事例紹介コラムです。
昨日、ヤフーのトップニュースで「元柏MFレドミ J1名古屋に移籍」というタイトルで、ニーヤンことL.ドミンゲスのJ1名古屋への移籍が正式に決まった報道が流れました。かなり前から噂されており、いつどこに決まるのか気にしていました。J1名古屋は完全移籍で獲得したと発表し、本人がファン感謝デーで最後にサプライズで登場したそうです。
J1名古屋公式HP該当ページ:http://nagoya-grampus.jp/information/pressrelease/2014/0608post-217.php
2010年の入団から5度の退場処分を受け、ネル監督がその都度、改善を勧告したが、4月2日のナビスコ杯甲府戦で乱暴行為で退場後、ロッカールームでネル監督に対し、著しく不適切な暴言を吐いたとか。クラブは「クラブ秩序を著しく乱す行為」として8日に解雇通知を出し、本人も承諾したという報道もありました。
移籍先も中東の金満クラブという話もありましたが、結局は同じJ1の名古屋さんになりました。とここまで書けばシンプルに見えますが、フットボールチャンネルの記事を読んでいると、そんな簡単ではない事がわかりました。以下、抜粋して紹介。
【乱暴行為による一発退場。規律を重んじる指揮官との信頼関係を損なう】
2011年のリーグMVPであり、J1柏のリーグ初優勝最大の原動力となったニーヤン選手が、そもそもなぜ柏を去らなければならないのか。ネル監督との確執の一言で片づけられるほど、事態は単純ではない。4月2日、ナビスコ甲府戦でニーヤン選手は相手選手への乱暴な行為で一発退場となり、これを機にネル監督がしばらくメンバーから外すことを決断。
ただ、こうしたニーヤン選手の一発退場はこの時だけでなく、今年2月のちばぎんカップでも相手選手への肘打ちで一発退場になっており、ネル監督から厳重注意を受けたばかり。また、2012年のリーグ最終節の鹿島戦でも暴力行為で公式戦3試合出場停止処分となり、その直後の天皇杯を欠場している。
規律を重んじるネル監督はこうした乱暴な行為による一発退場を嫌っており、ニーヤン選手が退場になる度に、ネル監督は厳しく注意を与えていたとか。2月に厳重注意を与えたばかりなのに、それから約1カ月半後に同じ行為を繰り返したことがネル監督の逆鱗に触れ、「頭を冷やせ」という意味合いを込めて4月6日のC大阪戦からメンバー外に。監督と確執があったというよりは、規律を守らない行為が続き、信頼関係が徐々に損なわれていったと表現する方が適切なのか。
【時に冷静に、時に強い口調で叱咤した“カリスマ”北嶋の存在】
もともと、2009年に就任したネル監督が、「L・ドミンゲスが来れば柏のサッカーが変わる」と強化部に頼み込んで獲得した経緯があり、ブラジルでも名の通った名将であるネル監督からの誘いだからこそ、ニーヤン選手はオファーを受けて入団。本人自身、2011年の優勝でリーグMVPを獲得した頃は「監督は素晴らしい人。リスペクトしている」と口にしており、双方は間違いなく良好な関係だった。
ピッチ上で激高したニーヤン選手をなだめてコントロールすることは味方選手では難しいとされてきたが、例外が2人いる。キタジこと北嶋秀朗(元選手)と、昨年限りで退団したジョルジ・ワグネル。キタジはピッチ上ではニーヤン選手と対等に言葉を交わせる選手だった。時には冷静に、時には強い口調で叱咤し、ニーヤン選手自身もクラブの象徴的存在で強烈なカリスマ性を持つ北嶋には一目置いていたはず。それでいて2人は仲が良く、「ニーヤン」という愛称は、キタジが2010年に名付けたものだとか。
【J・ワグネル退団で制御不能に。最大の功労者の悲しい別れ】
J.ワグネルは元々ブラジルスーパースターであり、人柄も良く、ピッチを離れればこれ以上ないというほどの人格者。いくら「柏のキング」と呼ばれたニーヤン選手も、J.ワグネルには尊敬に近い気持ちがあったではないだろうか。キタジとJ.ワグネルが同時にピッチに立ち、彼らが言葉を掛けることによって、ニーヤン選手の激高を完全に鎮められないまでも、ある程度の抑止力になっていたと言える。
その2人がチームを去ってしまい、抑止できる選手が不在になった影響が大きく出てしまったと言わざるを得ない。結局はその2度の退場処分が、ネル監督との関係をこじらせ、「規律を乱した」として見切られる原因になってしまったのか。それでもJ1柏の最大の功労者である事には変わりない。
フットボールチャンネル該当ページ:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140502-00010002-footballc-socc
フットボールチャンネルの記事を読むと、2011年をピークに、徐々にチームがニーヤン選手から離れて行った事がよくわかります。あと、ネットで読みましたが、ネル監督からチームに不要とされて移籍して行った選手は、ほとんどが新天地でも活躍できていないという話も耳にしました。2009年当時にはフランサというエースがいましたが、その時も今回とよく似た形でチームを後にしていますね。
実際、今シーズンもニーヤン選手が欠場した試合の方が、勝率が良かった気がします。ネットを通して、柏サポの様子を見ても余り惜しむ声が挙がっているという事はないようですね。時代の変遷なのでしょうか。
そしてもう一つ。J's GOALの今のページを観てもらえばわかりますが、柏の公式HPで一度発表されて、その後すぐに削除されている事。何なのでしょうか。本人のコメントを待って改めて掲載するのか。
それでも当ブログにとっては、ニーヤン選手はまぎれもない「功労者」です。ピッチ上では瞬間湯沸かし器でしたが、ピッチ外では紳士でした。天皇杯でカンスタに来た時に、選手バスの出待ちをしましたが、隅から隅まで長い時間をかけて、丁寧にサインに応じたニーヤン選手の姿が目に焼き付いています。チーム内でもブラジル人同士ではとても仲が良かったようで、今シーズンやってきたモンちゃん(レアンドロ・モンテーラ選手)に対して兄貴分のように接して、「デジっち」では2人で「幽体離脱」を演じていたのがいい思い出ですね。
闘莉王選手と微妙なのかもしれませんがたぶん、名古屋さんでも選手間ではうまくやるでしょう。 ちなみに今シーズン、名古屋さんとの対戦は・・・2敗して勝てていません。ナビスコ杯では予選リーグの唯一の1敗が名古屋さん。次は再開後のリーグ戦で、8月23日(土)の対戦。頑張って欲しいですね。今度は対戦相手でニーヤン選手を観たいものです。「因縁」の名古屋戦が楽しみです。