森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

秋をあなたに<その2>

2008-11-22 23:51:55 | お出掛け日記

 

 秋をあなたに<その1>は、日比谷公園内レストランのお話でした。その続きです。
日比谷交差点の所から日比谷濠を眺めてみました。

私は思いました。
この街を作った男達の魂が、私と同じ場所に立ち、同じようにここからこの風景を眺めていたら、きっと満足して微笑むでしょう、と。

なんて美しい・・・。

 

 私は東京には、家から45分ぐらいで行けるちょっと田舎に住んでいます。結婚して横浜から今の街にやって来た時は、田舎っぷりにほれ込んだものです。狸を目撃したり、モグラの穴をはじめて知ったり、果樹園が近くにあったり、無人の野菜売り場があったり・・・・
梅林やススキ野原、山といわれる林や森ばかり。でも今ではそんな場所が、どんどん住宅地やマンションに変わっていってしまうのは世の常というものでしょうか。

でも、私は今住んでいる場所に違和感なくすぐに溶け込み、故郷のような愛しさを感じたのです。

そのちょっと田舎と言う所が、たまらなく好きなんです。
ある時友人に
「人はみんな結局は好きなところに住むようになっているのかも。」と言いました。その時私の頭の中には、生まれた土地から離れられない姉、東京でなければ住めない妹の顔が浮かんでいたのかも知れません。だけど友人は、私の言葉に深く頷きました。その後彼女は夫と別れ故郷の大阪に帰って行きました。私に別れの挨拶を言いに来た彼女は言いました。
「あなたは言ったじゃない。人は住むべき所に住むって。私が住む所は、ここではなく母の待つ大阪なの。」
その後、大阪で再婚した彼女は今頃どうしているのでしょうか。

ちょっと田舎が好きと言っている私ですが、それでも都会の風景もとっても好きなんですよ。

だから私の住むべき場所は、都会に近いちょっと田舎なのかも知れません。

  

お堀の反対側です。

  

お堀側。お堀の向こう側は皇居外苑です。江戸時代ならば重臣達が住んで居た所です。この道を少し行くと桜田門。要するにお向かいに警視庁があるところですが 、なるほど、それで「相棒」の右京さんはたびたび日比谷公園でお茶を飲み、小野田さんと会っていたりするのですね。

  

 

ところで、前の<その1>の中で、「美女の謎の微笑み事件」について触れましたよね。

ささやかなお話です。

最初に「相棒」ロケ地と間違えてしまったお店は、老舗でとても素敵なお店なんですよ。二階のお店にはちょっとリッチなコース料理などがあるのですが、一階はリーズナブルなお気軽レストランなのです。でも、老舗ゆえに店内は少し狭い感じです。隣の席が10センチぐらいしか空いていないのです。隣に座られると、相席という感じです。

少し後から私と友人の席の隣に、男女の二人組みが座りました。敢てカップルと言わなかったのは、私の斜め前に座った女性が、そんなに若くなかったからです。でも可愛い感じの美人でした。別にしげしげ見たわけではありませんが、席が近すぎるので分かってしまいます。

―ああ、綺麗な人だなぁ。
と、思いました。

会話も聞こえてしまいます。

おっと、うっかり会話の内容も書き込んでしまうところでした。そこまでは大したこともないですよ。単なるメニュー決めです。でもそのメニューを決めるのも、甘い恋人どおしの会話です。・・・ちょっと羨ましいかな・・と、その時は私は思ったんです。

ところが、人間の視界と言うのは180度以上あるでしょう。見たくないものも目に入ってしまうのですよね。男の人の顔ではないですよ。流石に隣の人の顔は、首を横に向けないと見えません。

でもその人たちは、テーブルの真ん中で手を握り合い、その後男の人が彼女の手を小指か親指でさすっていたのも視界に入ってしまったのです。

「ウ、ウゥン。」と咳払いするほど野暮じゃありません。でもちょっと、あまりに自分達の世界に入りすぎじゃありませんこと。なんたって、隣と10センチなんですよ。ラブラブなんだなぁと思いました。でも、こんな時女性の方が周りを気遣って、やんわりとその手を離したりするものだと思うのです。ところが彼女は違いました。

彼女はゆっくりと微笑みました。まるでモナリザのように・・・

「まるで手のひらの上で・・」という表現ってあるでしょう。でも私はその時、相手の男の人が、彼女の大きな瞳の中で泳がされているような気がしてしまったのです。

どんな人?

私の好奇心が囁きます。見ないで、と私の良識が命令します。

私はルート君(子供です)の高校進学時の体験談の話とか教育の話とか、ずっとそんな話を喋り捲っていました。だって彼らの話し声を聞きたくないのですよ。自分の声で消していたのかもしれません。

でも、席を立つ時背もたれにある上着を取りながら、やっぱりチラリと見てしまいました。

・・・・・・。

なぜとは言えませんが、ピーンときました。
銀座とは目と鼻の距離です。
―まあ、コレって、同伴前デート?

これこそ裏付けのないお話(聞くわけにはいきませんものね)で、妄想ストーリーです。
でも友人曰く。
夫婦だ、恋人だ、友人だ、不倫だと、わかるレーダーを女は持っている。
怖いですね。この話を聞いたその友だちは、きっとそうだと思うよと言っていました。

私はこういう時、「田舎のネズミ、都会のネズミ」の話を思い出します。都会のネズミには当たり前の光景でも、田舎のネズミは過剰反応してしまいます。私はすっかり田舎のネズミになってしまったのかしら。

このお話は少し前の10月の終わりのお話です。今の東京は・・・

  

 

 12月が走ってやってくると言う感じです。

コメント (2)
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