CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語

2020-03-16 21:03:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語  
著:田中 靖浩

最近、似たような本ばっかり読んでしまって、
知識補完が強化されたような、
本の感想としては、ごっちゃになってしまって、
この本の感想であってるかしらと
心配になりながらでありますが、
会計の歴史をまとめた本でありました
以前は、経済が世界史に与えた影響をというものであったが、
今回のこれは、本当に、会計がどのような歴史を辿ったかというお話で
これまた興味深い内容でありました

会計の概念というか、帳簿をつけるということが習慣づけられ
それが便利だから、様々な方法で管理するということが発見されてきた
産業革命なんかとも、足並みをそろえつつ、
経済規模が大きくなるにつれて
新しい会計概念が発生し、それが培われていくというのが
全体の流れでありましたけども、非常に面白かった
正直、初期会計ですらマスターできていないなと
改めて思い知ったわけでありますけども
宗教との関係がとりわけ興味深いところでありました
利子という概念の発生と、それを卑しいとした感覚、
それによっての、様々な差別や弊害というのが
大変興味深い
最終的には、それを言葉遊びめいて打破したというのが
メディチふくめ、新興の銀行屋のすごいところだったんだな

メディチ銀行の話なんかもあれば、イギリスに渡り、
産業革命に伴う、鉄道会社の隆盛、そこを管理するために必要な新しい会計ルール
そのあたりもドラマチックでありまして、
必要に迫られて、また、世界が求めて会計というものが
透明性を増してきたというのは驚愕の事実だと思えるのであります
ちゃんと読めれば、世の中に隠し事というか、
そういうものはないのかもしれんと思ったんだが、
まぁ、そんなわけないな、わからんように書いているという
ずるさが残っているのかもしれぬ

思いつつも、アメリカにわたり、今度は音楽業界の歩みと
産業の歩みをクロスリンクさせて語っていたのでありますが
このあたりは、著者の趣味が出すぎじゃねぇかなと
ちょっと思ってしまったんだが、いわんとするところはごもっともで、
このあたりから、未来にどれくらいキャッシュフローを生み出すか
価値算出をするというフェーズになってきたというのが
現代であり、さらにいうと、それをもう少し前に進めたものに
そろそろ気付かないと人類ダメじゃないかなと
そんなお話でありました

ためになるというか、知識としてただ面白いと
さらっと読み終えてしまったんだけども、
まっとうに、会計の勉強をしたほうが時間的には潤ったのではないかと
反省もしつつ、こういう面白さを浪費する
会計とは程遠い生活もまた、人間ぽいだろうと
自身を擁護するのでありました