本殿前を遠慮しながら横切って境内を外れてしまうかといった場所にこの説明看板(案内は無い)は建てられている。
大概この後ろに古墳があるだろうとおもうだろうな。ところがどっこいそうはいかない。裏山に入り込まねが行くことはできない。
ところがどっこいそうは問屋が卸さない。そんな彼じゃあない。「じゃあ次は」と言いつつ第二段を用意して待っている。 次はお茶の入ったペットボトルである。もう既に百円硬貨が仕込まれている。
「おい、それ、横から百円入れるんやろが」
「知ってるんですか」
「バーカ ネタが見えとるわ」
「えっ」
「えっ じゃあない。ちいたあ落ち着けよ。そのお茶でも飲んで一息ついたらどうか」
「はあー このお茶飲めないんですよ。ずっと百円玉入れたままで錆びがきとるし濁っとるし」
「はあー 俺がはあーと言いたいぞ」「ちったあメンテナンスしろよ」「今の二つのネタばらしはユーチューブに出とったぞ」
「えっ 知ってるんですか」
「知らなくても判りそうなものやないか」
「それもそうですね」水道の水がお茶になって横が縦になっただけでその方法は変わらないのである。
ここでめげるかなと思ったのだが、なんてことはない。突っ立っているだけの担当に笑いながら種明かしをしているのである。なんともはや、こやつは一体何をしにきたのやら。日頃顔を会わせて話すことがないので判らなかったが、手品師がこんなにもユニークなキャラクターの持ち主だったとは思いもよらなかった。