CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

2020-03-23 20:54:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。  
著:ヤニス・バルファキス

タイトルの通り、経済学者でありギリシャ経済を担った父親が
娘に向けてあてた経済とは何かという
一種の哲学書でありました
経済学書というよりは、もっと哲学的で、世界の成り立ちわと
そんな大きな話題に通ずるものが描かれていて
なかなか面白い一冊でありました

タイトルの通りわかりやすいかといわれると
ちょっと難しいよなとも思ってしまうんだが、
学術書よりはずっと平たく書かれていて
非常に読みやすい本であります
なぜ世界から貧困や格差がなくならないのか
そのあたりについて、古代農耕が始まった頃まで遡りつつ
様々に解説という具合でありまして
ここのところ読んできた、簿記の歴史系の本と
一致するというか、つまりはそういうことだと
現在、世の中の流れとして
こういう考え方があるんだな、もしかすると、
この本がきっかけなのかもしれないなと思わされた内容でありました

世界の経済は単純なようでいて、
でも、思い通りになるはずもない、机上空論では
決してうまくその動作を言い当てることはできない
そんなことを書いていて、ややもすると、経済学者の愚痴にも読めてしまうんだが
クレジット(信用)の考え方をかなり端的に
それでも必要十分な説明で解説していて
これが、結局お金と呼ぶものだし経済の源流だよなぁと
改めて思い知らされるのでありました

流動性の問題やら、その源泉はどこにあるのか、
なんで、突然にお金は沸いてくるのかのからくりなんかも説明していて
それがうまくまわっているときしか、結局はつじつまがあわない
やわなものであるところと、それを上手にコントロールすることが
いかに難しいか、誰かが得をしようと考えたときに
とたん、破綻してしまう仕組みについて
かなり解説が割かれていて非常に面白いのであります

最終的には、お金をどうこうするということは
目的ではなく手段だと、全人類が気付かないと
幸せはやってこないんだろうと思わされる
きわめて普通の結論なんだけども、
そのあたりの解説が面白くて
読み応えというか、読みやすく楽しめる一冊でありました

まぁ、最終的に何か答えがでるはずもない話題だから仕方ないが
さらっと読んで、オチは自分で考えないといけない
そういう本であります