CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】お金の流れでわかる世界の歴史

2020-03-02 21:19:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
お金の流れでわかる世界の歴史  著:大村 大次郎

タイトルの通り、世界の歴史を経済というか、
お金の流動によって呼んでみた本でありました
いかに世界が、貧困や、格差によって動乱を起こしてきたか
その繰り返しであるかが、わかるというか、
まぁ、本当ならと前置きをしたくなってしまうんだけど
大方そうなんだろうという
資本の多寡による部分が描かれていて興味深かったのであります

原初の貨幣が始まるあたりからスタートして、
最終的にはリーマンショックあたりまでという感じになっていまして、
金本位制や、宗教とのかかわり、大国の思惑なんてのが
経済、ひいては、冨の集約によるところを説明していて
なるほどと、いちいち頷くような本でありました

世界史という観点ながらも、日本のことも少々触れていて
明治維新から、二次大戦前夜くらいまでの
未曾有の経済成長について書かれているのが興味深かったのであります
ただ、御他聞にもれずというか、これは
どこの国でもそうだけど、一瞬の優位に到達した瞬間に
政権というか、国の根幹が凄い勢いで腐敗して
そのままなぎ倒されるということが
数多くあげられていまして、日本もその通りでありました
まぁ、そうであるなら、今また、倒れる段階だなとも
思ってしまうんだがどうなんだろうか
徳川幕府のときとかどうだったと
そのあたりも気になるが、そこまでは語られていなかったのであります

ナポレオンが安い軍人を大量生産することで、
一時期、ヨーロッパの覇権を担ったというお話であったり、
アメリカという国が、慾をかいたばっかりに
相当の大戦が引き起こされたのではないかという指摘があったり、
イギリスの凋落、ドイツの勃興、イスラムやユダヤの世界銀行計画
みたいなのが非常に面白く読めた本でありました

結局、誰かが大もうけして、そのひずみが一定を超えたときに
そうではないほうが暴動を起こすことで、とりあえずの御破算がおきると
その繰り返しであったのが、経済の歴史であり、
人類の歴史だというお話だったと読んだのだけども、
ソ連の共産主義が、いかに、お題目と実情が異なる
酷い有様であったか、その生産性の低さが
どういう成り立ちであったかが
目に見えて書かれているのは面白く読めたと思うところであります

経済のルールは一人がちを許してはいけないと
そんなところにありそうなんだが、
それはそれで、ルールというか、前提が可笑しいとも思うから
貨幣経済というか、資本主義というのは
よくないものなのかもなぁと思わされたりするのである
未だ、代替の何かは見つからないのだ