗を見込んで特別軍事作戦を開始したのかは、最早今となっては計算不能です。しかし、ここまでの人的損耗が重なりますと、権威主義国家とはいえいずれ世論の影響は顕在化します。その為には出口戦略として一定の戦果を示せねばならず、逆に考えるならば出口を模索しつつ遠ざかっているよう、懸念するのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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ロシアとの有事が顕在化した場合にはこんな連中と戦わなければならないのかと逆に考えさせられる数字が。

824名、イギリス国防省戦争研究所の分析としてロシア軍はここ数日間、大規模な攻勢に出ており、不充分な装備と訓練不足により1日当たりの死傷者数が824名という驚くべき状況に上っているという数字が示されました。ここ数日間のロシア軍大規模攻勢は、侵攻開始から一年となる今月24日までに何らかの戦果を挙げる事が目的とおもわれるものです。

824名、毎日BTG大隊戦術群が丸ごと消えている数字です。いや、ロシア軍はBTG大隊戦術群の火力偏重で近接戦闘能力に欠けた運用を見直し、近接戦闘能力を相応に重視した編成で戦闘に臨んでいるのですが、火力支援や適切な装甲車両による防護の無い状況での歩兵部隊大量投入が、結果的に毎日これだけの損耗を出している点は驚きと云えるもの。

攻撃衝力持続性や攻勢限界点というような軍事的指標に基づいて戦闘を行っているのかは多分に疑問符が付くところなのですが、これだけの損耗によりロシア軍は確かに前進しています、東部のバフムト近郊で前進しており、数日内にバフムトと周辺地域を連絡するウクライナ軍補給路を遮断する勢いであり、ウクライナ軍も確かに後退し損耗は増えている。

しかし、数日内にバフムトを包囲出来たとして、バフムト攻略は続く東部の要衝クラマトルスクを占領する事に在り、確かに一ヶ月程度この攻勢を維持したならば、数字の上ではクラマトルスクまで到達する可能性はあります、ただ、その場合の死傷者は数万、ソ連時代のアフガン侵攻10年間の戦死者を凌駕する死傷者が春になるまでに出る計算、という。

30万の動員に続いてロシア国内では二次動員の動きがある。故に損耗には耐えられるのかもしれません、この点ウクライナ軍参謀本部が8日に発表した情報として、戦時発表故に差し引く要素は多分にあるが、ロシア軍の開戦以降11カ月の戦死者数を13万4100名、直近24時間の戦死者を910名、と数字を示しています。死傷者と死者の違いこそあれ、現実的な数字ながら陸上自衛隊丸ごとと同じ人数だ。

こうした国が隣国に居るという日本ですが、他方でロシア政府としては、どの程度までの損耗を見込んで特別軍事作戦を開始したのかは、最早今となっては計算不能です。しかし、ここまでの人的損耗が重なりますと、権威主義国家とはいえいずれ世論の影響は顕在化します。その為には出口戦略として一定の戦果を示せねばならず、逆に考えるならば出口を模索しつつ遠ざかっているよう、懸念するのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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