CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】AIに負けない子どもを育てる

2020-03-04 22:10:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
AIに負けない子どもを育てる  著:新井 紀子

前作が面白かったので続編にあたるであろう本作を読みました
タイトルからだと、AIについて語っていそうなんだが、
実際は、AIという単語にあまり意味はない(とは言いがたいのだけども)、
昨今問題となっている、読解力の低下について
どうしたら、それを回復させられるか、
あるいは、判定できるのかといったところについて
RSTなる方法を紹介しながら、
その実践と、研究がわかりやすく記されていました

AI研究の中で培われた、AIにはできないこと、
人間が得意な部分というものについて、
つきつめていくと、それは読解力に通ずるというお話で、
ある文章を読んで、それが何を意味しているか判別できるか
そこが、大変重要であるというお話でありました

目からウロコといっていいのか、
確かに言われてみると、そんな感じだなと
思い知らされるように、RSTの設問もいくつかあって、
見事にひっかかってしまったり、
さらっと読むだけだと、人間は単語しか目に入れないから
ちゃんと文章を読んで、意味を吟味できていないというのが
体験できるのが凄く楽しかったのでありました

論理力と呼ぶべきなのかわからないのだけども、
教育分野では、国語の内容に、論理国語というものが増えるんだそうで、
確かに、国語がちゃんとできてさえいれば、
ほかの学問も、本当に学ぶことができる、理解することができると
思わされたりしたものでありました
理系、文系という区分けが、やはり意味を成さないのではないかと
昨今うたわれているところが、よりはっきりしたようにも思うのであります

文章の論理構造とか、そういうものに着目しているのがポイントではあるんだが、
同じようなことを違う言葉で書かれていて、それが同じだと判別できるか、
そういう問題が非常に興味深くて、
こういうのは、やっぱり数学の領域のような気がするなぁと
実際著者が数学畑の人だということもあってか
想いがいたってしまったのだけども、
比喩や、修飾語といったものが、観念的なそれではなく、
ちゃんと理路整然としているかどうか、
そこは、理系とか文系とか関係なく、共通のものなのかもなと
思ったり感じたりしたわけでありました

この教育研究は、凄くよいものだと
ひしひし感じつつ読み終えたのでありますが、
自身が向上しようと思ったとき、こういうことを積み重ねることが
ひとつ、重要なのか、そういう思いが重要なのか
あれこれ、考えたのでありました
まだ、手に入れられるのだろうかね、
ちゃんとした文章を書く力を