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Jリーグの話題106

2016-06-04 00:01:01 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 今シーズンは、天下の悪法「2ステージ制」で運営される2シーズン目に入り、前期も第14節を終えてあと3試合のみとなりました。でも全然盛り上がっていません。もし、盛り上がっているなら、前期優勝予想とか言うでしょう。全く前期優勝とかマスコミは触れません。マスコミの意思表示なのかもしれません。久しぶりに2ステージ制絡みのコラムがフットボールチャンネルに登場し、ライブドア経由で観ました。でも、なぜかフットボールチャンネルの本文が出てきません。何かあったのか。以下、抜粋して紹介。
   
【統計学で見るJリーグ・2ステージ制の矛盾。確率が導き出した歪なバランスと制度設計の問題点】
〔大きな問題があるJリーグの制度設計〕
 J1リーグで一昨年から気がかりな点は残ったままで。CS(チャンピオンシップ)の存在が問題。'15年からこの制度に統計的な方法で切り込み、CSは「年間勝点で4位以下のチームをステージ優勝で救済する制度」と分析したのが名城大の小中准教授。
「現行のJ1のリーグ制度とCS制度は設計そのものに大きな問題が存在。単純にサンプル数の少ない過去実績からの推論ではなく、仮想試合を行って10万シーズン分をシミュレーションした分析で判明」と小中准教授のコメント。
【CSを5チームで争う確率はわずか3%】
 3つの優勝を争い、CSのトーナメント戦も実施して山場を増やす戦略だったが、各ステージ優勝のチームと年間3位までのチームが重なる可能性があり、CSに出場するのは3から5チームの間という状況。それまで年間優勝とされてきた年間勝点1位のチームはCSの決勝にシードされるとはいえ、「地位」が低下したために、制度変更へ大きな批判が殺到。
 CS初実施の昨シーズンは3チームの出場。結果は前期優勝で年間勝点2位の浦和と年間勝点3位のG大阪が準決勝で対戦してG大阪が勝利。後期優勝で、年間勝点1位の広島がG大阪を下して年間優勝。
 シミュレーションによる分析から小中准教授は「現行の制度は2ステージ制をベースにCSを争うように見えるが、出場チームの重複が起こるので実質は1シーズン制の勝点上位3チームがCSで争っているようなもの。そこに、年間勝点の順位4位以下のチームがステージ優勝で救済され、ときおり参入する制度」と説明。
 分析から、年間勝点の上位3チームと前期と後期の優勝チームとが重なり、CSが年間勝点の上位3チームで争う確率は61.7%。年間勝点の上位3チームと前期と後期優勝チームのどちらか一方が重なり、CSが4チームによって争われる確率は35.2%。年間勝点の上位3チームと前期と後期優勝チームは全く別になり、5チームで争う確率はわずか3%という結果。
【サッカーの統計処理は確率論の例題としてポピュラー】
 この確率は、'10年から'14年までのJ1リーグの実際の試合結果から各チームの平均得点と平均失点をもとにモデルとなる式をつくり、10万シーズン分の仮想試合を行って出した数値。
 Jリーグ開幕年の'93年から'14年、過去22年間のJ1の試合結果を現行の制度にあてはめ、その割合を調べると、CSに進めるチームが年間勝点の上位3チームのみになるケースは16回で73%。年間勝点の上位3チームと前期と後期優勝のどちらか一方が重なり、4チームによって争われるケースは5回で23%。年間勝点の上位3チームと前期と後期優勝のチームが重ならず5チームで争うケースはたったの1回で確率は4%。
【現行制度は2ステージ制と呼べるものなのか?】
 「過去のデータを照らし合わせても、使えるのは22シーズン分の結果のみ。サンプル数が少ないため、データとしての信頼性は不十分。J1のチーム数も変化しており、その上で現行制度のCSが実施されたのは昨年の1回のみ。統計的な結論は出せないが、コンピューター上でのシミュレーションなら10万シーズンも数十分で可能」と小中准教授。
 分析結果から見えてきたのは年間勝点で3位までに入る強い3チームが前期と後期(2ndステージ)も制する確率が非常に高いこと。そのため、前期と後期の優勝チームが年間勝点で重複せずにCSに進出できる時は、各ステージの優勝チームがまるでワイルドカードでCSに出場したように見える。
「確率的に、おおむね年間勝点の上位3チームがCSを争う現行の制度を2ステージ制と呼ぶには乖離が大きく、現行の2ステージ制を前提にしたCSに問題があるということ。各ステージの優勝チームと年間勝点の上位チームをCSで争わせるのは、別々の指標で評価したチームを戦わせていて、一貫性が欠如」と小中准教授。
 ただ、スポンサー収入と観客数の増加を目的とし、その上で年間勝点が高いチームが年間王者をより獲得しやすい制度設計を、Jリーグがあえて「選んでいる」のではないかという考え方もあるが、「目的達成の利点と、年間勝点の上位3チームと各ステージ優勝を並立させる方式が生み出す問題とが、うまくバランスがとれているようには見えない」と小中准教授の説明。
【年間勝点4位以下でステージ優勝したチームがCS制覇する確率は6.8%】
「特に各ステージの優勝チームは表彰されるが、年間勝点が1位のチームはCS決勝で負けてしまうと無冠という結果。メジャーリーグは年間勝点1位のようなチームをしっかりとタイトルチームとして認めている。この差も大きい」
 今年もシーズン終盤になると後期優勝の行方と年間勝点を計算してどのチームがCSに進出するか話題になるだろうが、そのCSが実は、2ステージ制の影響は大きくなく、実質は1シーズン制の上位3チームによるCSになる確率が61.7%という事実を知ったらファンはどう思うか。
「自分が選ぶなら1ステージ制。各ステージ優勝チームの有利にする2ステージ制を経てCSを実施してややこしくするより、シンプルに年間勝点1位のチームを称えたい。ポストシーズンを実行するのなら、矛盾無くすっきりした制度設計を期待」と小中准教授。
 ちなみに、小中准教授が同じ方法を用いてリーグ戦ではなくCSを新たに分析したところ、年間勝点1位、2位、3位のチームがCSを制する確率はそれぞれ52.0%、21.6%、19.5%。3位までに入れず、ステージ優勝で出場したチームがCS優勝できる確率は6.8%。
 小中准教授たちの分析から、現行の2ステージ制の「内実」が具体的な数値で判明。望んでいたのは「年間勝点で4位以下のチームをステージ優勝で救済し、年間優勝チームを争う制度だったのか。制度変更のたびに問われているのは1シーズンを通した勝者である年間勝点1位の価値。この価値をスポンサー収入と集客と交換可能と考えるなら、現在のCSを含めた2ステージ制に執拗にこだわらず、別の制度設計を考えるべきと締めくくっています。

 という内容でした。3年くらい前まで当ブログでは散々意見具申してきたので、この場ではいちいち主張しません。小中准教授さんが言いたいのは、旧2ステージ制と比べて、現2ステージ制はややこしい構造になったため、確率的に1ステージ制に近づいてしまった。根本的に意味が無いのではないかという事でしょうか。天下の悪法なので、早ければもう2年くらいで村井チェアマンが、有識者の意見をもとに1ステージ制復活宣言をしてくれるものと信じております。なでしこリーグは早々と今シーズンから1ステージ制に回帰していますが、Jリーグはまだ目が覚めないのでしょうか。過密日程でいつの間にか日本代表が弱体化し、ACLの枠が減ってしまい、W杯予選突破ができなくなる日が近づいてきているというのに。売上・利益をひたすら増やしたいのか、日本サッカーを強くしたいのか、どっちなのでしょうか。すべての結果が出てしまっては遅いですよ、村井さん。
ライブドア該当記事:http://news.livedoor.com/article/detail/11561637/
Jリーグ組織問題関連(2ステージ関係):38 / 37 / 36 / 35 / 34 / 33 / 32 / 31 / 30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 /
Jリーグ組織問題関連 (その他):31 / 30 / 29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 /

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